グッドナイト×レイヴン


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
グッドナイト×レイヴン /深沢仁

無気力で荒んだ少年少女たちが、一回7万円の報酬で窃盗のバイトを行う、という、アンニュイな雰囲気の青春モノ。内容的には、わりと少女向けというか、電撃文庫でいえば壁井ユカコ辺りの芸風で、このラノ文庫のカテゴリとちょっと違う気もするんだけど、売り上げ的に大丈夫なんだろうか(^^;。

アンニュイな雰囲気重視な作品で、その雰囲気はなかなか良い感じ。ただ、作品としては、ちょっと地味だよなー。設定的には、ファンタジー要素を加味した怪盗モノなのに、何でだ? う~ん、ここまで主体性がない主人公は、ちょっとツライか。「暇だ」が口癖で無気力なところは、わりと共感できるキャラなんだけど。さらに加えて、他のキャラも、物語を引っ張っていくタイプのキャラではないので、エンタメとしては相当地味すぎる。年長組が、多少頑張ってるけど、中心の三人が動かないのは、そもそも続編も大変だと思うのだけど。バラバラだった三人が、だんだんと仲良くなっていくのは、青春っぽく微笑ましくて良いのだけど、ただそれだけで、三人に物語があるわけではないのがなぁ。

[ 2012.08.24 ]