マリア様がみてる


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる /今野緒雪

今野緒雪というと、昔、ちょっとだけ手を出したことがあるのだけど(<って、『サカナの天』ぐらいしか覚えてない、というか、他は読んでないかも(^^;)、なんだか、内容といい、雰囲気といい、ぜんぜん違う。くらくらするよ~~

そゆわけで、お嬢様学校を舞台に、紅薔薇のつぼみこと、小笠原祥子さまと、姉妹になるとかならないとか、そういうお話。やはり、時代は、女の子x女の子。もう、べたな少女小説風味なのだけど、あたし好みというより、そのまんま、くーりーさん 好みな内容のような。つまり、同級生には“さん”を、先輩には“さま”を、そして当然、「ごきげんよう」。

電車の中で読めないほどではないけれど、読んでて、にやけまくり。かなり変な人(^^;。ほんと、素晴らしく、くらくらなの~~。……続きを揃えて、さくさく読まなくちゃだわっ!!

[ 2002.02.19 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 黄薔薇革命 /今野緒雪

シリーズ 2作目。今度は、騎士のような女の子x病弱娘っっ!!
みどころは、やぱし、某病院のシーンですか(^^;。……1作目と同様、お約束の展開で、くらくらなシーンはあるのだけど、今一つ、物足りないような予感が。

[ 2002.02.20 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる いばらの森 /今野緒雪

シリーズ 3作目。短編 2本が収録されてるのだけど、『白き花びら』が素晴らしい~~。これこそが、女の子x女の子の醍醐味かっ。…と、それはともかく、む~、あたしは、わりかし、缶のお汁粉を買ったりするのだけど(^^;。あと、一般的には、少女小説 1冊を読む時間は、1時間で十分速いと考えられてるのかしらん。まあ、そんなものかも。

[ 2002.02.20 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる ロサ・カニーナ /今野緒雪

シリーズ 4作目。さすがに、この雰囲気に慣れてきてしまいました。…純粋に楽しむには、ちともったいない。

それにしても、このシリーズは、基本にのっとったストーリー展開で、だからこそ、良さがよく分かる。そもそも、少女小説は、ストーリーを楽しむものではなく、雰囲気というか、世界を味わうものなのだけど、その部分が、実に良いの。姉妹の距離感が、絶妙なのね。カップルになったあとのラブラブ感が、この距離感によって、ほんとうに上手く描かれてるよな~~。いや、恋愛モノとして、最高レベルではないでせうか。

で、この 4作目は、表題の『ロサ・カニーナ』と『長き夜の』の短編 2本。『ロサ・カニーナ』が、やっぱしストーリー展開は定型なのだけど、素晴らしいのよ~~。『長き夜の』の方は、清く正しい番外編。あたしも、「なかきよ」は、はじめて聞きました。

[ 2002.02.21 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる ヴァレンティーヌの贈り物(前編)(後編) /今野緒雪

シリーズ 5作目。前後編ということで、ちょっと長い話なのか?と思ったのだけど、内容はいつも通りに、合わせて 5本の短編からなるオムニバスで、バレンタインデー前後の話を纏めたもの。

で、そのうち、中軸になる話は、「びっくりチョコレート」なのだけど、途中までの展開は良かったのだけど、期待していた終盤は、盛り上がりに欠けたまま、なんとなく終わってしまった印象で、ちと残念。他の 4編も、どうにも おまけ的な印象の強い内容で、……う~ん、恋愛的要素を中心に捉えたストーリーは、そろそろネタ切れということかしらん。

普通に学園ものになっても悪くはないけど、それでは、単なるありがちな作品の一つにすぎないので、ちと。

[ 2002.02.22 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる いとしき歳月(前編)(後編) /今野緒雪

シリーズ 6作目。今回も前後編だけど、やっぱりオムニバス。で、卒業スペシャル。

さすが、卒業スペシャル。感動的な話になるとは思っていたのだけど、とにかく後編、予想以上に素晴らしい~~。いや、無理に盛り上げるわけでなく、むしろ、淡々と描写することで魅せるとは、こんちきしょ~~。それなりの技術がないと出来ない手法だけど、もう、何気ないシーンで泣ける泣ける。くぅ~~~。

