ドルチェヴィスタ


講談社 講談社ノベルス
ドルチェ・ヴィスタ それでも君が /高里椎奈

これ、密室でもなければ、ミステリでもないだろー。って、良く見たら、“密室ファンタジー”と謳ってて、ミステリとは書いてないじゃん(汗;。あと、わりとバレバレというか、ありがちなネタなのに、“驚天動地”というコピーもちょっと(^^;。<袋とじなので、ちょっと問題あると思うんだけど

そゆわけで、講談社ノベルスの密室本企画の一冊。なんとなく、表紙にひかれて買ったのだけど、すごく良い感じのファンタジー。不思議な世界で、生まれたばかりのキンカンという少年を通して、他人との繋がりみたいなものを描いた作品。……なのだけれど、密室本として企画されてるためか、ミステリっぽい事件が発生して、それが、綺麗な世界観と、まったくあっていないのが、残念。

あと、ありがちなネタで、王道パターンなのだけど、にもかかわらず、ラストが中途半端で、綺麗に纏め切れてないのも、マイナス。や、事件発生までは良かっただけに、もったいない作品だよなー。

[ 2003.03.21 ]


講談社 講談社ノベルス
ドルチェ・ヴィスタ お伽噺のように /高里椎奈

シリーズ 2作目。……前作と、ぜんぜん内容違うじゃんっ!!

前作は異世界ファンタジーでしたが、今度のは、現代社会を舞台に、口下手なバイト少年を主人公にした話。や、一応、一部登場人物は同じで、背景も一緒なのはわかるのだけど、でも、あえて同一シリーズというのは、無理あるような。まあ、三部作という話なので、次作で、綺麗に纏まるのかもしれないけど。

で、ちょっとせつない系のなかなか良い話なのだけど、どうも、全体にボケてるような感じで、華もなく、「雰囲気良いけど、それだけだよなー」という感想。もちょっと、テーマに注力するか、人物を深く描写するかすれば良いのに、ちともったいないよなー。

[ 2003.04.05 ]


講談社 講談社ノベルス
ドルチェ・ヴィスタ 左手をつないで /高里椎奈

駄作、と言い切ってしまうのは酷ですか(^^;。結局、「雰囲気がいいだけ」で、下手な部分が良く目立つ。頭を使わずに感性だけで勝負するのも良いんだけど、実力がないのと、特徴が弱いのとで、どうにもいまいち。頭を使ってない内容なので、ラストも非常に物足りない。残念だ。

そゆわけで、シリーズ最終巻。第1巻がファンタジー世界を舞台にした殺人事件で、第2巻が現代を舞台にした口下手なバイト少年の話。で、ぜんぜん違う話をどう綺麗に纏めるんだ~、と思ってたのだけど、がっくしな内容。こんなんなら、2巻以降のように、単なる現代風の連作短編で良いと思うんだけど。第1巻のファンタジー要らん。というか、別の話で良いじゃん。……それにしても、一応、10冊以上出してる作家にしては、やけに下手だし青臭い内容なのだけど、もしかして、講談社ノベルスって、作家を育てようという意識が弱いのかしらん?

[ 2004.10.18 ]