ウィザーズブレイン


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレイン /三枝零一

傑作。とにかく、すばらしい。泣ける、おもしろい~~。世界観もグッドだし、ああぁ、もう、ほんとたまらないお話だよ~~~。

↑って、ごめん。傑作というより、とことんあたし好み、というほうが正しい予感。ストーリー的には、オーソドックスだし、それでいて、こなれているわけではないから。いや、でも、フィアかわいいし、泣けるし、とにかく、すげ~好き。ああ、こういうシナリオの一直線なゲーム、誰か作ってくれないかなぁ。<どういう評価だ(^^;

内容的には、ある種典型的なボーイミーツガール。22世紀の戦争で荒廃した世界が舞台で、「うわっばか!膝枕はやめろ!」とか「ありがとう、お兄ちゃん!」とか「錬さん!ありがとうございます!」とか、とにかく泣けるストーリー。“ただ守りたい人のため少年は運命に挑む”(<帯びより)、これっすよ、これ。くぅ~。

[ 2001.02.15 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインII 楽園の子供たち /三枝零一

気象衛星の故障と世界大戦の結果、滅亡の迫る世界。そんな中、空に浮かぶ大戦前の研究施設が発見され、その調査を請け負ったお人好しな便利屋ヘイズ。……震えが来るようなストーリー展開。前巻もめちゃくちゃたまらなく好みだったけど、やはり、最高傑作っ!!

まあ、多少、展開に無理はあったり、道具立てが上手く使えてなかったり、さらに主人公の心情が、作者のそれと分離できてない感があったりと、粗も多いのは否定しないけれど、小説のおもしろさって、そういう部分ではないよね。最高傑作というよりも、ただひたすら好きな小説、という方がしっくり来る気もするけど、いや、とにかくおもしろいよ~。

前作の登場人物は一人も出てこないのだけど、作品の雰囲気はそのまま。むしろ今回は、閉鎖空間で登場人物も少なく抑えいて、より卑怯になってる感じ。絶望的な世界の中で、ひたすら相手を想う登場人物の姿は、やっぱいいわ~。

あとがきによると、次回も舞台が変わるのかぁ。……はじめから、かなり長編狙いな組み立て。一応、新人なのだけど、大丈夫なのか?<いや、あたし的には、すごく好きな作品なので、良いのだけど。

[ 2002.01.15 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインIII 光使いの詩 /三枝零一

はうはうはう~、素晴らしい、面白い、めちゃ良いぃ~~っ!! 最高傑作ぅ~~っっっ!!

『ウィザーズ・ブレイン』は、今、継続中のシリーズの中で、いちばん好きなシリーズの一つなのだけど、やっぱ、めちゃくちゃ、すげ~良い。哀しく不器用な母娘と姉弟の話で、読んでて、すごく痛いのよ~。ストーリー的には、お約束&期待通りの展開なのだけど、だからこそ、素晴らしい。セラちゃん、泣ける~~。クレアも泣ける~~。もうもう、ゾクゾク。凄いよ~~。もう、ほんと、めちゃくちゃ面白かった~~。

あとがきによると、次回は、今までのキャラが再登場かぁ~。すごく期待、めちゃ期待。いや、三枝零一って、決して上手いというわけでもないけど、わりと安定してるし、次巻も、すごく楽しみ~~。

[ 2002.10.10 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインIV 世界樹の街(上) /三枝零一

早く続きを出せっ!! <来月出ます。 や、おもしろい、とにかく、おもしろいっ!!

電撃では、いちばん面白い作品の1つ『ウィザーズ・ブレイン』。絶望にたそがれる世界で、それでも、懸命に生きようとする少年少女の話。今回は、上下巻に分かれてるので、「おいっ、これで終わりかよ~~」という感想が先立つけれど、でもでも、やっぱりとにかく面白い。なにより、またまた、痛くて泣ける話かよ~~。今まで、各巻ごとに登場人物を代えてきた構成も、ここに来て、1巻の錬&フィア、2巻のヘイズ&ファンメイの直接対決。や、ほんとに、面白い~~。はやく、続きを~~~。

[ 2003.12.14 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインIV 世界樹の街(下) /三枝零一

相変わらず、面白い~~。のだけど、既刊に比べると、ちといまいち風味(^^;。や、今までは、その巻でほぼ完結してたのが、今回は、今までの話を今後に展開させる要素が強いので、まあ、仕方ないかしらん。