や、前編の方は、電車の中で読んでて、思わず、爆笑してしまい、変な人化してしまったりした場面もあるものの、単に学園コメディ化してしまってて、読んでるときは、凄く残念だったりしたのだけど、後編の魅せ方が上手くて、前編との落差に、むしろ、感動。素晴らしい~~。

この話は、手放しで大絶賛だったけど、問題は、次巻以降だよなん(^^;。

[ 2002.02.23 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる チェリーブロッサム /今野緒雪

シリーズ 7作目。たぶん、最新刊。

って、祥子さまと令さま、性格変わってませんか(^^;。…… 文庫未収録だった「銀杏の中の桜」と、それを祐巳視点で書きなおした「BGN」の 2編が収められているのだけど、もともと「銀杏の中の桜」が、シリーズの最初に描かれた作品ということもあって、なんだか違和感ありまくり。<「銀杏の中の桜」を書いた後、文庫はその半年前から始めて、やっと半年経過したので文庫に収録、ということらしい

いや、「銀杏の中の桜」は書かれた時期が違うので、違和感があるのは当然なのだけど、それを補完する意図で書かれた「BGN」の方が、むしろ酷すぎる。こういう場合は、齟齬を埋めるのではなく、むしろ、齟齬は齟齬として、距離を置くのが正解だと思うのだけど、しかも、学年が上がって、今後の方向性を左右する大事な巻だけに、ちょっとなー。……もともと、こういう展開を計画してたのかもしれないけど、今後が、ちと不安だよ(^^;。

[ 2002.02.24 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる レイニーブルー /今野緒雪

前作読んで、今後のシリーズに微妙な不安を感じてたのだけど、や、めちゃ素晴らしい~~。あたし的シリーズ最高傑作の『いとしき歳月』に、勝るとも劣らないにょ~~。……まあ、ラストが「待て、次号!」なので、この巻だけでは、なんとも言えないけど。

あ、あと、白黄紅の別々の物語を、ああいう構成で見せる手法もなかなか良いでしな。白薔薇、黄薔薇、紅薔薇、各ファミリーの話とも、とにかく、すばらし~~。おもしろかったにょ。はやく、続きを~~。

[ 2002.03.31 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる パラソルをさして /今野緒雪

や、期待通り、おもしろかった。まあ、予想通りの内容だったので、そういう意味では、いまいち面白味にかけるという言い方の出来るけど(^^;。あと、瞳子ちゃん方面に、もうちょっと、踏み込むかと思ったのだけど、まあ、今の段階では、こんな感じかなぁ。

それにしても、この構成、丁寧で基本に忠実なわけだけど、だからこそ、巧いのがわかるよなぁ。あと、カトーさん、なにげに眼鏡なので、ナイス。<をい いや、ほんと、良かったよ~~。

[ 2002.07.01 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 子羊たちの休暇 /今野緒雪

読後感は良いし、魅力的なシーンもいくつもあるし、ストーリーは丁寧で、決して悪くないのだけど、私的には、いまひとつパワーが弱い、ちと盛り上がりに欠ける感じが。まあ、シリーズの中の位置づけとしては、タイトル同様、一回休みといった巻だから、仕方ないかしらん。って、『レイニーブルー』→『パラソルをさして』が凄かったので、そう感じるのかも(^^;。……それにしても、そろそろ、黄薔薇方面を描くのかなぁー、とか、瞳子に踏み込むかなー、と思ったのだけど、そゆのもなくて、残念無念。

[ 2002.12.27 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 真夏の一ページ /今野緒雪

前巻同様、今回も、シリーズ構成的に、中休みといった感じの話なので、ちと、物足りない。う~~ん、妹選びが本格化するまでは、しばらく、こんな感じで低調なままなのかしらん? せめて、学園祭では、盛り上がって欲しいんだけど。<っていうか、学園祭に、妹選びを絡めるかと思っていたのだけど、そうだとすると、そろそろそういう伏線が織り込まれると思うんだけど、むしろ、祐麒方面の前振りばかりだしなぁ。いや、花寺が絡むと、ただの青春モノになってしまう予感で、いまいちだと思うんだけどな。

