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転生従者の悪政改革録2 /語部マサユキ

仮にも一国家の軍隊が、全軍あわせてせいぜい数百人しかいないとか、ギャグでやってるんだろうか? 今まで、国を二分する派閥争いがどうこうということをやっていたのだけど、なんのことはない、軍隊も政権中枢も脆弱すぎて、簡単に捻りつぶせるレベル。ここまで、国家としての体裁が酷いと、切れていいレベルの駄作なのか、それとも、渾身のギャグだったのか、判断に苦しむ。どちらにしても、これはないわ~。

1巻が非常に良かっただけに、2巻でここまで酷い内容を読まされると、反応に困るなー。「魔力至上主義」がはびこるサルヴァドル王国。魔力を持たない平民中心のチームにもかかわらず上流貴族の子弟に勝利したユーリたちは、国の改革を目指すアスール王子に呼ばれ、国軍の意識を変える手伝いをすることに……。と、平民の学生たちが春休みのアルバイトで国の軍隊の立て直しを行うという時点で、すでに突っ込まずにはいられないのだけど、その立て直しをする軍隊というのが、第一兵団が70人、第五兵団が50人。えっと、この国の軍隊って全軍合わせても、せいぜい300人程度ですか……。もちろん、この程度の兵団であれば、ユーリたち「漣」の敵ではなく、つまり、学校のクラブ仲間たちに軽く蹂躙される国家精鋭の軍隊。国とはいったい……。

強い味方が数人いれば簡単に国家中枢を握れるという辺りで、もう政治も派閥争いも考えるだけバカらしいのだけど、とはいえ、今度の敵は第一王子ということで、って、あれ? そもそも、七海先輩のシュライン家とエルのいるエーデルシュタイン家が、国を支える二大貴族じゃなかったっけ?? 第三王子と二大貴族を有する陣営に、そんな雑な計略を仕掛ける第一王子。アホだ、アホすぎる……。そんな雑な計略にもかかわらず、しかも、何が起こるかは未来予知で分かっているのに、一度はピンチに陥るユーリと七海先輩。うわぁ、なにこの茶番。そもそも政治的には、シュライン家もエーデルシュタイン家も、一応、第一王子の陣営だったハズなのだけど、そんな設定、すでに、どっかにいっちゃってるよな……。

まあ、もともと期待していたのはラブコメ部分で、そのラブコメ部分は悪くはないのだけど、それにしたって、この展開は酷い。や、宝珠辺りの展開や構成も雑で、正直、この1冊は、出版していいクオリティに達していないと思う。プロットからすべてやり直して当然というレベルだと思うのだけど、なぜ、こんな出来で出版してしまったんだ……。

[ 2016.03.05 ]

語部マサユキ作品の感想