そゆわけで、絶望の見える世界で懸命に生きる魔法少年少女の泣ける話の第4弾。1巻の錬&フィア、2巻のヘイズ&ファンメイの出会いが今回の軸だったのだけど、ヘイズが強すぎて、微妙に、作者も苦労している予感(^^;。というよりも、いまいち各キャラの能力を、上手くストーリー上で見せきれてない感じかしら。……今後、3巻のセラやディーも合流してくることを考えると、そこら辺、ちと心配だったり。

[ 2004.01.14 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインV 賢人の庭(上) /三枝零一

あああああああう~~。いや、もうもう、最高傑作級ぅ~~。ほんとに、やっぱり、優しくせつない内容で、くうぅ~~、素晴らしい~~。今回は、上巻と言うことで、つまり話は続いてるわけで、や、とにかく、さっさと続きを読ませろ~~。

そゆわけで、絶望的な世界で懸命に生きる魔法少年少女の感動ストーリー第5弾。3巻のディーとセラが再登場なのだけど、もう、ほんとに泣ける、たまらない~。あとは、新キャラのツーテイル少女サクラが、これがまた、ツンデレ系なアレでソレで、めちゃ美味しいキャラなわけよ。あの態度が、もうもう、うきぃ~~~~~~。……とにかく、続きが非常に楽しみ。あああぁ、早く続きが読みたい~~。

[ 2005.05.12 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインV 賢人の庭(下) /三枝零一

うわ~、熱いっ熱いっ、熱すぎる~~。大切な何かのために生命を賭けた闘いの連続で、くぅ~~~。相変わらず、『ウィザーズ・ブレイン』らしい内容で、非常に面白かった~~。

そういうわけで、めちゃくちゃ分厚いよっ!!<をい。いや、上下じゃなくて、上中下と三分冊にすべきだったんじゃ(^^;。……それはともかく、1冊キビシイ戦闘の連続で、ほんとに非常に熱い内容でした。何度も泣きそうになったりもして。

ただまあ、この巻は、作者の都合でキャラが動いてる感が強かったのが、ちょっとマイナスかしらん。いや、作者の意図はわかりやすかったのだけど反面、行動に至る描写や理由、性格付け辺りの描き込みが、微妙におざなりだった予感。もしかして、ページ数が気になるような作りがマイナスに働いてるんじゃないかしらん(^^;。

なにはともあれ、これで序章は終わり、いよいよ本編っ!! 続きがめちゃ楽しみだ~~。<しかし、7冊かけて、“準備は整いました”って、いったい、ラストまで何冊かけるつもりだ(笑)

[ 2005.09.13 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVI 再会の天地<上> /三枝零一

うわぁ~、各巻で主役を務めたキャラたちが勢ぞろいして、敵味方へ分れてのバトルっ!! 哀しい世界の状況を背景にして、優しい故に闘わざるをえない魔法士たちという、いつもながらの『ウィザード・ブレイン』の展開。まだ、物語の導入でしかないのに、非常に面白かったです。やっぱり、すごく好きだわ、この作品。

マザーコアの賛成派と反対派が対立する『シティ・ニューデリー』。サクラたち『賢人会議』は、反対派との共闘を目指し、『シティ・ニューデリー』へ。一方、行方不明の兄姉を探す錬とフィアも、数少ない手がかりである『賢人会議』の噂を聞き、ヘイズとともに『シティ・ニューデリー』へ向かう。……とにかく、この上巻は、ストーリーの導入でしかないのだけど、それでもホントに面白い。とにかくもう、下巻に期待っ!! さっさと続きが読みたい~~。

[ 2006.12.21 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVI 再会の天地<中> /三枝零一

敵同士で仲良くしすぎだろっ!! や、もともと作者の都合でムリヤリ敵味方に分かれてる、みたいな部分があったのだけど、さすがにこーなると不自然すぎるよなぁ。う~ん、アニルなり真昼なり策略を組み立ててる側の理由を示して、もちっと納得させて欲しかったです。……いや、それでも十分面白いし、続く下巻できちんと納得できる理由を示してくれるのかもしれないけれど。