[ 2003.03.31 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 涼風さつさつ /今野緒雪

花寺の学園祭。や、かなり大笑いで面白かったよ~~。

まあ、『マリみて』も、当初のインパクトは感じなくなって、ある意味、安定期に入ってしまった感があるのだけど、いや、それでも面白いね~~。学園祭風景は、かなり笑わせてもらいました。……って、でも、やっぱ、俺は、もっと、波風が立つような話が、読みたいんだよっ!! なにか、もっと、強力なイベントは、発生しないんですかっ!! といっても、もはや、祐巳と祥子さまの関係は磐石だし、早く、卒業式イベントとか発生しないかなー。<まだまだ、先じゃん(^^;

[ 2003.07.05 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる レディ、Go! /今野緒雪

相変わらず、祥子さまも良かったけれど、可南子ちゃんもなかなか可愛い~~。

と、瞳子の登場から、関心は妹選びなのだけど、やっと、本格化してきたのかしらん? 今後が楽しみ~~。や、どうも、ここ数巻は、まったりと続いているので、もちっと、ドラマが起きて欲しいところなのよねん。祐巳、可南子、瞳子の関係は美味しいよなぁ~。……しかし、由乃方面はどうするんだろ。

参考:
感想メモリンク → 睦月さん夏川さん桐月さん麻弥さんREVさん

[ 2003.11.03 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる バラエティギフト /今野緒雪

[雑誌]『Cobalt』掲載分を纏めた短編集。各短編のあいまに「バラエティギフト」を挟む構成は巧いし、各短編も相変わらず高レベルなのだけど、うーん、でも、どれも短く、あくまで番外編という位置付けなので、物足りないと思ってしまうのが正直なところ。……や、そもそも、私は、最近、「妹選びはっ!! 妹選びはどうしたっ!!」という感じなので、さっさと本編の続きを進めて欲しいところだよなぁん。

[ 2003.12.29 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる チャオ ソレッラ! /今野緒雪

修学旅行と言えば、すぐさま、[WIN]『晴れのちときどき胸さわぎ』に脳内を占領されてしまう私なので、イタリアで、祐巳と由乃さんとタマタマと緊縛和尚が、ぐるぐる走り回りまくって、かなり異様なオレ脳内『チャオ ソレッラ!』が展開されまくりな読書タイムだったのであり、なにをどう感想を書けば良いのやら。とりあえず、由乃さんはコンボしまくりだっ!!

……本編が作者のイタリア旅行日記だったのと比べて、巻末の「紅薔薇のつぼみの不在」は、読み応えがあり非常に良かった。あと、由乃さんは、頭の中で、きちんと、池澤春菜の声になっていて、アニメの影響侮りがたし。

[ 2004.04.02 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 特別でないただの一日 /今野緒雪

タイトル通りの内容。おそらく作者の意図通り&計算通りに完成されていて、そこら辺は巧いといえば巧いんだけど、でも、やっぱ物足りないなー。とりあえず、さっぱり妹選びに入らずひたすら足踏みだった話もやっと進み出すのかしらん。ただ、どっちを選ぶんだ?という意味での興味はあるんだけど、展開自体は、あんまり期待持てないんだよなー。……というよりも、今後の『マリみて』自体に、正直、あんまし期待を持てなくなっていたり(^^;。

そゆわけで、学園祭。ラストは価値ありだけど、それ以外の部分は、わりとどうでも良いや。<をい。……そういえば、ここ最近、祐巳の描写にどうにも説得力を感じないんだけど、いっそのこと、一年生に主役交代してくれないかしらん?とも思う今日この頃だったり。

[ 2004.10.06 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる イン ライブラリー /今野緒雪

素晴らしい。「チョコレートコート」が、とにかく素晴らしい。いやもう、この短編だけで非常に満足。とにかくくらくら。こういうのすげー好き。めちゃくちゃたまらない~~~。

