みずたまぱにっく。


メディアワークス 電撃文庫
みずたまぱにっく。 - This is MIZUTAMASHIRO!! - /ハセガワケイスケ

だはははっ、模倣・メガネってなんだよっ、それじゃぜんぜん意味通じないじゃん(爆笑)。<模倣・メガネ=心の眼鏡のことなんだけど。……や、ハセガワケイスケらしいセンスの学園コメディです。第一巻としては、非常に良い出来ではないでしょうか。

庶民でありながら超名門校に通う水玉シローは、お手伝いさんのバイトとして、学園の女子寮で働くことに。その宮殿のような女子寮に暮らすのは、お嬢様中のお嬢様として全生徒からあこがれ&崇拝される『薔薇の団』の4人だけだった。……とにかく楽しい学園コメディに仕上がってます。美少女だけの女子寮のおさんどんということで、『ラブひな』的なラブコメ展開かと思ったのだけど、むしろ方向性は、『マリみて』とか『おとボク』みたいなお嬢様モノに近いのかしらん? 第一話、第二話の仕掛けも素晴らしく、第一巻としては、これ以上ない内容でしょう。ラブ方面にはあまり発展しそうもないのは残念だけど、今後も非常に期待できそう。できれば、魔法とか不思議要素は絡めずに、普通に王道な学園コメディとして進めてくれれば嬉しいんだけどなぁ。

[ 2006.12.11 ]


メディアワークス 電撃文庫
みずたまぱにっく。(2) ―This is MIZUTAMASHIRO!!― /ハセガワケイスケ

いまいち。その場、その場のドタバタは面白いんだけど、ストーリーの流れがあっちに行ったりこっちに行ったりと、軸がぶれてて明らかに失敗してる予感。なんでこうしたのか、作者の人のやりたいことは想像つくんだけど、単純に下手だよなぁ。<ハセガワケイスケは感性の人なんで、計算したストーリー構成が苦手なのはわかるんだけど

学園祭と部活紹介を兼ねた「五月祭」に絡めて、「薔薇の団」の一人、千尋の攻略というか、千尋が心を開くという話。……続刊では、各巻ごとに、一人ずつキャラ攻略していくような展開なのかしらん(笑)。

まあ、学園ドタバタコメディとしては面白いんだけど、やはり、話の流れが悪いのがなぁ。いや、展開的にどんでんが欲しかったんだろうけど、結局、「五月祭」の位置付けが中に浮いちゃってるのは、どうかと。あとは、千尋が心を開く過程も、雰囲気で強引にみせてはいるけど、きちんと納得させるエピソードとして成立できてないよね。ていうか、ハセガワケイスケは、連作短編のような、もっと短い話じゃないと、上手く話が組み立てられないんじゃないかという気がひしひしと。各シーンは面白いだけに、もったいないよなー。

[ 2007.08.16 ]