そゆわけで、マザーコア賛成派のアニルの側に集まったヘイズ、錬、フィア、イル、月夜、クレア。反対派のルジュナの側に集まったサクラ、真昼、ディー、セラ。余命が少ないことを知りマザーコアになる決心をした兄・アニルと、それを止めようとする妹・ルジュナの二人を軸に、それぞれの陣営の想いが交錯する……。そろそろ、シリーズ全体の行く末も見え隠れしてきたわけだけど、とにかく、続く下巻に期待っ!! そして、続きがさっさと出ることを願ってます(^^;。


メモ

大気制御衛星の暴走により極寒の地獄と化した世界。人々はドーム型都市「シティ」に縋って生きていた。しかし、「シティ」は、魔法士の犠牲の元に、機能を維持しているのだった……。多数の人を救うために悲しみながらも犠牲を容認しつつ生命を賭ける人たちと、たった一人の犠牲も容認できず犠牲になる魔法士を護るために生命を賭ける人たちの闘い。

大気制御衛星:
すべての元凶。北極と南極に一機ずつ存在する。物語世界の12年前、2186年に突然暴走し、遮光性気体を撒き散らしたことにより、世界は冬の時代に突入する。遮光性気体のもたらした分厚い雲は、日光を遮るだけではなく、高レベルの電磁場に満たされていて、通常の航空機の飛行も不可能にしている。

情報制御理論:
天樹健三、エリザベート・ザイン、アルフレッド・ウィッテンの三名によって、編み出された理論。世界を満たす情報を書き換えることで現実世界に影響を与えることが出来る、としたもの。大気制御衛星が暴走する3年前に、理論が完成された。

I-ブレイン:
脳内に形成された生体コンピュータ。それまでの量子コンピュータの数百~数千万倍に及ぶ演算能力を持ち、その莫大な演算能力を駆使して世界の情報を書き換えることで、現実世界にまで影響を与える「魔法」を行使できる。通常は、一人一つの固定した能力のI-ブレインしかもてない。例外は、二つのI-ブレインを持つのがディー。書き換え可能なI-ブレインを持つのが錬とサクラ。

シティ:
冬の世界でも人類がふつうに生存可能なドーム型都市。一つのシティに1,000万人以上生存可能。シティの機能は「マザーコア」により維持されるが、マザーコアとは、魔法士のI-ブレインをパーツとするもの。かつては、2,000以上のシティがあったが、大気制御衛星暴走後に発生した第三次世界大戦により、大きく数を減らす。現存するシティは、ベルリン、モスクワ、マサチューセッツ、ロンドン、ニューデリー、シンガポール。

I. ウィザーズ・ブレイン

錬は、神戸シティに輸送される実験サンプルの奪取の依頼を受ける。サンプルとは、フィアと名乗る少女だった。神戸シティの命運とフィアの生命を賭け、神戸側の騎士・祐一と錬との戦いがはじまる。

天樹錬(元型なる悪魔使い):
天樹健三の最高傑作。本来、単一の能力しか使用できない魔法士の中で、他の魔法士の能力をコピーして複数の能力を使用することが可能。兄・真昼、姉・月夜とともに、便利屋を営む。

フィア:
マザーコアの素体として作られた少女。『同調能力』によって相手を無力化することができる。神戸のマザーコアになるところを錬に救われ、その後は、錬と行動をともにするようになる。実はまだ三歳。ライトノベルでも最年少クラスのヒロイン。

黒沢祐一(黒衣の騎士):
大戦の英雄で、騎士剣『紅蓮』を操る最強の騎士。神戸崩壊以降は、一時、ディーとセラの二人と行動をともにするが、ディーとセラが『賢人会議』に参加することで、二人と袂を別つ。

天樹真昼:
天樹健三を父に持つ天才プログラマ。月夜とともに『異能ならざる双子』と呼ばれている。『賢人の庭』以降、『賢人会議』の参謀役となる。

天樹月夜:
真昼と双子の天才エンジニア。『賢人の庭』でイルに捕らえられ、シティ・モスクワの捕虜となる。

II. 楽園の子供たち

フリーの便利屋・ヘイズは、ヒラヤマ上空の実験施設「島」から、実験データとサンプルを持ち帰る依頼を受ける。その「島」で、ヘイズは4人の少年少女と出会う。しかし、その4人には哀しい運命が待ち受けていた。

ヴァーミリオン・CD・ヘイズ:
世界に三機しか存在しない雲上航行艦の一つ『HunterPigeon』のマスター。演算能力に特化したI-ブレインを持ち、その演算能力を利用した「指ぱっちん」を駆使して戦う。

