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ゼロの使い魔21 六千年の真実 /ヤマグチノボル

くぅ~~、ごろごろごろ~~~~。隙あらばイチャイチャちゅっちゅしはじめる、正統派萌え系ライトノベルの風格は健在。ティファニアの使い魔になったことで、二人の間で揺れ動く三角関係ドリーミーラブ的なラブコメ展開が増えるのかと思いきや、結局、ラブバトルとかがあるわけではなく、イチャイチャちゅっちゅがメインという、素晴らしいなっ!!

そういうわけで、惜しまれつつも逝去されたヤマグチノボルの遺作『ゼロの使い魔』が、作者も新たにエンディングに向けて再スタート。実のところ本編よりも巻末の「あとがきに代えて」のほうが、心揺さぶられて泣けました。そこまで今後の夢を語られていたのに、『ゼロ魔』も残り二冊で亡くなられるとか、悲しすぎます。……別の作家を立てたとはいえ、この21巻も特に違和感なく、今まで通りの『ゼロ魔』として仕立ててあって、そこからも、この21巻の出版に至るいろいろな想いが透けて見えて泣けますね。

物語のほうは、残り二冊といよいよ佳境。エルフの国から脱出しようとするティファニアとサイト、そんなサイトたちを救出しようとするルイズたち、そして、世界を救うため聖地奪回を目指す教皇やアンリエッタの合同軍。六千年前の始祖ブリミルの悲しい物語の再現をにおわせながら、そんな主要キャストが勢ぞろいし、いよいよ聖地へ。佳境となっている物語も、もちろんおもしろいのだけど、やっぱ、そのシリアスな中でも、イチャイチャちゅっちゅしはじめるのが、素晴らしいなっ!! とにもかくにも、次巻完結……。

[ 2016.03.01 ]