円環少女


角川書店 スニーカー文庫
円環少女 (1)バベル再臨 /長谷敏司

絶妙なキャラ配置と勢いある展開と、さらにニヤリとさせる文章で読ませる傑作。っていうか、小悪魔的な幼女なヒロインのメイゼルがひじょーに魅力的で、くらくらする~~~。

そゆわけで、久々の長谷敏司は、現代を舞台にいろいろな魔導師が闘う話。まあ、ちと引っかかる文章でいろいろとおかしい部分が散見されるのはマイナスだけど、でも、魅力的なキャラと展開は非常にGood。小悪魔なメイゼルと委員長の寒川、素直なきずなに、ドジで正義の敵キャラ、エレオノールと美味しいキャラをほんとにうまく生かしているわけよっ!! 加えて、シリアスなストーリーラインにコミカルな味付けが、ほんとに楽しい~~。なんといっても、愛に溢れた内容だしなっ!! いやもう、ツボにはまる内容で、とにかく今後に大期待っ!!

[ 2005.09.05 ]


角川書店 スニーカー文庫
円環少女 (2)煉獄の虚神(上) /長谷敏司

とにかく下巻次第。あそこまで追い詰めてしまって、下巻でどう展開させるのか、非常に楽しみ。……魔法に関する設定と小学生魔導師メイゼルは、やっぱりほんとに魅力的なのだけど、ただ、1巻では、メイゼルの他にも、寒川、きずな、エレオノールと上手くキャラをみせていたの比べると、今回は、メイゼル中心なので、そこら辺は物足りないかしらん。そもそも、メイゼル自体の破壊力も 1巻に及ばない印象だしなぁ。あとは、相変わらず、文章が必ずしも上手いとはいえず、読みづらい部分があるのは仕方がないか(^^;。

[ 2006.03.06 ]


角川書店 スニーカー文庫
円環少女 (3)煉獄の虚神(下) /長谷敏司

やっぱり、文章が読みにくいのは問題だよなー。せっかくの演出の良さを殺してしまっている感じ。あと、いきなり水着編はいらんだろ(^^;。<全体に無駄なシーンがちょっと多いような気もする

そゆわけで、《神に近き者》グレンとの対決。うーん、アレだけ強大な敵との戦いにもかかわらず、いまいちカタルシスが弱いなー。あとはやっぱり、シーンの選択が甘く、無駄も多い予感。メイゼルと仁の関係や、ネリンの話は良かっただけに、もちっとそこら辺を中心に書いて欲しかったところ。魅力的な部分も多い作品&期待してただけに、ちと物足りなく残念だー。

[ 2006.04.07 ]


角川書店 スニーカー文庫
円環少女 (4)よるべなき鉄槌 /長谷敏司

素晴らしい。ホロリとさせる過去ネタと熱い展開っ!! そのうち、エレオノールにもフラグが立ちますか?(^^;。

夏休み。メイゼルときずなが仁の家に泊まりにくる。つかの間の幸せな日常の中、仁は、失った過去を思い出す……。や、メイゼルのラストの言葉がとにかく泣ける。18歳で死んでしまった仁の妹の口癖「いつか」をキーに、みんなの想いを紡いだ内容が、非常に良く出来ているのよねん。ほんと、メイゼルをはじめとして、キャラがほんとに魅力的だよなぁ。凶悪なメイゼルをはじめとして、巻き込まれてしまった委員長の寒川さんがいいねぇ。あとは、わりとお気に入りだったエレオノールが、きちんとストーリーに絡むように復活したのも、Good。

ついでにビックリしたのは、今までと比べて、文章や展開に無駄な装飾がなくなって、格段に読みやすくなった点だったり。<をい。それにしても、悩ましいところで次巻に引いていて、とにかく次が待ち遠しいです。

[ 2006.11.03 ]


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円環少女 (5)魔導師たちの迷宮 /長谷敏司

うわぁ、うわぁ、うわぁ~~~。その展開は凄ぇ~~。とにかく、ラストの展開が全てだよなぁん。や、仁とメイゼルの明日はどっちだ?!

