“文学少女”シリーズ


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と死にたがりの道化 /野村美月

最高傑作級っ!! てか、琴吹ななせは狙いすぎだろ~~っ!!

そゆわけで、元・天才美少女作家を主人公に、太宰治を題材にして、ミステリ仕立てに組み立てられえた作品。太宰をモチーフにした時点で当然なのだけど、野村美月にしては毒が強く、そして、ミステリ風で破綻することなく、二転三転するストーリー展開が、とにかくGood。あと、今回はストーリーが勝ちすぎていてキャラにはスポットが当たってないけれど、キャラメイクは非常にあざとくて好き。まあ、キャラの本領発揮には、今後に期待かなー。

[ 2006.05.02 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と飢え渇く幽霊 /野村美月

うわぁ、終盤、解答編以降の凄まじいこと、凄まじいこと。いや、素晴らしい

そゆわけで、物語を愛する遠子先輩の大活躍するミステリ、“文学少女”シリーズ2冊目。文芸部のポストに投げ込まれる謎のメモ。謎のメモを投函するのは、噂のとおり幽霊なのか!?といった内容。いやぁ、ともかく、終盤の凄まじいこと。あのラストためだけでも、一読の価値あり。……まあ、あのラストがすべてなので、それ以外はわりとどうでもいいと思うのだけど<をい、ただ、前半部は、ちょっと構成にちぐはぐ感があるのと、全体に読者に対して情報の提示を抑える傾向があって、そのため、主人公の心葉くんに共感しにくいのがマイナスかしらん。あと、相変わらず、遠子先輩といい、琴吹ななせといい、キャラは非常にGood。ツンな琴吹ななせは、もちっと描写を露骨にお約束にして、もっと出番を増やしてもいいと思うのだけど(^^;。

[ 2006.09.01 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と繋がれた愚者 /野村美月

うわ~、うわ~、最高傑作級ぅ~~。うわ~、うわ~、うわ~。

文化祭で劇をやることになった文芸部。題材は、「恋と友情、どぉっちを取ぉる♪」という三角関係を扱った武者小路実篤の『友情』。劇のシナリオにシンクロするように進んでいくストーリーの中、琴吹さんは、どうなる?どうなる? きゃーーーーーっ!! 琴吹さん、さいこーーーーーーーーっ!! とにかくとにかく、琴吹さんが素晴らしいっ!! そして、第七章「“文学少女”の願い」が、また、綺麗だなぁん。加えて、今まで見え隠れしていた心葉の過去ネタにも、大きく踏み出した内容になっていて、今後の展開も非常に楽しみ。ほんともう、琴吹さん、さいこーーーーーーーっ!!

[ 2006.12.29 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と穢名の天使 /野村美月

うわぁ、ほんと重いなぁ。行方不明のななせの親友・夕歌を探すななせと心葉。探していくうちに、ななせにも秘密にしていた夕歌の暗く哀しい秘密が明らかになっていく……。相変わらず、ミステリ的な構成の巧みさは素晴らしいなぁん。そして、切なく綺麗な結末も見事。

ただ、あとがきに「琴吹さんメイン」と書いてあったので、ななせの恋愛模様をめちゃ期待して読み始めたわけよ。うーん、確かにななせがメインなのだけど、心葉との嬉し恥ずかし展開が少ねぇよっ!! 特に、中学時代の思い出を語る部分とか、もっと盛り上げろよっ!! まあ、今回は、夕歌を心配するななせと、そんなななせを支える心葉という位置付けだったからなぁ。や、遠子先輩の出番も減ってしまっていて、キャラクタ小説としては、ちょっと残念でした。

まあ、ななせと心葉の関係は大きく変わったわけだし、心葉と美羽の関係もほぼ明らかになってきたし、次巻いよいよはじまるハズの美羽編が非常に楽しみです。……しかし、ななせがヒロイン的な側面が強くなっていくと、遠子先輩の位置付けは、どうしていくつもりなんだろう。受験だし(^^;。

