天鏡のアルデラミン


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン /宇野朴人

好きラノ はじめ、さまざまな人気投票で、いま、とんでもなく評価が高いので購入してみました。キャラクターに関しては、なんか凄くキャラが立ってるケド、この1巻は、序盤も序盤で終わってて、どうなんだこれ!?(^^;。

「その怠け者の少年が、のちに名将と呼ばれるとは誰も予想していなかった……!」という煽りのファンタジー戦記。奇才の主人公・イクタや、名家出身で文武両道なヒロイン・ヤトリをはじめとする送迎船に乗り合わせた、高等士官試験受験生の少年少女五人+第三皇女が、軍隊で立身出世していくと言う感じのストーリーかしらん。……この一巻は、二転三転しつつ、新人軍人の演習で終わった。先が長ぇ~~。

とにかく、非常に癖がある主人公たち六人のキャラが非常に立っていて、これがとても魅力的。いわゆる萌えキャラではなく、個性が強く味が濃いキャラたちが、ほんといいねぇ。……科学的な思考を忌避する宗教観の斜陽の帝国を舞台に、とことん合理的で“怠け者”と思われているイクタが、どう軍のトップまで伸し上っていくか、という話なんだけど、えっと、すごく先は長そうなんだけど、ちゃんと描ききれるのか、これ。

[ 2013.09.03 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンII /宇野朴人

うわぁ~、容赦ないなぁ~~。正直、都合よく楽勝的に勝利して、もっと軽いノリで戦争を描いていくのかと思っていたのだけど、きちんと戦争の過酷で残酷な面も描いていくのんね。うわー、身内も死ぬ可能性のあるような展開だとすると、ハロ死ぬな、絶対死ぬに違いない。<をい

そゆわけで、大人気のファンタジー戦記の第二弾。イクタたち新人尉官率いる訓練部隊は、経験をつむために比較的平穏な北域鎮台へ。しかし、その北域では、今まさに、内戦が勃発しようとしていた……。という感じで、アホな上官のせいで、内戦勃発、北域方面部隊壊滅の危機、そこをイクタたち訓練部隊が機転を働かせて打開していく、という展開なのだけど、うわぁ~、思った以上に過酷な展開で、すげぇ。きちんと戦争の暗黒面を描いてくるとは。や、最近のラノベの風潮では、なんでも解決できるやたら強い主人公が目立ってる風だったけど、『アルデラミン』は、これだけイクタを天才という感じに描いていながら、必ずしも、万能という扱いではないのんな。そして、絶望的なラストの展開。なんか、どんどん人が死にそうだけど、これ、大丈夫かぁ~?

[ 2013.09.22 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIII /宇野朴人

ぐはっ、初っ端からイクタの責任の取り方がすげー。そして、ナナクがチョロすぎる予感なのだけど、シナークの民はそれでいいのか!?(^^;。

そゆわけで、アルデラ神軍侵略からの撤退戦。殿の指揮を執ることになったイクタたちは……。という感じの展開なのだけど、ただでさえ大ピンチの状況で、敵側にライバル的な存在になりそうな“不眠の輝将”登場。なんだか、本格的な長編シリーズになりそうな展開だなー。……しかしホント、ライトな展開なら、もっと余裕で勝っても良さそうなのに、予想以上にボロボロだよな。いや、イクタの小隊の消耗がめちゃ激しくね? 凄い。そして、ヤトリの武人としての無双ぶりが凄まじいんですがっ!!

[ 2013.10.02 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIV /宇野朴人

まさかのマシューに、春が来たっ!! いきなりマシュー回になって、一方、ヤトリとかは半分空気になってる予感。まー、この作品だと、マシューの相手役になりそうなぽるみんも、いきなり死亡とかいう展開もありそうだけど。いや、むしろ、そうすべきだよな。<をい

というわけで、斜陽の帝国で、常怠常勝の智将と呼ばれることになるイクタと、最後の皇女となるシャミーユを描いたファンタジー戦記の第四巻。今回は、マシューの故郷での内政モード&海軍支援みたいな話で、なんかマシュー大活躍!? いや、やっぱ活躍してるのはイクタな気がするけど。や、イクタ、体力はない設定だと思ったんだけど、鬼ごっことかでの活躍はさすがに無理があるような(^^;。……しかし、マシューの親も軍の中間派と目される大佐か。騎士団の親たち、ハロ以外は偉い人ばかりで、こいつらふつーにサラブレッドの集まりなんだなぁ。

