まだ見ぬ冬の悲しみも


早川書房 ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
まだ見ぬ冬の悲しみも /山本 弘

竹本泉を忘れるな(爆笑)。……や、全6篇を収録する SF短編集。いろいろと元ネタというか予備知識がないと楽しめない予感なのはアレだけど、まー普通に面白かったです。私的には「奥歯のスイッチを入れろ」がいちばん好みかしら。

で、簡単に各短編のコメントを↓。

奥歯のスイッチを入れろ

加速装置をつけたサイボーグ戦士の話。なんと言っても加速中の描写が秀逸。

バイオシップ・ハンター

トカゲ型宇宙人との異文化コミュニケーション。オーソドックスな内容でふつーに面白かった。

メデューサの呪文

言葉の力を描いた話。これもなかなかお気に入り。

まだ見ぬ冬の悲しみも

タイムマシンもの。もちっと人間関係を主軸に置いた方が面白かったんじゃないかのー。

シュレディンガーのチョコパフェ

SFとしては正直いまいちだと思ったのだけど、ネタだけで大笑い。

闇からの衝動

C・L・ムーアの作品はたぶん読んだことがないので、にんとも。

[ 2006.02.11 ]


早川書房 ハヤカワ文庫JA
シュレディンガーのチョコパフェ /山本弘

がふっ、騙されたっ。<をい。読んでない本かと思ったら、『まだ見ぬ冬の悲しみも』を改題しただけですとっ!! 『まだ見ぬ冬の悲しみも』なら、すぐ手の届くところにおいてあるよっ!! ああうう、金返せ、こんちくしょ~~~。

そゆわけで、短編集『まだ見ぬ冬の悲しみも』を改題したもの。一応、短編1篇「七パーセントのテンムー」と、あとがき&解説が追加されてはいますが。……「七パーセントのテンムー」は、びみょー。脳と意識の問題というネタは面白いのだけど、小説としては、展開は弱く、心情描写もわりと流されてしまっていて、いまいち面白味がなかったり。げふん。

あと、解説が前島賢という人だったのだけど、うわー、若いよ、凄く若いよ、この人。オタク第三世代の人で、1956年生まれの山本弘との違いを強調するような、若さ迸る解説になってるのだけど、第二世代の私から見ても、すげージェネレーションギャップを感じてショックだったり。って、調べてみたら、“スレイヤーズが好きだった10代の僕を、どうやって肯定すればいいんですか!”の人かっ!! あぁ、今の若い人の中には、こういうオタク感の人もいるのか。10歳ちょっと違うだけのハズなのに、もう、いろいろなモノが違う……。

[ 2008.01.20 ]