[ 2007.05.02 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と慟哭の巡礼者 /野村美月

うわぁ、ごろごろごろ~~。琴吹さんが可愛すぎる~~~。待ち合わせといい、手を繋ぐシーンといい、着メロといい、うきゅぅ~、うきゅきゅぅぅ~~、はうはうはう~~~。と、ついに、美羽参戦。うわぁ~、予想通り、陰鬱な展開、そして、心葉はダメダメだ(笑)。あうう、琴吹さんが可哀相すぎる(T-T)。がふっ、ギャ―ーーーーッス、ギャ―ーーーーッス、ギャ―ーーーーッス。って、そういうことかいっ!! ……ラストは、綺麗だけれど、予想よりも呆気なく終了。そして、次回はどうなるっ、そろそろ最終話ですかっ!!

という感じで、いやぁ、素晴らしい、素晴らしい、素晴らしすぎるっ!! 最高傑作っ!! とにかく、ななせの可愛さは凶悪っ!! 萌え転がりまくりっ!! そしてやっぱり、読みやすい文章と、きちんと計算された構成が素晴らしい。各シーンがきちんと意味を持ちリンクしいて、ほんとに巧いなぁ。そして、意味ありげな最終ページが、もうもうもう、すげぇぇーーーーっ!! ……それにしても、シリーズも、いよいよラストスパートというように見えるのだけど、最後は、やっぱり、遠子先輩の卒業合わせなのかなぁ。

[ 2007.08.31 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と月花を孕く水妖 /野村美月

がはぁっ~~~~~~~~。いやもう、うわ~、うわ~、ラストが凄まじい。今にも明るい声が聞こえてくるような描写の中で心葉の独白が、むちゃくちゃせつない、せつなすぎる。あとがきに“内容的には七話目の予告編を兼ねている”と書かれているように、非常に想像力がかき立てられて、続く卒業編が非常に待ち遠しいなぁ。

今回は番外編。遠子と心葉の一夏の経験。二人は 80年前に惨劇が起こった曰く付きの別荘に滞在することに……。と、いやぁ、あまりに無防備な遠子先輩にくらくらです。とにかく、可愛すぎるよ遠子先輩っ!! 見え隠れする心葉への想いを描いておいて、そして、あのエピローグだからなぁ。全てがラスト 2ページにあるような内容で、ホント、続きがめちゃくちゃ楽しみ、待ち遠しいっ!!

[ 2007.12.29 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と神に臨む作家(上) /野村美月

ぐはっ、なんという、ドロドロとした愛憎劇っ!! ……それにしても、ななせ、可愛すぎるよ、ななせ。うきゅ~~~。

そゆわけで、シリーズ、ラストエピソード。ななせと付き合いはじめた心葉。そんな心葉から身を引こうとする遠子。そして、遠子を想う流人は、ななせと心葉の仲を裂こうと画策をはじめる……。と言う感じで、ななせの可愛ゆさと、心葉のヘタレさが目立つ話でした。ああもう、とにかく、ななせがいじらしく、不憫すぎる~。ほんと、可愛いよ、ななせっ、琴吹さんっ!! そして、心葉は死んでいいよ。<をい。……遠子の両親の謎も良いエッセンスになっていて、最終巻となる下巻が非常に楽しみ。心葉、ななせ、遠子先輩の恋の行く末は? あと、キーを握っていそうな麻貴先輩は、どこいったっ!!

[ 2008.05.01 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と神に臨む作家(下) /野村美月

シリーズの集大成とも言える、とても綺麗で素晴らしいフィナーレっ!! ……でも、ラストのレモンパイは反則だと思う。

シリーズ最終巻。遠子先輩の両親の死の真相と、そして、遠子先輩、流人、ななせ、心葉の終着点は……。という感じで、心葉も流人も、やっぱり、どうしようもなくヘタレだ。そして、とことん ななせ を虐めるようなストーリー展開に、とにかく ななせ が不憫すぎる(T-T)。……そんな全てを巻き込んで、シリーズの全ての想いを積み上げた心葉の叶子との対峙から決意に至るラストシーンは、素晴らしいの一言。涙なしには読めない内容に、語る言葉を持ちません。ほんとうに素晴らしい作品でした。

