沙の園に唄って


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
沙の園に唄って /手島史詞

女性らしい感性で書かれた良質のファンタジー、と思ったら、作者の人は男性かっ。描写が足りない&展開が唐突、という欠点はあるものの、総じて、非常に筋がよいファンタジーでした。オススメっ!!

第19回ファンタジア大賞<準入選>。“森の魔女”と呼ばれ人々から敬遠されていた少女リッカは、優しい二人の青年と出会い、そして人々と交流するようになる。しかし、彼女には失った記憶と共に、周りを不幸にしかねない大きな力が授けられていた……、みたいな内容。いやぁ、魔法や神の設定をはじめとした世界観はわりと綺麗だし、“神子”として生まれ運命に振り回される少女をまっとうに描かれていて、非常に面白かったです。主人公の少女視点でストーリーは進行し、少女漫画的な唐突な展開が散見されるので、作者の人は女性かと思ったら、解説を読むと男性らしくて、ちとビックリ。まー、新人らしく荒削りではあるのだけど、ほんと、ファンタジーとしては、よく出来てると思います。面白かったっ!!

[ 2007.09.28 ]