飛鳥井全死は間違えない


角川書店
飛鳥井全死は間違えない /元長柾木

ダメダメ。キャラ設定はぶっ飛んでいて魅力的なんだけど、他は、雰囲気でなんか凄そうにみせてるだけ。キャラの描写もストーリーも全くパッとしてなくて、これはちょっと酷いと思う。

人のメタテキストを改変できる電気娘・飛鳥井全死と、敵からの攻撃を自動的に回避してしまう辺境人・香織甲介の物語。まあ、変なネーミングや、謎の二つ名、妙な異能といった設定は、セカイ系というか、西尾維新のノリを狙っていて、そこら辺は面白かったのだけど、それだけ。他は、雰囲気で誤魔化してるだけだからなー。ストーリーは綺麗に纏めてたりして、そう出来は悪くはない気もするんだけど、結局、ぶっ飛んだキャラ設定のわりに、他は余りに地味で魅力に欠けすぎる。

や、この作品の続編らしい『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』を読み始めたらすげー面白いので、「これは先に、『飛鳥井全死は間違えない』を読んでおかなきゃいけないかしらん?」と思って手を出したのだけど、あまりに酷くてガックリ。まあ、嬢瑠璃と全死の関係がわかっただけで、善しとするかなぁ。

[ 2008.04.07 ]


角川書店
荻浦嬢瑠璃は敗北しない /元長柾木

だはははははっ[WIN]『ONE』ネタは余計だろっ。や、[WIN]『ONE』が、いちばん笑ったネタだったのだけど、でも、ネタのためのネタにしかなってなくて、ストーリー的には、むしろマイナスにしかなってないのよ(笑)。……それはともかく、キャラはみな魅力的で、西尾維新的なノリの設定とストーリーも出来がよく、非常におもしろかったです。

世界の革命を目指す眼鏡っ娘・荻浦嬢瑠璃が、主人・飛鳥井全死に命じられ学園の日常に復帰する、と言うトコからはじまる学園と青春の抗争の日々な話。前作『飛鳥井全死は間違えない 』は、雰囲気だけで中身がなく、ちょっと酷いと思ったのだけど、この『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』は、きちんとストーリーが分かりやすく整理されていて、中二病的な設定もわりと地に足をつけて馴染んでいるし、なにより、それぞれのキャラクターがとても魅力的に描かれていて、すごく面白かったです。それに、嬢瑠璃は、眼鏡っ娘だしなっ!! いやぁ、ホントに面白かったっ!!

それにしても、“これは文芸かギャルゲーか!?”というコピーは、誰がつけたんだ? 営業的にはアリかもしれないけど、あまりに作品の本質を外したコピーで、こー、最低限、中身を理解してから、コピーは付けるべきだと思う。

[ 2008.04.09 ]