ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。


一迅社 一迅社文庫
ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。 /朱門優

日輪といえば、[TVA]『ダイターン3』を思い出します。……それはともかく、むちゃくちゃ綺麗だっ!! 感動で泣けます。もうっ、最高傑作級ぅ~~。

そゆわけで、[WIN]『めぐり、ひとひら。』(→感想)や [WIN]『いつか、届く、あの空に。』(→感想)の朱門優がライトノベルデビュー。幼なじみの巫女少女・いちこ の犬として生きる日輪は、夏休みの初日に、その幼なじみの いちこ から「お見合い」を申し込まれる……。という感じで、穂積之宮神社の行う祭りの中の行事「お見合い」を中心とした、ちょっと不思議な、そして、綺麗で暖かいお話。

や、正直前半は、キャラのやり取りは楽しいものの、主人公のあまりの朴念仁さ加減に辟易してたりもしたのだけど(^^;、特筆すべきは、後半。いやぁ、むちゃくちゃ綺麗なのよ。あふれ出る長年抱いてきた いちこ の想い。アネモイの想い。二人の純粋な想いが、とにかく涙腺を刺激するのよ。そして、かつての自分を取り戻していく いちこ と日輪。前半でもやもやと感じていた部分が、伏線と共に、綺麗に回収されていく様も素晴らしい。いや、ちょっとアネモイが喋りすぎかしらん(^^;。……ほんと、綺麗で純粋な想いを、見事に描ききった作品。非常に面白かったですっ!!

[ 2008.05.24 ]


一迅社 一迅社文庫
ある秋の卒業式と、あるいは空を見上げるアネモイと。 /朱門優

神様アネモイとの出会いと別れを描いた『ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。』の続編が、約二年ぶりに刊行。うひぃ~~、日姉妹が愉快すぎる。や、主に、かつみ姉がっ。

一迅社文庫の創刊ラインナップのうちの一冊が、今になって、まさかの続編。日輪は、恋人のいちことともに、小さい頃に離れ離れになった姉妹の住む川毎町へ。というわけで、一癖も二癖もある登場人物たちが愉快な作品だけれども、特に、新キャラのかつみ姉が酷すぎるっ!! あまりにぶっ飛びすぎるっ!! ……いや、なんだかほとんど、かつみ姉に持っていかれた感のある二巻だけど、綺麗で切ないストーリーは健在。や、展開は、わりと無茶苦茶だけどさっ。それにしても、続編含みのラストだけど、続き出るの?(^^;。

[ 2010.05.10 ]