しずるさん


富士見書房 富士見ミステリー文庫
しずるさんと偏屈な死者たち /上遠野浩平

しずるさんとよーちゃんの関係は美味しいのだけど、魅力的なのはそこだけで、全体には、いまいち。や、さすがに、上遠野浩平なので、それなりには上手いのだけど、ただそれだけ、という印象。富士見ミステリー文庫には、珍しく<をい、きちんと、ミステリの形式なのだけど、ミステリとしては、さすがにもちっと捻りがないと、面白くないと思う。そもそも、もっと、しずるさんとよーちゃんの二人に焦点を当てた構成にしないと面白くないと思うのだけどなー。

そゆわけで、病床のしずるさんが、お見舞いに通っている「よーちゃん」の話を元に、事件を解決するという、いわゆる安楽椅子探偵モノ。“その辺は空想で補うから、大丈夫よ”に、ちょいウケ。本編のミステリより、幕間の「はりねずみチクタのぼうけん」の方が、おもしろいかしらん。<ちゅうか、だから、もっと、しずるさんとよーちゃんの二人に焦点を当てないとー。

[ 2003.06.21 ]


富士見書房 富士見ミステリー文庫
しずるさんと底無し密室たち /上遠野浩平

上遠野浩平は非常に巧いんだけど、この作品はおもしろいかと言われると、やっぱり、びみょー。しずるさんとよーちゃんの関係は、とても楽しいんだけどねー。途中に挿入される「はりねずみチクタ、船にのる」もおもしろいんだけど、やっぱ問題は、肝心のミステリパートが、どうにも、微妙な内容なのが(^^;。

それにしても、しずるさんって、こんなに可愛いかったっけ?(^^; よーちゃんもだけど、キャラ的には、非常に美味しいなー。

[ 2004.12.18 ]


富士見書房 富士見ミステリー文庫
しずるさんと無言の姫君たち /上遠野浩平

内容はいつも通りで、相変わらず巧いんだけど、やっぱり微妙なシリーズだなぁ。や、ミステリー風に描かれているけれど、決して謎解きを楽しむように作られてるわけではないし、個々の短編にはストーリーらしいストーリーはなくて、つまり、しずるさんとよーちゃんの雰囲気を味わうのが正しい楽しみ方なんだろうけど、う~~ん。……チクタの話は大きな動きがあったし、シリーズとしても、今後への伏線がいろいろ貼られたりして、そこはちょっと気にはなるんだけど。

[ 2006.12.23 ]