好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!


中央公論新社 C★NOVELSファンタジア
夢の上 サウガ城の六騎将 /多崎礼

タイトル通り、『夢の上』でアライスを支えたケナファ騎士団の士隊長六人を主人公にして、一人づつ描いた六編の短編集。出自を問わないケナファ騎士団だけあって、故郷を捨てざるを得なかった身の上を語る話が多くて切ない。比較的淡々とした筆致で描かれているのだけど、その抑えた筆致がなおさら切なさを演出していて、いっそう心に沁み入る~。さらに、そういう社会だとはいえ、10代前半で悲痛な決意を抱かなければいけない話ばかりなのが、ほんとに残酷で心が痛いわ。

その六編の中で、特に印象的だったのは、「世界で一番速い馬」と「あの日溜まりの中にいる」。「世界で一番速い馬」は、シャロームの想いと裏腹に、時代の価値観に束縛され続けた姉シャルカの哀しい結末が、マジ切ない。「あの日溜まりの中にいる」は、姉ちゃん、ツンデレすぎる(笑)。家族を想う、暖かく優しい内容が Good。そして、最期を飾る「手紙」。正直、国を追われる展開とか、納得いかない部分もあるのだけど、本編のその後をも感じさせるラストに相応しい内容で、ほんといいエンディングでした。

[ 2012.05.07 ]

多崎礼作品の感想