BLACK BLOOD BROTHERS


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 1 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 兄弟上陸― /あざの耕平

物語の導入としてはまずまずだけど、あくまで物語の導入しか描かれてないので、続刊次第かなー。や、ここまでシリーズ導入的な色合いが濃い第1巻も、実は、わりと珍しいと思ったり(^^;。

そゆわけで、“良い新井輝ファンは、 あとがきでDクラッカーズを買ってくれるヤツと、 あとがきでBBBを買ってくれるヤツだ”という話もあるので、買ってみた。吸血鬼が認知されてる世界で、訳ありな吸血鬼の兄弟と、吸血鬼と人間の間をとりなす組織に属する人間の少女のお話。キャラの配置はあんまし好みではないし、この1巻は、あくまで世界感の説明が中心で微妙に描写が足りてない気もするのだけど、結局、あくまで物語の導入しか描かれてないので、続刊次第だなー。……しかし、草河遊也のイラストは、どうにも『オーフェン』のイメージに引きずられてしまって、アレだ(^^;。

[ 2005.12.07 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 2 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動― /あざの耕平

人間と吸血鬼の哀しい背景を匂わせつつ展開するシリーズの第二巻。特区での生活がはじまった吸血鬼の兄弟ジローとコタロー。まずは住む家を探そうとするが……、という内容。まあ、この二巻でも、まだまだ登場人物たちの立ち位置や背景の説明というプロローグ的な内容なので、コレといってあまり書く感想はなかったり(^^;。ただ、今のところ、なかなか続きも気にさせる内容で、今後にも期待。とりあえず、いよいよ次巻からストーリーが動き出すといった感じかしらん。

[ 2006.01.21 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 3 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区震撼― /あざの耕平

読めば読むほど、コタロウは女の子にすべきだったと思うのだけど、ショタ向けへのアピールですか? そゆことは、他のレーベルでやりやがれ、こんちくしょう。

いや、この作品って、キャラの配置がむしろ腐女子向けだよね(苦笑)。それぞれの思惑が交錯する中、『九龍の血統』のリーダー格、カーサとの戦いが始まる……、といった内容。序章的な立ち位置の巻にもかかわらず、ガチンコのバトルでめちゃくちゃ盛り上がるっ!! ただ、バトルの結末は尻切れなのがなぁ。や、全体に、作者の都合を感じさせる部分があって、そこはちょっとマイナスかなぁ。

[ 2006.03.30 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 4 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲― /あざの耕平

非常に良いボーイミーツガールですっ!! ……って、これではミミコ、厳しすぎるよ。

そゆわけで、ジローの過去を描いた番外編。19世紀末のロンドンで、大日本帝国海軍少尉・望月次郎は、カーサ、ケイン、そして、アリスと出会う、という話。とにかく、最初から最後まで、非常にお約束で良質なボーイミーツガールで、とにかくGood。特に、終盤の決意は、とても綺麗なシーンに仕立てられていて、なかなか涙腺に来るものがありました。ただ、短編としてはほんとに良い出来なんだけど、シリーズ的には、今後どうするつもりなんだろう。や、ここまで明確に描いてしまうと、いろいろ大変だろ~。……それにしても、確かに、そういう展開になるのはバレバレだとはいえ、巻頭のカラーイラストで、重要なクライマックスシーンを先に描いてしまうのは、どうなんだろう(^^;。

[ 2006.04.29 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 5 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 風雲急告― /あざの耕平

うわぁ~、そこまでやるカー。や、「風雲急告」というサブタイトルそのままに、もう怒涛の展開で凄いことになってますっ!! もうもう、続きが読みたくなる内容だなぁ~~。

そゆわけで、ミミコとジローの出会いから 1年。再び現れる“第11地区”の噂、見え隠れする「九龍の血統」の影、「カンパニー」内の不協和音、そして、特区を揺るがす大事件。いやぁ~、第二部スタートということで、とにもかくにも「待て、次号!!」という作りなのだけど、とにかくほんと、続きが楽しみだなぁ~~。

これで、『BBB』も短編集を除いて最新刊まで読了。って、あとがきによると、時系列的には、3巻→短編集1巻→4巻→来月発売の短編集2巻→5巻ということだったのか。微妙に読む順番を間違ってるな(汗;。

[ 2006.05.31 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS S1 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― /あざの耕平

富士見ファンタジアらしい短編集。つまり、本編がシリアスなのに対して、こちらの短編集は軽いノリのギャグ。まー、ギャグの内容については、好み的に、微妙かなー。あと、お約束的に中身らしい中身もないので、正直、いまいちとしか言いようがない予感(^^;。もちっと、笑いがツボにはまれば良かったんだけどなぁ。

[ 2006.07.01 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS S2 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― /あざの耕平

短編集第2段。前回の短編集はいまいちだったのだけど、今回の短編集はおもしろかったです。や、前回は薄っぺらいギャグ主体だったのが、今回は、必ずしもギャグ中心ではなく、本編では書けないキャラの別の一面を描くのに成功してる予感なのが、勝利の鍵。中でも気に入ったのは、セイがミミコの家に遊びに来る「特区の少年王」と、かつてのアリス、カーサ、ジローを描いた「古城の一夜」といったところかしらん。