それにしても、やたら腐ってる腐ってる言われていたカトヴァーナ帝国だけど、内政を見る限り、ぜんぜん建て直し可能にみえるんですが。ふつーに勧善懲悪が成り立つ、悪事が露見すれば裁かれる機能がきちんと維持されてるのんな。てか、実力組織である軍部が、むちゃくちゃ健全ですし。いや、これって、シャミーユが皇帝になるか、悪くても軍がクーデターを起こせばいいだけのように思うのだけど、シャミーユは何故そこまで思いつめてるんだ? 実は、キオカにマインドコントロールされているだけで、イクタがそれを救っていく展開だったら凄いけど。

[ 2013.10.06 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンV /宇野朴人

いきなり、すげー展開がキターーーーーっっっ!! そういう展開になるのは、もっともっと先かと思ってたのだけど、いっきにクライマックスに持っていくきか!? さらに、癒し担当だったハロにも、重い設定をぶっこんできたけど、うわぁ、どうなるんだぁ~~。

そゆわけで、のちに“常怠常勝の智将”と呼ばれることになる新人将校イクタの活躍を描いた、ファンタジー戦記第五弾。大航海時代的な帆船による海戦が主体の世界で、はじめて船に大砲を積んだキオカ海軍との戦いっ!! いやもう、まんま、[漫画]『海皇紀』ではないかっ!!<をい。や、[漫画]『海皇紀』が好きだったので、これは燃える展開っ!! ていうか、そりゃ、同じシチュエーションなので、似たような雰囲気の話になるわな(^^;。

そして、不眠の輝将との対決かと思ったら、おおおぉぉぉぉっっっ、いきなり凄い展開過ぎるっ!! や、まさか、ここでこういう展開が来るとは思わなかったっ!! ぜんぜん続きの展開が読めなくて、次回が楽しみすぎるっっっ!!

[ 2014.03.23 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンVI /宇野朴人

なんだ、トルウェイの兄さん、無能の悪者じゃないのか。<をい。でも、レミオン家、これでよくイグセム家と対抗してきたなぁ。化け物すぎるイグセムと比べると、レミオンは小粒感が否めないような(^^;。

というわけで、レミオン派のクーデターにより内戦に陥るカトヴァーナ帝国。出自を明らかにすることで第三派閥を立ち上げたイクタは……。という感じで、イクタたちよりもイグセム派に合流したヤトリのほうが、より過酷な展開になるかと思ったのだけど、そこまで酷い展開はないのかしらん? まあ、今回は、ヤトリよりもトルウェイの番。家との関係や軍人としての資質に悩むトルウェイの前に、軍人として突き抜けたイグセム、ヨルンザフ大将が立ちふさがる、という構図だけど、ヤトリほどでないまでも、やっぱりイグセムは化け物だなぁ。これで、ヤトリが敵として立ちふさがったら、いやぁ、間違いなくバッドエンドになりそうだけど、その展開も見てみたい。次巻、次々巻辺りでそういう展開もありそうだけど、でも、ラストの展開を見ると、そこまで深刻になる前に、内戦が収束しそうな感じも。まあ、とりあえず、続きだ続き。続きを早く読ませろ~~。

[ 2014.10.19 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンVII /宇野朴人

うわぁ、初っ端からあからさまなフラグで、マジか? 本当か? と思っていたら、マジそうきたかー。そこは凄く思い切ったと思うけれど、でも、このストーリー展開、出来が酷すぎじゃね?

いや、イグセム派、レミオン派、旭日連隊の三つ巴の戦いの中、いよいよ、他に先んじたイクタが、皇帝の身柄を確保し、佞臣トリスナイに対峙するという展開だったわけですが、今まで大活躍していたイクタが、トリスナイと会ってからいきなり無能になり下がるんですが、どういうことなんですかね? トリスナイの策略になんも手も打たず、しかも、何故かイグセム派とガチの戦闘に突き進むとか、今までのイクタだったら、この采配は、ありえないと思うんですが。うーん、トリスナイが優秀でイクタの打つ手をことごとく上回った結果、ああいう結末に至るならわかるんですが、トリスナイもちょっとした切り札を持ってるだけの小物にすぎず、しかも、トリスナイだけでなく、イグセム派に対しても、いくつも打つ手があるような状況なのに、イクタってば、場当たり的な対応以外、不自然なほどに、何もしないのよな。ありえないわー。もとから想定の展開だったのかもしれないけれど、正直、プロットの作り込みが、ぜんぜん足りてないんじゃないですかね?

