月の盾


メディアワークス 電撃文庫
月の盾 /岩田洋季

うわー、うわー。せつなくて哀しく、それでいて、とても優しいストーリー。……しかし、こういう内容なら、それこそイラストなしにすべきだと思うのだけど、その挿絵は雰囲気ぶち壊しだろ~。

そゆわけで、『護くん』の岩田洋季の送る単発作品は、『護くん』と違い、非常にせつなくシリアス。母に虐待され、部屋に閉じこもり心を閉ざしていた少女が、だんだんと心を溶かし、そして運命に立ち向かう的な話。はじめに先の展開を提示する手法でもって演出された、この哀しくせつない雰囲気は、非常に秀逸。とにかく、せつなく泣ける~~~。ただ、もともと難しいテーマなこともあって、特に後半は、作者の力量不足を感じさせる部分も散見されるんだけど、そこは仕方ないか(^^;。あと、こんなにせつなく優しくて良い話なんだから、もちっと、イラストにも気を配れ~~。ほんと、せつなく胸にくる内容だっただけに、イラストが場違いなのがなぁ。

[ 2006.05.18 ]