星図詠のリーナ


一迅社 一迅社文庫
星図詠のリーナ /川口士

主人公の目的が地図作りということで、「物語として地味すぎるだろ~」と思ったのだけど、どうしてどうして、非常に面白かったです。ベースは手堅いファンタジーとして作られていて、その上で、キャラが生き生きしているのがいいねぇ。

地図が好きな王女リーナが、ガチ百合な侍女サラと一緒に地図作りの旅に出かける……。という感じで、リーナとサラの仲睦まじい二人に、老騎士タルヴと粗野な傭兵ダールを加えたやりとりが、ほんと面白い面白い。ていうか、リーナとサラのうれしはずかし湯浴みシーンだけで、もうもう、ばんざーい、ばんざーいっ!! <をい

ストーリー的には、特に後半は、あまり地図作りなどの設定を生かしきれてない上に、展開にムリがあったりするのは残念だったけれど、まあ、手堅く正統的なファンタジーとしては、ぜんぜん出来は悪くない。や、やっぱり地図作りは地味目なので、今後どう続けるかは不安ではあるけど、続く続刊に期待です。

[ 2009.05.10 ]


一迅社 一迅社文庫
星図詠のリーナ2 /川口士

いまいち。前巻に比べるとキャラのやりとりがいまひとつで、展開もあからさまな伏線だけで段階を踏んでないせいか、唐突感があって無理があるように思えるんだよなぁ。

マッピングファンタジー第二巻。第五王女のリーナは、難民問題に苦しむタヴァストに赴くが……。という感じで、難民問題を地図作りで解決っ!!という話だけど、うーん、前巻で魅力的だったキャラのやり取りが、どうにも定型的な感じになってしまっていて、あまり生き生きしてないのがなぁ。あと、ストーリー構成もいまひとつ。やっぱり、地図作りをストーリーの骨格にするのは無理があるんじゃね? 地図を作る過程はもともと地味目だし、その上、地図作り自体は、ほとんど役に立ってないし(^^;。……基本的には、地味でも手堅い王道ファンタジーを狙ってるんだろうけど、キャラもストーリーもいまひとつではなぁん。

[ 2009.08.28 ]


一迅社 一迅社文庫
星図詠のリーナ3 /川口士

シリーズ完了。とりあえず、「綺麗に畳みました」という点は評価するけど、前半、どうでもいい話にページを割いてるわりに、後半は詰め込みすぎでバランスが悪い。キャラのやりとりもいまいち低調で、ストーリーも強引すぎ、売りのマッピングもほとんど活かせていない。……いろいろ大人の事情とかもあるんだろうけど、そういう大人の事情を強く感じる最終巻で、残念だ。

[ 2010.07.26 ]