[ 2008.09.01 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と恋する挿話集1 /野村美月

はきゅ~~~~、ごろごろごろぉ~~~~~。なんといっても、収録されている短編の一本「“文学少女”と病がちな乙女」が、とことん甘く王道的な少女小説をしていて、とにかくこっぱずかしい短編に仕上がっている件。いや、素晴らしいぃ~~。

本編は完了した“文学少女”シリーズの、主にファミ通文庫公式サイトで掲載していた作品を纏めた短編集。短編集らしく、本編に比べてコメディ寄りかしらん。心葉が受展開すぎる(笑)。や、本編の裏側を描いているような作品も収録されていて、“文学少女”シリーズの読者なら、にやにやしながら楽しめる一冊になってるのがいいねっ!! ……それにしても、この短編集ではななせがあまりに影が薄く、やはりななせは不憫すぎる。<をい

[ 2009.01.10 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”見習いの、初戀。 /野村美月

ななせぇーーーーーーーっっっ!! ……や、新キャラの新入部員が主人公ということで、多少、不安に思っていた外伝だったのだけど、いやぁ、本編同様、面白い面白い。ていうか、ななせが、ああうう、最高傑作級ぅ~~っっっ!!

遠子先輩が卒業し、心葉一人が残された文芸部に、心葉に一目惚れした少女・菜乃が入部する……。という感じで、恋する少女・菜乃を中心として、遠子先輩なき文芸部を描いた外伝。うひゃぁ、少女小説少女小説した導入も素晴らしいのだけど、菜乃とななせの絡みがさいこーーーっっっ!! そして、『曽根崎心中』を題材としたメインストーリーが、これまた感動的。貝殻の件が思い出しただけでも号泣、めちゃくちゃ泣ける、ううぅ(T-T)。いやもう、ほんとに素晴らしいとしか言えない作品でしたっっっ!! ていうか、この外伝もまだしばらく続くのか、うひぃ。

[ 2009.05.03 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と恋する挿話集2 /野村美月

“それでも、あたしは彼にずっと恋をしていた”

……ああああああああぁぁぁ、ななせ、ななせ、ななせ、ななせ、はうぅ~~~(T-T)。ななせをメインに添えるとは、なんと卑怯なっ!! とにかくとにかく切なくて、泣ける、泣ける、めちゃくちゃ泣ける。最高傑作っっっ!!

そゆわけで、文学少女シリーズの番外編は、ななせと愉快な二人組、森ちゃん&亮太の三人の視点で本編を振り返ったモノ。もう、ななせをメインに持ってきた時点で、とことん泣けて切ない物語となるのは間違いないのだけど、その切ない物語に、森ちゃんと亮太のバカ一直線な行動が、明るく楽しく上手い具合に切ないななせとの対比になっていて、素晴らしい素晴らしい、ほんとに素晴らしい。ああもう、ほんとに、ななせは可愛いな。それに対して、井上ぇぇぇぇぇっっっ!! ほんとに酷ぇ、酷すぎるっ!! なんで、ななせを選ばずに、ううぅ。ななせぇ~~(T-T)。

[ 2009.09.09 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”見習いの、傷心。 /野村美月

心葉、殺スっ!! 死ねっ!! や、後半はともかく、前半の心葉の行動は、とにかく腹立たしい。……それにしても、人の暗黒面に焦点をあてる、相変わらず、綺麗なのに黒い話だよなぁん。

文芸部新人・菜乃をメインにした外伝第二弾。「きみが大嫌いだ」と心葉に告げられた菜乃は……。というわけで、暗黒面を抱えて病んだ人間の多すぎる中で、純粋で真っ直ぐな菜乃が眩しい一冊。一方、ななせの扱いは、ちと酷いと思う(^^;。……作品としては、非常に高レベルで安定していて、ほんと素晴らしいよなぁ。ラストの引きがあざといよっ!!