ええっと、ここで、第二部に続くわけなんですけど、今回、無駄に使ったヤトリのイベント以上のことを、第二部でできるとは思えないのだけど、どうするんですかね。ここで、終わっといたほうがよかったんじゃない? かなり好きだったシリーズの、本来であれば、とっておきのイベントだったのに、こんなに出来の悪い展開の中で消化されてしまって、もう、がっかり感が半端ないですわ。

[ 2015.03.16 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンVIII /宇野朴人

第二部スタート。第一部ラストの出来が酷かったので、この第二部がどうなるか心配してたのだけど、うん、序盤の展開は上々。「時は流れた」というのは、第二部スタートとしては、まあ、お約束ではあるのだけど、キオカと帝国のその後の状況を端的に説明しつつ、ラストに爆弾をぶち込んでくる展開は、素晴らしいわ。ラストのアレは、ここでこのフラグを使うかーって話だけど、まあ、彼が復活するには、それぐらいの追い込みがないと物足りないかなー。

しかし、殿下はともかく、イクタの状況は、ちとビックリ。トルウェイみたいな感じになるもんかと思ってたよ。でも、この状況は、当面は山場が続いて盛り上がりそうだけど、そこを乗り越えたら、わりとすべてが改善して、その後のストーリー上の問題設定に困りそうな予感。まあ、それを見越して、キオカ側のジャン&アナライにも、焦点を移してく感じなのかしらん。

[ 2015.10.12 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIX /宇野朴人

パトレンシーナ無双。いやー、スパイであることが明かされたハロがあまりに優秀すぎるっ!! 一方、マシューはじめ姫様や騎士団の成長は見て取れるものの、やはり、イクタが復活しないとシンドイなぁ。そもそも、イクタがいないと爽快さに欠け、いまいちおもしろくないんだよなー。

というわけで、ヤトリが死にイクタが廃人になった第二部スタートの状況から、さらに、ハロまでもがとうとうキオカ側の間者であることが明らかとなり、ボロボロの姫様と騎士団たち。と、第一部終盤の展開から、どうにも作者の都合だけで進行してるような作りもの感が強くて、個人的にはいまいちなのだけど、まあ、仕方ないのかなー。今回の終盤の展開も、そんなんで良かった、ここまでの状況にならんだろー、という安直な復活劇。どうにも出来が悪い。まあ、次巻からは、イクタが活躍していた頃の、おもしろかった『天鏡のアルデラミン』に戻ることを期待したいところだけど。

いろいろと不満も多いなかで、ハロ幼少期の二重人格にきっかけの出来事は、なかなかインパクト強くて最高だった。パトレンシーナはともかく、ハロがどう精神の状態を維持してるのか謎すぎるけど、どちらにしろ壊れてるということなのかしらん。

[ 2016.04.18 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンX /宇野朴人

やっとイクタ復活。これだ、こういう無双するイクタが読みたかったんだっ!!

第一部終盤でイクタがいきなり無能になり下がって自滅してからというもの、どうにも『天鏡のアルデラミン』はいまいちに思っていたのだけど、ようやく、あの無敵のイクタが帰ってきました。やはり、すべてを見通し無双するイクタが楽しい。そんなイクタに対する姫様も、これでもかというくらい可愛くて可愛くて、ほんと素晴らしいね。あと、スーヤ(*^^*)。

さすがのイクタだけあって、トルウェイやマシューが苦戦した対キオカ戦もあっさり解決。あれだけ強敵だったパトレンシーナや不眠のジャンも簡単に手玉にとるような展開は、ほんと、読んでて楽しいな。って、二年ぶりの復活で、いろいろ障害があってもよさそうなのに、一気に話を進めすぎじゃないか? ……あまりに完璧すぎるイクタの復活で、もはや、イクタと姫様が苦戦する展開が想像つかないのだけど、なんか立ちはだかるような敵とかいるんだっけか?<をい

[ 2016.07.12 ]


KADOKAWA 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXI /宇野朴人

初っ端からエロエロだーっ!! もういっそ、18禁にしちゃった方が、いろんな制約がなくなって面白くなるんじゃないですかね? そもそも、小説に18禁もなにもないと思うので、もっと攻めてもいいと思う。

