チグリスとユーフラテス


集英社 集英社文庫
チグリスとユーフラテス(上)(下) /新井素子

素晴らしい。ラストが、泣きそうなぐらい綺麗で、感動だったよ~~。

コールドスリープから目覚めたら、終末の世界、がび~~ん、という話で、その時代時代の人を通して、ナインという星へ移民してから、滅びるまでを描いた作品。や、多分に冗長な部分もあるのだけど、あのラストと、あのラストを魅せるための構成が、とにかく、素晴らしい。ほんと、すごく、おもしろかったよ~~。

ただ、ちと、作者の思想が表に出すぎてる予感なのと、全体的に設定が甘くて、特に、ラストのナインの意味づけが、説得力が弱くて、狙ってるのかもしなれいけど、ちょっとなー、という感じ。や、SF な形式の小説だと思ったら、リアルな積み重ねではなく、作者の感覚的なものに頼ってるような、むしろ、ファンタジーだよなー、という感じなのよ。<それはそれで、悪くはないのだけど

[ 2002.05.31 ]