そゆわけで、雑誌掲載の短編を纏めた番外編。どの短編も、まあ悪くはないのだけど、やはり、素晴らしいのは「チョコレートコート」。ここまでバリバリの恋愛モノは、ほんと楽しい。ただ、他の短編にも言えるけど、ラストはちょっとページが足りない感じ。作風なんだろうけど、もちっと行数かけて余韻を持たせた方が良いと思うんだけど。まあ、とにかく、良かった、おもしろかったぁ~。

[ 2004.12.29 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 妹オーディション /今野緒雪

巧いっ!! や、いつもに増して話の組み立てがやたら巧くて、なんだか感心しながら読み進めたんだけど、でも、この展開は、おい~~~~。

そゆわけで、妹オーディションですよ、オーディションっ!! や、このタイトルで、こうイベントや伏線を配置して、こういう見せ方をするのは、すごく巧いと思ったのだけど、そういう結論になっちゃうのは、ちとダメだろ。久しぶりに、なかなか面白かった予感もするのだけど、うきぃ~~~、うきぃ~~~、もう、うきぃ~~~~~~~。

……とりあえず、さっさとどんどん続きを出せよ。

[ 2005.04.02 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ /今野緒雪

「黄薔薇」「白薔薇」「紅薔薇」それぞれの三つの短編集。「黄薔薇」はわりと面白かった。菜々は、思った以上になかなか楽しいキャラだなぁ。……まあ、どの短編も今後への準備を兼ねた中継ぎという側面が強いこともあって、可もなく不可もなく、取りたてて特筆すべきこともなし。

[ 2005.07.05 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 未来の白地図 /今野緒雪

相変わらず、巧いなぁ~~。いやもう、計算しつくしたようにイベントが配置されていて、ほんとストーリー構成は素晴らしい。キャラの動かし方も絶妙で、くらくらくる~~。

そゆわけで、や~~~っと、祐巳の妹問題に進展がががっ!! って、まだしばらく成り行きを見守りますか、という感じなんだけど、まあ、ここまで引っ張ったんだから、当然か。……それはともかく、そろそろお姉さまの卒業がらみの話も見え隠れしてるのだけど、お姉さまが卒業してもシリーズが続くかどうかが気になるところだったり。

[ 2005.12.25 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる くもりガラスの向こう側 /今野緒雪

いつも通り。や、各キャラを特徴を際立たせて描いている部分は、相変わらず巧いよなぁ。……展開がアレでソレなのも、いつも通りなわけだけど(^^;。

[ 2006.04.04 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 仮面のアクトレス /今野緒雪

瞳子との問題を引きずりながら、生徒会選挙へ。まあ、話の中心は、瞳子との話というより、親離れ子離れというか、姉離れ妹離れ。……とりあえず、「あの女」に爆笑。内容的には、いつも通りじりじりとしていて、にんとも。選挙はもうちょっと盛り上がるかと思ったのだけど、まあ、見せ場は次巻へ、ということなのかしらん?

[ 2006.07.02 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 大きな扉小さな鍵 /今野緒雪

瞳子の秘密って、そんなことですか。いや、散々引っ張った上に、今までの読者への情報の提示の仕方も、正直巧いとは思えなくて、かなりガックリですよ。……まあ、展開的には、瞳子が動かなければいけない状況になったことが大きな進展。だけど、特に進展させなくても、このまま、まったりと進んでいくだけでもいいと思ったりする今日この頃だったり。

[ 2006.10.07 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる クリスクロス /今野緒雪

ご無礼とかなんとか、時代劇かいっ!!(笑)

瞳子との問題を引きずりながら、バレンタインイベントへ。や、バレンタインのチョコ受け渡しネタは、各姉妹たちともに、読んでてとにかくニヤニヤしまくり。素晴らしいバレンタインでした。肝心の瞳子問題に関しても、イベントと絡めて見せて、相変わらず、今野緒雪は巧いなぁ。終盤は唐突なんだけど、そこは、次回でフォローが入るのかしらん。いかにも、次巻への引きを計算に入れた見せ方だしなぁ。