[ 2006.08.18 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 九牙集結― /あざの耕平

おのれ、あとがきぃ~~。いや、ほんとにそんなところで、次巻に引くかぁ~~~。

アニメも始まった『BBB』の最新刊。あの事件から半年。今だ亀裂の残る特区、変化の兆候を見せ始めるコタロウ、そして、とうとう「九龍の血統」の攻撃が始まる……。いやぁ、見せ場はなんといってもシチューな食卓なのだけど、「九龍の血統」といい、ジローとコタロウの宿命といい、今まで仕込んできたネタがとうとう動き出すという内容で、もう、とにかく続きが読みたいっ!! さっさと次を出せっ!! ……しかし、陣内はカッコイイのだけど、ちょっと唐突感が強くてもったいない。もうちょっとシーンを増やして、もっと盛り上げてあの結末に持ってけばいいのに。

[ 2006.09.22 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS S3 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― /あざの耕平

今回の短編集は、時系列的には、あの本編 5巻の事件が起こる前ということで、懐かしさと切なさと、あと、多少の違和感がごちゃまぜな感覚で読みました。本編がシリアスで重い展開に突入してるのに、まだ気楽だった頃のコミカルな作りの話だからなぁん。

で、今回の短編集でなにより面白かったのが、挿絵。<をい。いや、草河遊也の描く挿絵が、今回、やたら変なのが多くて大笑い。巻頭カラーや人物紹介の時点で、もう爆笑モノだからなぁー。……各短編の中では、ゼルマンの愛の奴隷・サユカをメインに描いた、第五話「ある吸血鬼の僕」がいちばん面白かったかしらん。サユカは眼鏡っ娘だしなっ!!

[ 2007.01.11 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 7 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 王牙再臨― /あざの耕平

超・最高傑作級っ!! うわぁぁぁぁぁぁぁ、ひたすら続く熱い展開と、盛り込まれた感動的なシーン!! 非常に凝縮された内容で、とにかく盛り上がるっ!! そして泣けるっ!! むちゃくちゃ素晴らしぃーーーっっっ!!

本格的な攻勢を仕掛けてきた『九龍の血統』。策士・ザザの用意周到な策略によって後手に回り続けるジローたちと『カンパニー』。激しい戦闘の中で一進一退しつつも、じょじょに絶対的に不利な状況に追い込まれていく……。いやぁ、熱く激しい展開が魅せます。とにかく、凄い、凄いっ!! そして、単に熱い戦いというだけではなく、陣内への想いと、続く希望の描き方が、めちゃ泣けます。ダールに対するジャネット。ジローとケインのタッグ。ゼルマン、尾根崎と張。そして、ミミコ。ほんとに凄いシーンが目白押し。めちゃ凄かったわぁ~~。

[ 2007.04.24 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS S4 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― /あざの耕平

だははははははっ、さすがに本編とのギャップが大きすぎるだろっ!! や、時間軸的に 5巻のラストから続く話なんだけど、あのシリアスのラストから、良くぞここまでおバカな話につなげるよなぁ。いやぁ、ひたすら大爆笑ですよっ!!

そゆわけで、自分の信念に従った結果、カンパニーをクビになったミミコ。無職になったミミコの転落人生が、いま始まるっ!! という感じで、5巻のラストでカンパニーをクビになったミミコが、フリーの調停屋として歩き始めるまでの話なんだけど、すげーよ(笑)。ほんとにひたすらバカで大笑い。本編がシリアスでハードな展開の真っ只中だったにもかかわらず、こんなおバカな補完シナリオを書くなんて、世界観が壊れかねないぞっ(笑)。ほんとよくやるなぁ。素晴らしいです。

あと、書き下ろしの過去編は、ストーリー的にはあんまし面白くなかったんだけど(^^;、カーサの転化の真相に、とうとう近づいてきてますよっ!! いやぁ、続きが楽しみです。

[ 2007.07.25 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 8 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌― /あざの耕平

最高傑作級、ううぅ、泣かせるなよ(T-T)。

『九龍の血統』に制圧された特区。ジローと別れ、シンガポールに逃げ延びたミミコは、やがて、特区奪回のための一歩を踏み出す。という内容だったのだけど、うわぁ~、ミミコの最後の台詞とそれに到る過程がマジに素晴らしい。特区脱出時の活躍により、自身を巡る環境の変化に戸惑うミミコ。それはミミコを打ちのめし、さらに、突きつけられる『豪王』の難題が、ミミコを追い詰める。いやぁ、もうもう、ミミコを巡る描写の数々は、ホント秀逸だと思う。とにかく素晴らしかったぁ~~。

……ただ、ミミコに限らず、他のメンツも順調に歩みだしてるのは、ちと希望を描きすぎてる感が。シリーズ構成を考えると、特区を制圧されたばかりなんだから、まだまだ、絶望の中にいてもいいと思うんですが。<をい

