扉の外


メディアワークス 電撃文庫
扉の外 /土橋真二郎

若くて青いなぁ。いかにも10代の好みそうな設定とテーマ。いや、作者の人は、意図的にそういう青いテーマを選んだんだと思うんだけど、ちと技量が足りずに、青臭さばかりが目立ってしまってる印象でした。……そういう若い思考特有の青臭ささえ気にしなければ、世界のルールが解ってくる後半以降はそれなりには面白かったかしらん。

第13回電撃小説大賞<金賞>。気が付くと見知らぬ部屋に閉じ込められたクラスメートたち。ルールに従えば安全は保証するというコンピュータ。その画面には、シミュレーションゲーム風のマップが表示されていた……。閉鎖空間を舞台に、人間関係の縮図を中心に描きました、という話で、なんといっても10代っぽい青臭さが特徴(^^;。あとがきを読むと、作者の土橋真二郎はそれなりの年齢みたいなので、まあ、10代の好きそうな話を狙ってみたということかしらん? ただ、狙って書くには、かなり力量不足で、特に、設定の説明が下手な上に、キャラの行動に説得力がなく深みがないのはなー。全体的に青臭いだけの微妙な出来で、どうしてこれで金賞なのか疑問なんだけど、まー、10代向けに売るってことなら、こゆのもありなのかしらん?

[ 2007.02.11 ]