ハーフボイルド・ワンダーガール


一迅社 一迅社文庫
ハーフボイルド・ワンダーガール /早狩武志

ゴミ。いや、謎のないミステリ、ラブのない恋愛モノのなにが面白いんでしょうか? ……確かに、いつもの早狩武志らしい作品ではあるのだけど、それなのに、悲しくなるぐらい面白くない。優秀なシナリオライターが必ずしも優秀な小説家ではないということかなぁん。

幼なじみが妊娠。隠された相手は誰だ? という話で、一応、“ミステリー”と銘打たれてるのだけど、はじめから犯人はバレバレなところで、単に、いつ探偵役はそれに気づくか、という話で、そりゃ、ミステリーになってないだろ。だからといって、恋愛モノとしても、青春モノとしても微妙すぎ。当然、キャラ萌えにもなってない。結局、読者として楽しむような要素が皆無。この作品って、作者が楽しんで書いてるんだろうな、とは思うものの、読者が読んで楽しむようには書かれてないのよ。これを商業出版で出すには、あまりにアマチュアすぎる。それこそ、ゲームだったら CG や音楽でデコレートすれば、売り物になるかもしれないけれど、文章だけではダメだろ。そもそも、それを文章だけでも売り物にするように修正させるのは編集の仕事だと思うんだけど、なんでこのレベルのものを出版してるの?

[ 2008.09.22 ]