ロケットガール


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
ロケットガール4 魔法使いとランデヴー /野尻抱介

前巻から確か 8年ぶりの新刊。昔のドラマガ掲載分三編+書き下ろし一編の短編集なのだけど、ドラマガ連載分のネタの古さが時代を感じさせるなぁ。や、加護、辻なんて、いったい(笑)。……前巻『ロケットガール3 私と月につきあって』は、全てのライトノベルの中でも確実に 5本の指に入る屈指の名作だと思ってるのだけど、今回は短編集ということもあって、相変わらず面白いものの、小粒で物足りないと言った印象でした。

そゆわけで、厚さ2ミリで身体にフィットする恥ずかしい宇宙服+宇宙飛行士は体重が軽い方が良いという名目でそれを女子高生に着せてみました、という着想の、野尻抱介らしくきちんと地に足のついたハードSF指向の作品。ドラマガ掲載分は小ネタなんで置くとして(^^;、表題作の中編「魔法使いとランデヴー」は、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」を元ネタに、ゆかりたちが、小惑星探査機を助けにいくという内容。野尻抱介らしくきちんと科学的に説得力のある近未来SFをベースに、ライトノベルらしくマツリの謎と友情物語に仕立ててあって、Good、Good。ただ、中編なので、やっぱり、小粒な印象は否めないかなぁ。久しぶりなんだから、もっとページ数を割いてある読み応えのある内容が読みたかったなり。

[ 2007.08.22 ]