ボトルネック


新潮社
ボトルネック /米澤穂信

だはははははっ(爆笑)。や、死んだ恋人と平行世界というせつない題材をベースに、非常に綺麗に組み立てられたラストが、とにかく Good。なんといっても、ラスト一文がめちゃくちゃハマっていて、素晴らしいことこの上ありません。

ノゾミが死んで二年。ようやく彼女の死んだ東尋坊に来ることができたリョウは、そこで、誰かの声に導かれるように強い眩暈に襲われる。気がつくと、見慣れた金沢市外。しかしそこは、リョウの知る世界とはほんの少し違う世界だった。……いやもう、このたまらなくせつなさを感じさせる設定っ!! そして、その世界で出会うサキと、なにより、ノゾミの友人フミカの素晴らしいこと、素晴らしいこと。いや、途中までは、ベタな設定のわりに、ストーリー展開や描写で恋愛色が弱く、正直不満に感じたりもしてたのだけど、最終的にはある種の雰囲気を持って綺麗に落ちるところに落ちたラストで、ほんと面白かったです。というか、爆笑。素晴らしい青春SFストーリーでした。

[ 2006.09.05 ]