ディバイデッドフロント


角川書店 スニーカー文庫
ディバイデッド・フロント I.隔離戦区の空の下 /高瀬彼方

露骨に狙いまくってる作品なのだけど、香奈視点の文章が、くらくら。すばらし~~

自衛隊に入隊し、憑魔という化け物と戦う少年少女の話。軍隊なのに、中高生ぐらいの年齢&男女ペアという規則で、部活動的雰囲気、それで、死と隣り合わせで、実は、絶望的で暗い将来。いや~、もう、設定という設定が、細かなとこまで、べたべたに狙いまくってるという感じなのだけど、その狙いの目的と効果を、きちんと計算して書かれているので、素直におもしろい。や、ちと、あからさますぎとも思うのだけど(^^;。とにかく、香奈視点の文章がさいこー。面白かったー。

[ 2003.06.05 ]


角川書店 スニーカー文庫
ディバイデッド・フロント II.僕らが戦う、その理由 /高瀬彼方

うきゃ~~、香奈、香奈、香奈ぁぁぁ~~~~~~。や、香奈視点で綴られた部分を中心に、コメディ色が強化されてますよ、ラブコメディっ!! 演出的な側面では、単に筆の勢いと言った感じで、正直、失敗かとも思うんだけど、私的にはこれはこれで許可ですよ~~。めちゃくちゃおもしろい~~。

そゆわけで、絶望に身を置く少年&少女兵たちの闘いの日々。かなりえげつない設定のハズなのだけど、香奈をはじめとして、登場キャラはなんだかハイで明るくなってますっ!! や、私的には、もっと過酷で絶望な内容を期待していたので、そういう点では物足りないのだけど(<まあ、そもそも高瀬彼方って、残酷に徹しきれない気もするんだけど)、こゆノリも良いかしらん。あと、後半も、なかなかおもしろかったけど、ちと描写が弱い印象でそこは残念。もうちょっと、計算高く構成しても良いと思うんだけど。

[ 2004.05.07 ]


角川書店 スニーカー文庫
ディバイデッド・フロント III.この空と大地に誓う /高瀬彼方

綺麗に決着。いやぁ、面白かった~~。逃げ場のない戦いに身を置く少年少女というシリアスな内容をベースに、ギャグあり、恋あり、燃える展開もあり、さらに泣かせるシーンも入れこんだ、なかなかに満足できる内容ですよ~。

そゆわけで、シリーズ最終巻。いやぁ、香奈、美味しいねぇ~。って、ただ、イチルの方が、それだけのイベントを用意してるのに、演出&構成的に生かしきる作りになってなくて、その点は残念。っていうか、この構成、香奈を中心に置きすぎていて、展開的に本来中心に置くべきイチルの描写が弱いだろ~。香奈好き好きーな私から見てもそう思えるんだから、ちと、偏り大きいと思うんですけどぉ。……まあ、私は香奈が好きだからいいや。<をい。あと、『カラミティ・ナイト』でも思ったんだけど、高瀬彼方は、いまひとつシリアスに徹しきれず、中途にギャグにしちゃうのはどうよ(^^;。<それはそれでおもしろいんだけど

まあ、そんなこんなで、あとがきにある次回作の「どきどき赤面ものの学園ラブコメ」に大期待だっ!!

[ 2005.03.04 ]