ライトノベルの定義

図の赤枠で囲った範囲がライトノベルです。

いや、「ライトノベルの定義はあいまい」といわれることが多いですが、多くの人が思い浮かべるライトノベルに、そう大きな違いはないと思います。電撃文庫や富士見ファンタジア文庫を「ライトノベルじゃない」という人はよほどの偏屈だし、逆に、新潮文庫や集英社文庫を「ライトノベルだ」という人も、そんなにいない。だいたい議論になるのは、講談社ノベルス辺りで、西尾維新はライトノベルっぽいけど、西村京太郎はさすがにライトノベルじゃないよね、みたいな。おおよそ、漫画っぽいイラストがカバーの文庫はライトノベルだけどノベルスはちょっと微妙。イラストがなくても中高生向けだったりオタクが読みそうなのはライトノベルに入れることもあるけど、一方、イラストがあってオタク向けでもジュブナイルポルノはライトノベルに入れない(出版社の人はライトノベルに入れようと頑張ってますが)。

問題は、このライトノベルの範囲に入る作品をどう言い表すか、ということなんですが、よくマスコミとかの説明で用いられる「主に中高生をターゲットとした小説」、いや、今は、読者層も上がってオタクもターゲットにされてるので、「主に中高生、オタクをターゲットとした小説」という辺りが、結局、しっくり来るような。

そもそも、「ライトノベル」って、中高生向けの小説を表す言葉だったんですよ。80年代を思い出すと、それ以前は中高生向けの小説なんてほとんどなかったところに、ソノラマが出て、コバルトが出て、スニーカーが出て、当時、ちょうど10代だった私たちの世代は「俺たち向けの小説がどんどん出てきたっ!!」と浮かれたりしてた。これら俺たち向けの小説を、ふつーは、ヤングアダルトとかジュブナイルとかジュニア小説とかティーンズノベルとか呼んでたんですが、NIFTY Serveの人たちは「俺たち向けの小説なんだから、俺たちだけのかっこいい名前をつけようぜ」と中二病的なセンスを発揮して「ライトノベル」という呼び名を作っちゃったのね。(参考: 名付け親だぞ: 神北情報局)

つい最近、2000年ぐらいまでは、この「ライトノベル」という呼び方は一般的ではなかったんですが、オッサンになっても読み続けてたオタクたちが、「もう若くないのに、この俺たち向けの小説を、いつまでティーンズノベルって呼ぶんだ? 恥ずかしい」と悩んだ結果、名前だけだと意味不明な「ライトノベル」という呼び方を選ぶ人が増えていき、いつの間にかみんな「ライトノベル」と呼ぶようになってた。まあ、さらにそこから経緯を知らない人が増えたんで、「ライトノベル? 軽い小説? わっかんねー」と言われるようになり、2ちゃんねるの“あなたがライトノベルと思うものがライトノベルです。ただし、他人の賛同を得られるとは限りません”という言いっぷりも広まり、「ライトノベルの定義はあいまい」みたいな感じになっちゃったのんね。

俺たち向け、もとい、中高生、オタクをターゲットとした小説といっても、もちろん境界はあいまいで、そこは、漫画でいうと、少年漫画と青年漫画の境界があいまいなのと同じです。ただ、『さよなら絶望先生』の千里ちゃんみたいに、きっちりしないとすまない人が、「新しい定義をつくって、きっちり線を引こうぜ」と言い出したのが、いわゆる「ライトノベル定義論」だと思うんですが、きっちりくっきり線を引こうと思ったら、最近定番になりつつある「ライトノベルレーベルから出てるのがライトノベルです」って定義が、ベスト? ただ今度は、ライトノベルレーベルの定義が問題になりますが。……まあ、境界は、別にあいまいなままでいいんじゃね?という気がしますが。

[ 2012.11.04 ]

  このエントリーをはてなブックマークに追加