きみと歩くひだまりを


メディアワークス 電撃文庫
きみと歩くひだまりを /志村一矢

ゴミ。志村一矢の作品は、『月と貴女に花束を(→感想)』がすげー好きなので、期待しつつ新作に手を出したのだけど、ダメダメでした。前作『麒麟は一途に恋をする(→感想)』でも感じたのだけど、なんでこんなに、設定を作るのと、ストーリーを組み立てるのが致命的に下手なんだ? ベタなストーリーを書かせたら、これ以上なく面白い作品を生み出せるのに、わざわざ自分の不得手な方向に進んで、ゴミを生み出さないでくれよ。っていうか、誰かどうにかしてくれ(T-T)。

いや、この作者の人、なんとなくカッコイイ設定を場当たり的に追加したがるのだけど、フィーリングだけで設定を作ってるようなので、意味のある設定になってなくて、どうにも矛盾だらけで説得力がどんどんなくなっていく上に、ストーリー上の制約にもなってしまって、どう見ても、ドツボにはまってるのんな。ここまで、世界背景や人物設定ががめちゃくちゃな作品は、そうそうないと思うよ。まあ、こういうむちゃくちゃな世界観の話は、そもそも考えて読んだら負けなのかもしれないけど、そうはいっても限度はあるよね。少なくても、ここまで頭悪い話は、私には読めません。

それにしても、あとがきで、「もとは異世界ファンタジーだったのにダメ出しをくらって今の形に」みたいな話が書いてあるのだけど、現代ファンタジーでここまで酷いのに、いったい、その異世界ファンタジーは、どこまで酷かったんだ? そりゃ、志村一矢に異世界ファンタジーは、あまりに無謀だとは思うんだけど、修正してこれなのか……。

[ 2007.12.15 ]