核爆弾はテロリストの手に落ち、きずなと神和は王子護ハウゼンに連れ去れる。仁たち《公館》の面々は、核によるテロを防ぎ、きずなと神和を救うことができるのか? という感じで、警察と協力体制を築いたり戦中や全共闘時代の歴史が絡んだりと、現実世界に即した方向で物語のスケールが大きくなってるのだけど、その割には説明がぜんぜん足りず説得力がねー。や、魔法世界と謎の非合法組織が中心のファンタジーならともかく、ある程度現実に則すなら、もっと違和感を消してくれないと没入できないよなぁ。

そして、足りないのはキャラの描写も同様で、作者の都合で動かされてるだけにしか見えないのよな。や、作者の意図はわかるんだけど、そのキャラの想いや葛藤がきちんと伝えきれてないのが残念無念。……なんというか、全体に、書くべきことと書く必要のないものの取捨選択が全くできてない予感。印象的なシーンをなんでもかんでもぶち込めば良いってもんでもないだろー。

そんなこんなでこの巻は、やたら出来の悪い部分が目立って仕方がなかったのだけど、それはともかく、ラストの展開がとにかくスゲー、めちゃスゲー。マジに続きはどうなるんだぁ~~。

[ 2007.05.04 ]


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円環少女 (6)太陽がくだけるとき /長谷敏司

かーえーせー!” はうあうぐわぁ~~~~~~。

いやもう凄い凄い。メイゼルの生命と引き換えに《公館》を裏切り、すべてを捨てた仁。かつての仲間達から生命を狙われるようになり、もはやあの日常には戻れない。メイゼルを救うことだけを拠り所に、仁は、ひたすら暗い地下へと進んでいく……。と、生命を賭けた、闘いに次ぐ闘い。マジにめちゃくちゃすげぇーーーーっっっ!! 仁とメイゼルの想い。そして、きずなの哀しみ。ああもうっっ!! テロリスト・国城田と中年たちも魅せる内容で、ほんとに凄いっ、素晴らしいぃぃ~~~。

そして、辿り着いたエピローグが泣かせる。うわぁ、続きはどうなるんだぁ~!?

[ 2007.11.02 ]


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円環少女 (7)夢のように、夜明けのように /長谷敏司

だははははははっ!! いやもう、作者の人、遊びすぎだろっ!! この7巻は、幕間的な要素の強い短編集なのだけど、世界観を壊しかねないぐらいコメディに走っていて、笑った笑った、大笑いです。それでいて、きちんと次の展開に向けて、シリアスな要素も入れ込んでるのが、泣けてくるなぁ~~。

《公館》から解雇された仁のもとに、結局、きずなとメイゼルがやってきて……、というところから始まる短編集。とにかく、ネタがめちゃくちゃで笑えるのと、細部に拘った描写が秀逸、胸に拘りすぎですっ!! そして、単なる短編集ではなく、きちんとストーリー構成としても、6巻を引き継ぎ、続く8巻に繋げる意味のある内容に仕立ててあるのも、素晴らしいよなぁ。各短編の中では、特に笑ったのが、「ハダカのこころで」かな。寒川、悲惨すぎる(笑)。……ただ、それにしても、現状の仁のポジションは、どうにも作者の都合だけで位置付けられたような違和感を感じるのが、にんとも。そこら辺、もうちょっと、説得力があると良かったんだけどなぁ。

[ 2008.03.07 ]


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円環少女 (8)裏切りの天秤 /長谷敏司

すげぇーーっ、めちゃくちゃすげぇーーーーっっっ!! なんという、ピンチの連続&スケールのでかい戦いっ!! もう、激しいバトルに次ぐバトルに、非常に面白かったですよっ!!

《賢者の石》を巡り、神聖騎士団の大規模な攻勢がはじまる。神聖騎士団と《公館》の戦いに、きずなと仁は否応なく巻き込まれていく……。という感じで、圧倒的な神聖騎士団の力の前に、ピンチに次ぐピンチ。いやぁ、めちゃくちゃ面白い。ていうか、全裸は遊びすぎだろっ!! 全裸はっ!!(爆笑)。いや、メイゼルも美味しすぎるよなぁ。そしてなにより、舞台を移した後の、終盤のバトルは、もう圧巻すぎる。ほんと、すげー面白かったですっ!!