[ 2007.10.23 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS S5 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― /あざの耕平

ベルリン閉鎖、キューバ危機、ベトナム戦争、アポロ計画、チェルノブイリ、ベルリンの壁の崩壊……。いやぁ、第二次世界大戦後からの激動の20世紀後半を描いた「月と太陽のモンタージュ」が素晴らしいなぁ。コミカル短編は、まあ、いつも通りで、可もなく不可もなし。

そゆわけで、ドラゴンマガジン掲載分の短編と書き下ろしの過去篇からなる短編集の5冊目。今回は、過去篇の「月と太陽のモンタージュ」が非常に良かったです。まあ、相変わらず、駆け足で描写が足りない印象は否めないんだけど(^^;。歴史的な事件を短く切り出しながら、暴走するかのように発達する人類と、それを影から見つめる吸血鬼たちの複雑な想いを、切々と非常に巧く描いていて、お見事っ!! そして、過去篇も、次でいよいよ核心かしらん? いやぁ、次が待ち遠しいぃ~~。

[ 2008.03.01 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 9 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近― /あざの耕平

ここ最近は、毎回、最高傑作級と言えるクオリティを示す『BLACK BLOOD BROTHERS』。今回も当然の如く素晴らしい内容でした。いやぁ、あとがきによると、シリーズ完結まで残り二冊か。ほんとに、凄い展開だなぁ~~。

殉教者のように働くミミコ。そんなミミコをカーサたちが襲撃する……。という感じで、シンガポールの地で、特区インパクトの悲劇再び。とりあえず、サユカさまの大活躍が素晴らしいっ!! 主にナナ方面っ!!<をい ……まあ、謎を残しつつ次巻&残り二冊ということなので、今巻に関しては、あまり語る言葉はないのだけど、なにはともあれ、続きが待ち遠しいなぁ~~。

[ 2008.06.23 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS S6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― /あざの耕平

アリスすげー、アリスすげー、アリスすげぇぇぇーーーーっ!! ……そして、いきなりアニソンを歌いだしたら、そりゃ、ビックリすると思うんだ。<ちげー

短編集最終巻。愛する人のために血族を裏切った古血・エリーゼを巡る一連の短編と、聖域で暮らしていた頃のジローとアリスのある日常を描いた書下ろしという構成なのだけど、その書き下ろしのアリスが、愉快で愉快でめちゃ楽しい。いやぁ、笑った笑った。そして、短編の最終巻ということで、本編のラストを暗示させるような内容になっているのも、しみじみとして良いね。むしろ、この短編集がどうこうというより、いよいよクライマックスに差し掛かっている本編の期待が高まる高まる。や、本編の続きが、とにかく楽しみですっ!!

[ 2008.10.26 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 10 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣― /あざの耕平

ここ最近の『BBB』では毎回言ってる気もしますが、最高傑作級ぅ~。ラストはほんとに涙腺を刺激されまくりで、泣ける泣けます。とにかく感動っ!!

最終決戦を前に語られるカーサの過去。そして舞台は、廃墟の香港、そして、特区へ……。という感じで、次巻で最終巻ということで、今回は、クライマックスに向けて舞台を整えるのがメインのような話だったので、大きく盛り上がることもなく、淡々と物語が進んでいく印象が強かったのだけど、それでも、いやぁ、ラストで見せるミミコとジローの関係が、ほんと素晴らしいなぁ。とにかく、来月発売の最終巻に大期待ですっ!! ……それにしても、今巻も分冊してもいいぐらいに分厚かったのに、最終巻はさらに分厚くなるだと?

[ 2009.04.23 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 11 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― /あざの耕平

ただただ、感無量。とにかく感動的で納得できる、非常に綺麗なラストでした。

うわぁぁぁ、目まぐるしく攻守入れ替わる「九龍の血統」との圧巻の最終決戦。そして、涙なしには読めない、もうもう綺麗で感動的なミミコとジロー、コタロウのラストシーン。や、最終的にはジローがコタロウに食われるという設定に、最後はどうなっちゃうんだろうと思っていたのだけど、とにかく綺麗で納得できるラストが、ほんと素晴らしいっ!! たんたんとした静謐ともいえる雰囲気の筆致で描かれていて、もう泣ける泣ける。最後の最後は、ちと遊びすぎという気もするんだけど、ほんと、ひたすら素晴らしいシリーズでしたっ!!

そして、あとがきで語られる登場人物たちのその後が、余韻を感じさせつつリアルに想像できて、またまた泣ける。もう読了後の余韻も含めて、感無量としかいえません。ほんと、クオリティの高いいいシリーズだったなぁ。とにかく最高のシリーズをありがとうございました。……まあ、あとがきのようなその後を続けるのも可能なのかもしれないけれど、多少物足りなさを感じさせつつ、ここで幕を下ろすのが、やっぱり、いちばん綺麗だと思ったり。

[ 2009.05.26 ]