聖遺の天使


双葉社 双葉文庫
聖遺の天使 /三雲岳斗

ヒロインであるチェチリア・ガッレラーニは、森博嗣作品の萌絵互換なキャラなのだけど、いまいち活躍の場が少なくて、がっかり。や、わりときちんとミステリっぽい内容で、それはそれなりにおもしろいのだけど、私的には、もちっとキャラが立ってる方が好きなんだけどなぁ~。

イタリア北部の城館で殺人事件が発生。人の手の入り込む余地のない、神の御技としか思えない謎の殺され方に、天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが挑むっ!! といった内容。レオナルド・ダ・ヴィンチが探偵役ということで、イロモノな作品かと思ったのだけど、わりときちんとしたミステリで、思ったよりもずっとおもしろかったです。少なくとも、最近のコミカル基調な三雲岳斗の作品と比べれば。……ただ逆に言えば、ダ・ヴィンチが探偵役というキャッチーな着想のわりには、わりとフツーな枠に収まってる感がして、その点は残念。まあ、キャラの扱いを中心に、もちっと尖がっていてもいいと思ったり。

[ 2006.07.19 ]