も女会の不適切な日常


エンターブレイン ファミ通文庫
も女会の不適切な日常1 /海冬レイジ

最高傑作級。日常系の皮をかぶった超展開がすげぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!

最近目立つ、よくわからない部活動を描いた日常モノ、と思いきや、いやぁ、まさかの超展開っ!! 黒いっ、黒いよっ!! 前半の日常系特有のまったりした雰囲気から暗黒面に突き落とされる凄まじい落差が、もう衝撃的すぎて素晴らしい。理事長の孫で権力を行使しまくる天然系のちずる先輩、口も汚い暴力女な義妹・ユーリ、科学実験厨の繭、ひきこもりなストーカーの雛子、それに、主人公のリンネと、キャラも楽しく、日常系としてもふつーに面白いのに、なんでわざわざこんな凄い話にしたっ!! や、ミステリのように、伏線も含めきちんと計算した構成になってるのだけど、だからこそのインパクトがほんと凄いね。もちろんそれだけ練ってる構成なので、インパクトだけでなく、ぐいぐい引き込むストーリーがまた素晴らしい。下手するとトラウマ的な展開だけどなっ!! とにかく素晴らしいっ!! 続きも超期待すぎるっ!!

[ 2012.09.01 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
も女会の不適切な日常2 /海冬レイジ

ちょっ、なんで、愛が普通に混ざってるんだよ(爆笑)。

いや、もちろんそれが仕込みなのはわかるんだけど、あれだけのことがあったのに、ふつーに日常系の話をやってて、笑う笑う。やっぱりこの作品のセンスは、すげーよな。この二巻では、顧問のクーロ先生登場、そして、雪に閉ざされた陸の孤島でサスペンスホラーな展開。うわぁ、ユーリ、こえぇぇ~。……で、う~ん、クーロ先生はいかんも黒幕といった風ではあるのだけど、新キャラで過去の絡みもないのにその役どころは、正直、取って付けた感が。もうちょっと伏線なり、用意してほしかったところだよなー。

しかし、今回序盤の絵姿こそが、理想的なハッピーエンドの姿だと思うのだけど、ここでやってしまって、今後の展開、どうなるんだろ?

[ 2012.09.02 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
も女会の不適切な日常3 /海冬レイジ

シリーズ完結。あっけなっ!! ……うーん、今までのように驚きの展開というわけでもなく、あくまで綺麗に幕引くための一冊という印象。確かに綺麗なラストではあるのだけど、まだまだいろいろやれたシリーズだと思うので、もったいないなぁ。

というわけで、今回は、何故かリンネのハーレム状態になってる も女会に、クラスメートと同じ名前の少女が加入して……。とい感じで、またも改変された日常からはじまりアッパーグラスの話に繋がっていく展開なのだけど、今回は、予定調和的に進むのみで、驚きがないのはちょっと物足りないかな。ひかるやクーロ先生の正体も、ちょっとストレートすぎてがっかり。もっといろいろ出来た作品だと思ったんだけど、もともと実験的な要素が多かったし、そろそろ限界だったんだろうか。……しかし、ぜったいハーレムエンドになるかと思ったのだけど、リンネも愛も思った以上に一途だったなぁ。

[ 2012.11.08 ]