[ 2010.01.19 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と恋する挿話集3 /野村美月
文学少女シリーズの番外編の三冊目。今回は後日談、というか今までの脇役のフォローの意味合いが多い内容。まさか、夕歌&鞠谷にフォローが入るとは思わなかったよ。……しかし、ななせの出番が少ないと、あまり心に来るものがないな。<をい。まあ、その中で印象的な話は、「遠子おばタンの秘密」。223ページのイラストに象徴される凍りつくような一連のシーンが素晴らしすぎるっ!!

[ 2010.05.08 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”見習いの、卒業。 /野村美月

ちょっ、先生、ガチすぎる(笑)。……そして、とうとう迎える卒業式は、筆力に定評のある野村美月だけあって、とてもとても綺麗で泣ける結末だ。

というわけで、見習い完結編を含む中短編三話。夏目漱石の『ココロ』を下敷きに菜乃の親友・瞳の過去に向き合う「“文学少女”見習いの、寂寞。」、タイトルそのままな「ある日のななせ」、そして、完結編の「“文学少女”見習いの、卒業。」。とりあえず、ななせぇ~~~(*^^*)。や、卒業を控え、菜乃と心葉の成長が強調される中、相変わらずのツンデレぶりを発揮するななせが、やっぱり素晴らしい。いつまでもそのままの ななせ でいて欲しい。顔文字使いまくりなメールもいいねっ!! 可愛い可愛い。

そして、本編終了後はじまった文学少女見習いの物語もいよいよ終了。とにかく綺麗なラストが素晴らしい。それにしても、猪突猛進な菜乃の成長も見られるけれど、それよりも、心葉の成長ぶりが凄まじすぎるっ!! そんな頼りがいのある心葉なんて……。そして、次回シリーズ『半熟作家と“文学少女”な編集者』って、えっ?! 心葉、もはや半熟って感じじゃないんじゃ……。

[ 2010.09.04 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
“文学少女”と恋する挿話集4 /野村美月

“文学少女”シリーズも、短編に関しては、これで全て収録か。次回、『半熟作家と“文学少女”な編集者』で、いよいよ最終話。って、アレ? 半熟作家って、心葉のことじゃなかったのーーっ!!

それはともかく短編ラストということで、心葉の妹・舞花に焦点を当てた「不機嫌な私と檸檬の君」や、ななせや麻貴のその後を描いた「ななせ~天使へのコール」「蛍~嵐のあとの陽の中で」など、今までと毛色の違う話も収録。相変わらず、クオリティの高さは折り紙付きだけど、ただ、ななせのその後はちょっと蛇足気味かな。なにも、心葉の次の話は書かなくても……。

収録されている13編の中で、なんと言っても心に残るのは、「“文学少女”の今日のおやつ 特別編~『百年後』~」。大学時代の遠子を描いた作品だけど、うわぁ、P372の最後の一行とその脇に添えられたP373の遠子の挿絵がとにかく感動的。遠子の想いの深さが良く表現されていて、メチャ泣けるわぁ~~。

[ 2011.01.03 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
半熟作家と“文学少女”な編集者 /野村美月

シリーズラストなのに新キャラ視点かいっ!! と不安に思いつつ読み進めたのだけど、なんのなんの“文学少女”シリーズを締めくくるに相応しい内容でした。新キャラ視点なだけでなく、ファンサービスのための番外編のような作りで、シリーズ本編としてはほとんど変化球なのだけど、なるほど、これをラストに持ってくる野村美月は、ほんと巧いなぁ。

人気高校生作家・雀宮快斗の新しい担当編集は、清楚な美人の“文学少女”だった……。という感じで、基本は、編集者になった遠子に惚れてしまった人気高校生作家の雀宮快斗を中心としたドタバタコメディで、そのコミカルな展開が、おもしろいおもしろい。ライバル、早川緋砂とのやりとりとか、超楽しい。そしてなにより、今までの物語がハッピーエンドに繋がっていてこれからも続いていくことを示す遠子の幸せそうな雰囲気が、ほんとたまらない。ファンサービス的な要素も多く、ほんとに素晴らしい最終巻でした。

[ 2011.05.01 ]