終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?


角川書店 スニーカー文庫
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? /枯野瑛

素晴らしい。これも、好きラノ で人気があったので読んでみました。<十七種の獣>に蹂躙される世界の中で、身を犠牲にして戦う少女たちと、それを見守る青年の物語。狙ったようにせつなく泣ける話で、主人公のヴィレムが、あくまで少女たちを見守ることしかできないという立ち位置なのが、いいね。元気なクトリたちとの対比と、クトリたちとの距離のとり方も、せつなさ倍増。ストーリーの展開も基本どおりにしっかりしていて面白い。やっぱりキャラがよくて、クトリたちや子供たちもそうだけど、グリックやナイグラートといった大人たちもいいよね。でも、喰人鬼って、人類滅んでいて爬虫類系の亜人も多いようなこの世界観で、どうよ(^^;。

しかし、タイトルから、アボガドパワーズの[WIN]『終末の過ごし方』みたいに、人類滅亡直前の世界を描いたような作品を想像してたら、むしろ滅んだ後じゃないか。なんか、タイトルのイメージと違うよなー。確かに、終末世界で、少女たちを手助けする話ではあるのだけど。……ラストの「おとーさん」が意味不明で気になるのだけど、続きはどうなるんだろ?

[ 2015.01.30 ]


角川書店 スニーカー文庫
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? #02 /枯野瑛

クトリの代償、地上の事実、ぐあああぁぁぁぁっっっ!! あとがきによると、2巻で打ち切りの可能性があるとのことだけど、これだけ気になる終わり方をして、続きが出ないとかありえないだろっ!! ぜひに続きを出してほしいなぁ。

儚い生命の妖精兵の少女たちと、それを見守る元準勇者の青年・ヴィレムの物語の第二巻。うわぁ、もともと儚い生命の妖精設定に、さらに追い込むような切ない設定を重ねてくるのんな。日常シーンは楽しくて、妖精の女の子たちはいい娘すぎるだけに、泣ける(T-T)。一方、大賢者。ヴィレムの救いになるような奴でほっとするような展開になるのかと思ったら、こっちでもしんみりするようなシーンを入れ込んでくるかっ、くそう。ほんと、雰囲気がよくて、泣ける話だな、この作品。

人類が滅び、わずかに残った亜人たちが空に浮かぶ島で生き延び戦う世界。設定も雰囲気も展開も素晴らしいので、ほんと、きちんと最後まで続けてほしいところ。

[ 2015.02.02 ]


KADOKAWA スニーカー文庫
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? #03 /枯野瑛

せつない(T-T)。相変わらず、あざといぐらい泣かせにくるなぁ。

<六番目の獣>との戦いで死ぬはずだったクトリ。奇跡的に生き延びたものの、しかし……。と、どこまでも切ないストーリーと設定すぎる。号泣させるように盛り上げるような演出ではなく、静かに淡々と幸せを噛み締めるような微笑がせつなすぎるなー。その後のヴィレムがいかにも挫けそうで怖いのだけど、ラストがまた、わけがわからない展開だ。<十七種の獣>の設定は、なるほど、そういうことかって感じだけど、ラストの展開といい、このあと、どうなるんだ? そして、クトリとえるくは、どうなってくんだろうか? 続きが非常に気になるのだけど、売り上げ的に打ち切りギリギリらしいので、続きがちゃんと出るのか、そこが一番の心配だ(笑)。

[ 2015.07.04 ]


KADOKAWA スニーカー文庫
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? #04 /枯野瑛

クトリ……。序盤のクトリの描写に愕然としつつ、物語は、ヴィレムとネフレンを巻き込んだ夢の世界へ。崩壊が待っている救いようのない世界なので、やはりどうにも切ない。いや、切ないだけでなく、夢の中で身体がボロボロになる前の全盛期のヴィレムが見れたり、ネフレンのヴィレムとの距離の取り方なんかもいいねぇ。まあ、ヴィレムの娘・アルマリアとは、もうちょっと強力なイベントを用意しても良かったような気もするけど。あと、さすがに、リーリァも見たかったと思うのは欲張りだったか(^^;。

世界が終る直前の世界で、<獣>の秘密もちらちらと見え隠れする展開だけど、ラスト、うわぁ、そうくるかー。その展開はさすがに考えてなかったわ。謎の少女(笑)や、ヴィレムと一緒のハズのネフレンの存在もあって、続きが気になる。どちらにしろ、ヴィレムにとってはもう救いがないように思うのだけど、ほんと、どうなるんだろ。

[ 2015.12.31 ]


KADIKAWA スニーカー文庫
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? #05 /枯野瑛

最終巻。設定の説明が多くちょっと力技な感じもなくはないけど、綺麗で幸せなその後を予感させるようなエンディングでした。哀しい展開が多い物語だったので、このエンディングはほっとする。あ、完結ではなく、一応、第一部完なのか。

<獣>に落ち行方不明になったヴィレムを探すネフレンは……、と、ここから、どうエンディングにも持っていくのかと思っていたのだけど、かつての正規勇者リーリァと師匠のニルス、星神エルクの話からはじめるのか。なるほど、こういうことだったのねー。えっと、リーリァとヴィレムの師匠であるニルスが重要な役どころだった気がするのだけど、ニルスは結局なにやってたんだ?<をい

やはり最終巻まで哀しい物語だったけれど、エンディングは綺麗でいいラストでした。でも、ネフレンとエルクはー。や、最期まで、哀しくも心温まる良い物語でした。

[ 2016.04.04 ]


KADOKAWA スニーカー文庫
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? #EX /枯野瑛

短編集。6編収録されているけど、その中でそこそこ長いのは、リーリァの『亡国の姫勇者』とクトリの『青空の黄金妖精』か。

クトリのほうはいつものクトリなんだけど、本編ではあまり書かれなかった、在りし日のリーリァを描いた短編のほうは、まだ、大人になりきってないヴィレムが登場したりして楽しい。や、ヴィレム15歳、リーリァ14歳かよっ。リーリァの淡い想いを丁寧に描いているのだけど、そこがやっぱり素晴らしいな。滅びる前の世界での正規/準勇者の扱いに関する描写も楽しい。そりゃ、そこまで規格外だと、そういう扱いになるわなー。

[ 2017.02.25 ]