戦うパン屋と機械じかけの看板娘


ホビージャパン HJ文庫
戦うパン屋と機械じかけの看板娘 /SOW

好きラノ3位 ということで、読んでみました。

なるほど、ヒロインのロボ娘・スヴェンが、とにかく可愛すぎるっ!! や、大戦の英雄が退役後、パン屋を開店する話で、そのパン屋に人型兵器の試作機がウェイトレスとしてやってくると。うわぁ、そのウェイトレス・スヴェンが、むちゃくちゃ魅力的で可愛い。この手の設定だと、ロボ娘は無口系にするのがパターンだと思うのだけど、このスヴェンは、むしろ表情豊かで、主人公のルートを好き好き大好きなオーラがあふれまくっているのが素晴らしいね。そのスヴェンが巻き起こす騒動が、また楽しい。

スヴェンが可愛いだけでなく、かつて滅んだ超文明帝国の謎や、秘密兵器であるスヴェンの逃亡を放置している軍部の思惑も興味深い。まあ、ここら辺の謎がどうストーリーに絡んでいくかは、まだまだわからないけれど。とにかく、スヴェンが可愛くて、一冊いっきに読ませるほど、おもしろかったです。

[ 2015.07.21 ]


ホビージャパン HJ文庫
戦うパン屋と機械じかけの看板娘2 /SOW

二巻もめちゃくちゃおもしろいなっ!! この二巻は、パン職人として呼ばれた大型飛空船のパーティでテロに巻き込まれるという話。今回から、ルートの元上官ソフィアが本格的に絡んでくるのだけど、このソフィアもなかなかいいキャラで楽しいね。素直になれない幼なじみって、どんなんだっ!! もちろん、我らのヒロイン・スヴェンも相変わらず可愛くて、ほんと、キャラが最高に魅力的な作品だわ。

キャラが魅力的なだけでなく、ハイジャックされた飛空船での攻防もおもしろい。少人数で対処可能なバトル展開に仕立てて、各キャラきちんと見せ場のある構成が上手いよね。まあ、スヴェンがチートすぎる上に便利に活躍しすぎてるので、もうちょっとルートに見せ場を分けるべきだと思わなくはないけど。そもそも、スヴェンやソフィアがあれだけ強いとなると、バランス的に、ルートももっと強い設定にしとくべきだったんじゃないか? 今後も見せ場がどんどん取られてしまう予感が(^^;。

……しかし、裏で陰謀や謎がいろいろありそうなのに、メインストーリーらしきものがあまり見えてこないのだけど、今後、どう展開していくつもりんなんだろう。

[ 2015.08.17 ]


ホビージャパン HJ文庫
戦うパン屋と機械じかけの看板娘3 /SOW

元軍人ルートと元AIスヴェンの営むパン屋のシリーズも第三弾。今回は、店によく出入りしてる少年ジェコブがメイン。軍隊内で正規軍と親衛隊の対立がきな臭くなる一方で、ジェコブの祖父を名乗る人物が現れ、と、うーん、先が読みやすい素直な展開も悪くないけど、だったら、もうちょっとキャラの魅力が欲しいところ。新キャラとして登場した、じいちゃんにしろ、敵キャラにしろ、描写が薄くて深みがなく、キャラがたってないんだよなー。ストーリー的にこれといったものがなく、キャラもいまいちではおもしろくない。

そして、いまだ、シリーズの骨格になるような大きなストーリーが見えないのも気になる。しばらくは、正規軍と親衛隊の対立が軸になっていくのかなー。……しかし、スヴェンはいろいろバレバレだと思うのだけど、ルートの鈍さもこう(^^;。もう一人の人間型猟兵器レベッカももう少しストーリーに絡んできそうな感じだけど、ほんと、この先、どうするんだろ?

[ 2015.12.05 ]


ホビージャパン HJ文庫
戦うパン屋と機械じかけの看板娘4 /SOW

圓明流(笑)。……それはともかく、いきなり大きく話を動かしてきたなー。いままで、シリーズの軸になるような大きな物語がないことがこの作品の弱点だと思っていたので、この展開はちょっとビックリ。先が気になるー。

というわけで、元軍人ルートと元AIスヴェンのパン屋の話も4冊目。今回は、親衛隊のヒルダが再びルートを襲うという話で、ヒルダ自体はルートの敵ではないので再戦してもどうしようもないというか、実際、どうしようもなくて、そちらの話は、正直どうでもよかったのだけど<をい、まさか、ラストでそう来るかー。いや、開発局方面でなにかやってるなー、ぐらいには思っていたのだけど、ここで一気に物語を大きく動かすとは思わなかった。いやー、この展開は上手いわー。しかし、次回から雰囲気も大きく変わりそうで、このまま、結末まで駆け抜けそうな勢いに見えるのだけど、マジ、どうなるんだっ、この先はっっっ???

[ 2016.04.25 ]


ホビージャパン HJ文庫
戦うパン屋と機械じかけの看板娘5 /SOW

素晴らしい大団円。……って、いかにもラストエピソードっぽい展開で綺麗に終わっているのに、続刊あるのか(笑)。

スヴァンを奪い、さらに国の中枢をも掌握したゲーニッツ中将。ルートは、無事にスヴェンを取り戻せるのか!? という感じで、一介のパン屋が皇帝にならんとする巨悪に立ち向かいヒロインを救う熱い展開っ!! なぜか、購入から1年以上積んでたのだけど(汗;、読み始めると、おもしろくて一気に最後まで読まされた。すげーおもしろかったっ!!

王都に潜入してから困難を乗り越えスヴァンを救出するまでの展開を、たった1冊で書き切るのはすごく贅沢で、そのスピーディーな展開がとにかく良かった。……いや、ちょっと展開が早すぎて、強引だしもったいなさすぎるよな。そして、ここまでいろいろ詰め込んで、さらに綺麗で感動的なラストに仕立ててあるのに、まさか、まだ続くとかっ!! 当初から続きを書く予定だったら、普通こういう書き方はしないと思うのだけど、ほんと、マジに贅沢な1冊でした……。

[ 2017.11.07 ]