ただ、相変わらず、下手なんだよなぁ。いや、無駄に凝った描写をしてる部分がある一方で、必要な設定や描写が圧倒的に足りてないのよ。特に、きずなの心情描写はダメダメ。もっと、読者に伝えるべき情報を取捨選択して、効果や演出を考えて描けばいいのに。めちゃくちゃ凄い展開だっただけに、下手な部分が目立って目立って、とにかく勿体無いんだよなぁ。

[ 2008.06.03 ]


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円環少女 (9)公館陥落 /長谷敏司

《公館》を裏切った《鬼火》東郷。仁は、叛逆者となった東郷を追う……。という感じで、途中まで、あまりに仁がヘタレすぎる件。や、クセのある文章とあいまって、正直、かなりウザいといのが第一印象(^^;。それはともかく、ニガッタの扱いには、正直、ビックリ。そして、明かされる円環世界系の思惑もすごいな。いやぁ、ここが最終巻といわれても納得するような、物語的には一つの区切り。続きはどうするんだろう……。

[ 2008.12.11 ]


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円環少女 (10)運命の螺旋 /長谷敏司

なんじゃそりゃあぁぁ~~~!! 思わず、茶も噴き出すよっ!! 爆笑、大爆笑っ!! いやもう、なんちゅう展開だぁぁぁっっ!!

語られるメイゼルの過去。メイゼルが《地獄》に落とされた経緯が明らかに……。という感じの今巻、メイゼルの母親イリーズが凄すぎる。なんという激しい生き様っ!! そして、それを娘というだけで背負わされたメイゼルもまた壮絶。いや、普通、過去編というと、わりと退屈なことが多いのだけど、この過去編は、むしろ本編以上に圧倒的だなぁん。凄い凄い。

と、圧巻の過去編が中心となる今回なのだけど、だははははははっ、王子護ハウゼン~~。いやぁ、平気な顔して再登場してきたと思ったら、わけわかんねぇ~~~~。楽しい、めちゃくちゃ愉快すぎるっ!!

[ 2009.07.04 ]


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円環少女 (11)新世界の門 /長谷敏司

すげえぇぇぇ、凄すぎるっっっ!! きずなと再演大系魔法を巡る、とことん苛酷な状況と濃密な描写。そして、国際情勢すらも巻き込む、想像を超えるスケールの大きさっ!! いやぁ、まさに圧巻、素晴らしすぎるっ!!

太平洋上に浮上したアトランチスにより、激震に襲われる国際情勢。アメリカ政府の後ろ盾の元、大規模戦力を展開する神聖騎士団とアトランチスを利用して人類の殲滅を狙う《九位》は、仁と きずな を さらなる絶望へと誘う……。という感じで、めちゃくちゃ、すげぇぇぇっ!! いやもう、とにかく、きずなに対する追い込みがハンパねぇ。まあ、あそこまで弱いと、きずなに対しては同情の余地がないと思ったりもするけど(^^;。むしろ、エレオノールの活躍が十全に描かれなかったのが残念なぐらいだ。……きずなへの追い込みの一方で展開される核を巡る争いもすげぇ。てか、《九位》が思った以上にアレなんだけど(^^;、この展開、どうなるんだ一体っ!!

[ 2010.02.27 ]


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円環少女 (12)真なる悪鬼 /長谷敏司

こんなときでもおっぱいですか(笑)。《神》の降臨によって変わる世界。人々の持つ魔法消去の力は弱まり、今まで隠れていた魔法使いたちが世界に溢れる……。と、いよいよ次巻最終巻ということで、盛り上がる盛り上がる。途中までは、仁もきずなもウザくてウザくて、読んでて正直フラストレーションが溜まるんだけど、いやぁ、後半の絶望的な展開からの激しいバトルが凄いね。夢のヒーローまっしぐら。仁もきずなもカッコいいっ!! ……とにかく、次巻最終巻を刮目して待つぜっ!!

[ 2010.10.20 ]


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円環少女 (13)荒れ野の楽園 /長谷敏司

最高傑作。感動的なラストシーンに、ただただ号泣(T-T)。仁はともかく、メイゼルときずなの生き様が強くてせつなすぎるぅっっっ!!

再演大系の《神》が降臨し、魔法使いの存在が日常となった世界。再演大系の世界を磐石とするため儀式を進める舞花や聖騎士たちと、それを阻止せんとする仁たちのラストバトルが今……。という感じで、次々立ち塞がる超高位魔導師たちとのバトルも見所だけど、それよりも、メイゼルときずながハンパねぇぇぇぇっっっ!! 特にきずなが、“最後の魔法使い”って、うわぁぁぁぁ。彼女たちの生き様に想いを馳せると、とにかく泣ける。せつない、とにかくせつない……。それ以外のキャラたちも胸が熱い。京香なんかもカッコいいなぁ。ほんとに素晴らしいカーテンコールでしたっっっ!!

[ 2011.03.04 ]