で、物語のほうは、キオカとの戦闘もひと段落して内政ターン。大きな戦闘もなく、まったり平和な展開なのに、ハロいぢめが酷いな。そこまで重要な場面でもないのに、何故そこまでやる?! そして新しいレギュラーのヴァッキェは、うーん、シャミーユに必要なキャラなのはわかるけど、かなり飛び道具的なキャラなので、ここにきてかなり冒険してきたな。ちとリアリティレベルを下げてコミカルに寄せてきた感じで、『アルデラミン』の印象を良くも悪くも変えそうな。

そして、ラストの三国会議は、まったく先が見えないのだけど、さて、どういう展開になるのかしらん。イクタが完全復活して、国内国外大きな問題もなく、シャミーユの調教、もとい、成長物語となりつつある現状で、ここから危機的状況を演出するのは、なかなか難しいと思うのだけど。

[ 2016.11.18 ]


KADOKAWA 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXII /宇野朴人

タイトル回収。というか、いきなりの急展開に読んでて吹いたよ(^^;。

アニメ化までした作品なのに、いきなりの路線変更。よく編集部は許可したな。もちろん、当初から予定していた展開ではあるんだろうけど。……三国会談の場で対決する教皇イェナーシィと科学者アナライ・カーン。二人の議論は、やがてアルデラ教団の秘密、世界の謎へと繋がっていく。と、いやいや、この急展開は、やっぱりいろいろオカシイだろ(笑)。ファンタジーが実はSFでしたというのは、ある意味鉄板のネタなんだけど、ここまで直球で来るとは思いませんでした。いきなり見知った固有名詞が出てきて、マジ笑いました。<をい

しかし、ここまで大きく変えてきたのに、えっと、次回はキオカとの戦争に戻るの?? 今更、戻れるのか? まったく先が読めないのだけど、マジどうなるんだ、これ????

[ 2017.07.12 ]


KADOKAWA 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIII /宇野朴人

前回、衝撃の展開に、「続きはどうなるんだ?」と思って読んだのだけど、今回は、敵味方それぞれのキャラの穏やかな日常を描いた構成。そして、え!? 次回、最終巻なの!!!!

世界の秘密が明らかになるも、キオカと協調する道は選択せず、決戦に向けて準備をすすめるカトヴァーナ帝国。そんな中それぞれのキャラは、穏やかな日々をすごしていた……。と、いかにも“嵐の前の静けさ”という感じで、過去と向き合い将来を考えるいかにも最終決戦前のお約束の構成。いや、前回から一気にラストに行くとは思ってなかったので、ちとビックリした(^^;。……それぞれのキャラの日常は、ポルミとマシューはともかく、キオカ側のキャラがみんな退役しそうな勢いで、これはどういう伏線なんだろ? 結局、キオカよりもトリスナイがキーとなりそうな感じだけど、なにはともあれ、次で決着するのかー。

[ 2017.12.13 ]


KADOKAWA 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIV /宇野朴人

号泣。敵国キオカかとの最終決戦からの第四章が、とことん泣ける構成で、なんども泣かせる(T-T)。シリーズラストを飾るに相応しい、感動の最終巻でした!!!

帝国本土への侵攻を開始したキオカ軍との最終決戦。キオカ軍を率いるジャンと帝国を率いるイクタ、互いに最善手を打ち続けるような、二人の知将の激突が魅せる魅せる。戦記モノで、一方の将を貶めることなく、ここまで両者とも天才を感じさせながらの激突を描いた戦争は、なかなかないよね。そして、そこまで素晴らしい激突を描いておいて、さらにそれを超えて素晴らしかったのが、戦後の帝国におけるイクタの戦い。もう、とにかく泣ける(T-T)。

正直、戦争の終結からの展開は、納得感が弱いのだけど、ただ、それでもあの第四章はシリーズラストを飾るに相応しい内容で素晴らしい。もう、イクタと周りのキャラの想いがあふれていて、何度も泣かせる。泣かせすぎだろっ!! シャミーユとのラストシーンからしりとり、そして、最期まで。ほんとに素晴らしい(T-T)。

そして、余韻を感じさせるエピローグ。その後のみんなの情景もたまらないのだけど、えっと、ラストのラストはちと蛇足感が(^^;;;。……それがともかく、ほんと素晴らしい最終巻でした!!!

[ 2018.08.15 ]