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KADOKAWA 角川文庫
彩雲国秘抄 骸骨を乞う(下) /雪乃紗衣

角川文庫版だけオリジナル短編がついてるということだったので買いなおしたのだけど、え!? この短編がビーンズ文庫版に収録されてないとか、どういうこと? シリーズ全体を通して俯瞰するような物語になっていて、まさにシリーズのラストを〆るに相応しい作品。これだけ重要な短編がビーンズ文庫版に収録されていないとか、こんなの絶対おかしいよ。

そゆわけで、角川文庫版のみに収録されている短編「冬の華」は、劉輝とその娘、重華の物語。1巻の頃の秀麗と同じような年ごろになった重華を中心に、劉輝の治世を振り返りながら、時にコミカルに、時に感動的に読ませる内容。『骸骨を乞う』の連作短編のようにシリアス一辺倒というわけでもなく、このコミカルな雰囲気は、これぞ『彩雲国物語』の集大成というべき短編。

もちろんコミカルなだけでなく、『骸骨を乞う』の劉輝の物語を読んでいると、幼いころの重華と劉輝のやりとりは、微笑ましくも泣けてくるし、語られる劉輝の穏やかな治世は、劉輝たちの苦労が偲ばれて泣けてくるし、終盤の展開も涙なしには読めない。……物語は文句がないほど綺麗に終わっていてこれ以上続編を書いても蛇足にしかならないと思うのだけど、でも、重華の恋愛の行く末は気になるな。

[ 2016.05.11 ]

雪乃紗衣作品の感想