[ 2006.12.25 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる あなたを探しに /今野緒雪

まったり。や、バレンタインイベントもいよいよ結果発表。そして、祐巳の妹問題はついに決着するのかっ!! という感じの内容なのだけど、なにかイベントが発生しても、「いつも通り」と言ったほうがいい感じで、もはやストーリーは、どうでもいいや。<をい。それよりも、雰囲気が非常に良かったです。なんといっても、祐巳と瞳子の二人が素晴らしいっ!! 特に、バスとかっ!! 綺麗な見せ方だなぁ。

[ 2007.04.03 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる フレーム オブ マインド /今野緒雪

[雑誌]『Cobalt』掲載分の番外編を集めた短編集と、それらを繋ぐように各短編の合間に蔦子メインの『フレーム オブ マインド』を挟み込んだ内容。各短編ともすごく短いので、あまり感想として書くこと無いんだけど(^^;、それでも印象に残ったのは『不器用姫』がせつなくて良かったです。蔦子メインの『フレーム オブ マインド』もきちんと計算して組み立てられた予定調和な内容で良かったですなぁん。

[ 2007.07.02 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 薔薇の花かんむり /今野緒雪

やぁぁぁーーーーーーっと、祐巳と瞳子が姉妹に。長かったなぁ。

そゆわけで、祐巳と瞳子の儀式からはじまり、「三年生を送る会」「紅薔薇さま黄薔薇さまお別れ会」へと。もっと祐巳と瞳子のラブラブメインの話になるかと思ったら、そこはわりとあっさり気味で、むしろ、いよいよお姉さま卒業へのカウントダウン、といった感じかしらん? や、「紅薔薇さま黄薔薇さまお別れ会」のラストの描写が非常に綺麗だよなぁん。そして、祐巳の描写がほんと巧いよなぁ。や、今から卒業式がほんとに楽しみです。

[ 2007.10.01 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる キラキラまわる /今野緒雪

みんなそれぞれ遊園地デートへ。しかし、どの組もムードは暗く……。と、『マリみて』らしいトラブルと仲直りの話。トラブルがあっても、多少重いネタでも、最近の『マリみて』は、いつも通りのまったり風味だよな。……しかし、乙女が「リバース」ってのはどうよ(笑)。

[ 2007.12.28 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる マーガレットにリボン /今野緒雪

サブタイトルがサブタイトルなので、岡田あーみんリスペクトかと思ったら、違っていて残念。<をい

短編集。雑誌掲載分のまとめではなく、オール書き下ろしということなんだけど、まあ、いつも通りかな。「青い傘の思い出」は多少毛色は違っていて、物珍しい感もあったけど。シリーズ全体でのストーリー構成で言えば、卒業式前のタメ的な一冊。……今回は、ストーリーで読ませるより雰囲気で魅せる傾向が強いと思ってるのだけど、それにしては、ちょっとイベントあり気なのが気になるところ。もっと、日常日常した内容の方が良かったと思うんだけどな。

そいえば、あとがきによると、“祐巳・祥子編もそろそろゴール”ということなんだけど、卒業式以降も、瞳子・祐巳編として続くということなのかしらん?

[ 2008.04.03 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 卒業前小景 /今野緒雪

綺麗だなぁ。タイトルの通り、卒業式前日を描いた連作短編。卒業式前日の空気をさまざまなキャラの視点で描きつつ、最後に祐巳と祥子の二人に落とし込む構成は、ほんとに巧いよなぁ。淡々とした筆致なのに、ラストは泣ける泣ける。卒業式前日の淋しさをしみじみと描いた、ほんと綺麗な一冊でした。……次回でとうとう卒業なのかぁ。

[ 2008.10.13 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる ハロー グッバイ /今野緒雪

