手のひらの恋と世界の王の娘たち


KADOKAWA 電撃文庫
手のひらの恋と世界の王の娘たち /岩田洋季

八人の王の娘たちによる世界をかけた代理戦争と思わせてからのラブバトルかと思ったら、まさか、一組のカップルによる激甘なラブコメだとっ。この内容は、まったく想像してなかったよ。流石すぎるだろ、岩田洋季っっっ!!

いや、八つの平行世界が交わる地にある八重ノ学園。その学園にそれぞれの世界を統べる王の娘が入学することで、今、世界間での代理戦争がはじまる……。というような内容ですよ。そこは岩田洋季なので戦争モノではなくラブコメになるのはわかるんですけど、この設定で、どうしてラブバトルですらなく、恋愛に不器用な羊子を、ほかの姫様たちが応援するようなラブコメになるんですかっ!! ほんとうに凄すぎるわぁ~~。

まあ、恋愛に不器用な羊子と美哉を微笑ましく見守るようなラブコメで非常に楽しいのだけど、気になったのは、羊子のキャラデザ。文章から受ける印象とイラストのそれがどうにも違っていて、致命的にすら思える。羊子の口調や剣術系な来歴を見るに、ボクっ娘ではないけれど、可愛いというよりも凛々しい系の女子なんですよ。にもかかわらず、イラストはどう見ても可愛くて女の子した女の子。そこが読んでいて、どうにも気になって仕方ない。ヒロインだから可愛ければなんでもいいというわけでもないと思うのだけど、もうちょっとなんとかならなかったものか……。

[ 2017.01.18 ]