祐巳・祥子編、終幕。なんだか美味しいところは、全て由乃が持ってった気がしますが(^^;。

いよいよ、祥子が卒業。ということで、実質的には最終巻と言っても良い、落ち着いた余韻を感じさせる一冊でした。最後の“了”の文字がとにかく感慨深い。……内容的には、もっと感動的にストーリーを盛り上げる構成にしてくるのかと思ったのだけど、むしろ淡々と、今までの34冊を噛み締めるような内容で、これはこれで良いかな。ただ、当然、祐巳&祥子に焦点を当ててくるのかと思ったら、むしろ由乃がメインだったりして、そこは、正直、どうよ。まあ、なにはともあれ、長かったこのシリーズも一区切り。今更言うまでもないけれど、ホント、素晴らしいシリーズでした。

[ 2009.01.09 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる リトルホラーズ /今野緒雪

『マリみて』で SFだと……。雑誌掲載分の短編を纏めたものなのだけど、そのためか、いつもの『マリみて』とはかなり違う。全体に、なんか暗いぞ。

祥子卒業で一旦完結した『マリみて』の最新刊は、SF(すこし不思議)を集めた短編集。“ごきげんよう”もなく、『マリみて』としては、かなり異色と言ってよい内容。薔薇ファミリーがメインの幕間劇「リトルホラーズ」こそ いつもの雰囲気なのだけど、それ以外は、舞台こそリリアンなのだけど、内容はまったく別物。これはこれでアリだとは思うけれど、うわぁ~、「ワンペア」とか、すげー暗くて怖い~~。好み的には、「ハンカチ拾い」が綺麗で好きかしらん。

[ 2009.07.06 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 私の巣 /今野緒雪

素晴らしい素晴らしい。いつもの主要メンバはほとんど登場しない番外編でしたが、『マリみて』の雰囲気はそのままに、むしろ、いつも以上に綺麗で暖かい短編でした。

精神的な原因で頻繁に立ち眩みを起こしていた朝倉百は、ある日、運ばれた保健室で、保険委員の筒井環と出会う……。というわけで、いつもの山百合会ではなく、一般学生の百と環の一年を綴った内容なのだけど、ほんとに綺麗で優しさの伝わる内容でした。行動的でいたずら好きな環と常識的な百の組み合わせがグッド。その二人の家族たちも、非常に優しく暖かく、ほんと読んでて気持ちが良かったっ!! そして、たまに少しだけ顔を出す本編の内容も興味深く面白くて、いやぁ、ほんと良い読みきり短編でした。

[ 2010.01.23 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる ステップ /今野緒雪

最高傑作級ぅ~。あとがきのネタも含めて、とにかく非常に愉快な作品。いやもう、一発ネタみたいな面白さではあるのだけど、にやにやがとまらなぃぃぃぃぃっっっ!!

親友の律から「おつき合いしている男性がいる」と告げられた佳月は……。というわけで、舞台こそリリアン女学園であるものの、いつものメンツは誰も出ないどころか、男女の恋愛をメインに添えた異色の一冊。それでもやっぱし、いつも通りの『マリみて』で、親友同士の友情を扱った作品としては非常に綺麗な読みきりとして仕立ててあります。やっぱし、このファンタジーとしか思えない二人の想いの美しさが『マリみて』の真骨頂だよなぁ。……そして、あとがきの問題に関するネタに大笑い。最後まで読めば気づくように作られてるのだけど、仕込み方が巧いよなぁ。

[ 2011.01.04 ]


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる フェアウェル ブーケ /今野緒雪

ひさびさの『マリみて』新刊は雑誌掲載分を纏めた短編集。これで未掲載のストックもなくなったということなので、実質ラスト、次が出ても数年後ということかしらん? とりあえず、「おっぱいクッキー」という異質なタイトルの短編に期待したりもしたのだけど、中身はいつも通りの『マリみて』でした。

そゆわけで、8編からなる短編集だけど、先生とハーブで綺麗に一本筋の通った一冊に纏めてあるのは、相変わらず巧いよなぁ。基本的にはいつも通りでまったりとした雰囲気の内容だったのだけど、オチで「それはどうよ?」と思ったのが「卒業式まで」。やはり印象的なのは、祥子さまも登場する「薬香草茶話」。やはり卒業したといっても祐巳と祥子の二人の話が、いちばんしっくりくるよね~。

[ 2012.05.03 ]