ファンメイ:
対騎士用生体制御特化型魔法士『龍使い』。体を構成する「黒の水」を操り攻撃を行う。「島」からヘイズにより救い出された後、しばらくは、ヘイズと行動をともにするが、「黒の水」の暴走が進み、シティ・ロンドンのリチャードに預けられることとなる。

III. 光使いの詩

シティ・マサチューセッツの魔法士・ディーはテロリストを追う途中で少女・セラと出会い、そして惹かれあう。しかし、そのセラの母・マリアこそ、ディーの追うテロリストだった。一方、マリアからの手紙を受け取った祐一は、マリアを訪ねシティ・マサチューセッツに向かうのだった。

ディー (デュアルNo.33):
双子の騎士剣『陰』と『陽』を操る。I-ブレインを二つ持つ規格外で、騎士の弱点を克服している。シティ・マサチューセッツを脱走、姉・クレアと決別し、セラ行動をともにするようになる。のちに、サクラと出会い、『賢人会議』に参加する。

セラ:
遠距離戦闘では強力な時空制御特化型魔法士『光使い』の後継。荷電粒子砲を駆使して戦う。母を亡くした後は、ディーとともに行動するようになる。

クレア (千里眼No.7):
シティ・マサチューセッツ所属。情報収集能力に特化した『千里眼』の持ち主。世界に三機しか存在しない雲上航行艦の一つ『FA-307』のマスターで、シティ・マサチューセッツを脱走した弟・ディーを気にかけている。

IV. 世界樹の街

打ち捨てられた施設を調査していた錬とフィアは、シティ・ロンドンを脱走したエドと出会う。エドは、母・エリザベートの残した世界樹の種を発芽させためにロンドンを脱出したのだった。世界を救う可能性を秘めた世界樹の種を発芽させようとする錬とフィア、エドの前に、シティ・ロンドンの追っ手として、ヘイズとファンメイが立ちはだかる。

エド:
エリザベート・ザインの生み出した最高の人形使い。人形のように自我に乏しいため、ロンドン軍に利用されていた。世界に三機しか存在しない雲上航行艦の一つ『ウィリアム・シェイクスピア』のマスター。無数の螺子を操る攻撃を行う。『世界樹の街』以降は、ファンメイとともにシティ・ロンドンのリチャードのところへ。

V. 賢人の庭

祐一、ディー、セラは、マリアの雇用主『賢人会議』の手がかりを求め、崩壊したシティ・メルボルンの跡地へ。一方、真昼と月夜は、旧友の依頼でサクラとコンタクトする。サクラこそ、シティと敵対するテロリスト『賢人会議』だった。そして、『賢人会議』を情報を掴んだシティ・モスクワも、軍をメルボルン跡地に差し向けるのだった。

サクラ:
『賢人会議』を名乗り、魔法士の子供達を救うためにシティと敵対するテロリスト。錬と同様、新たな能力を生み出す『悪魔使い』の能力を持つ。

イル(幻影No.17):
シティ・マサチューセッツで生まれ、今は、モスクワ軍所属。量子力学を制御し存在確立を改変できる脅威の能力を持つ。

[ 2007.04.10 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVI 再会の天地<下> /三枝零一

すげー、すげーよ、その展開っ!! 中央召集会議での弁論と、その後の熱い戦闘。『ウィザーズ・ブレイン』らしく、綺麗な気持ちを持った人たちの熱く泣ける話に仕上がっていて、ホントに良かったです。

先の短い自分の生命を犠牲にし、マザー・コアになろうとするアニル。そんな兄の想いを知りつつも、理想のためにマザー・コアの交換を阻止しようとするルジュナ。歴代の登場人物たちも両陣営に別れ、いよいよシティ・ニューデリーの命運が決まる。

と、そんな感じで、ほぼオールキャストが両陣営に別れて、ガチの頭脳戦に、魔法対決に、さらには艦隊戦まで。どんだけ凄い闘いですかっ!! さらに悲惨さを増した世界の中、熱く、そして悲しい話が、ほんと素晴らしいです。その中で、特に素晴らしかったのが、会議での真昼の発言と策略で、ほんとゾクゾクするよなぁ。ただ、前巻でも感じたのだけど、両陣営に別れて闘うには、かなり無理があると思うのだけど、まあ、そうしないとバトルにならないので、仕方ないかなぁ。個人的にはバトルよりも、みんな一緒になって、仲良く笑いあった姿を早く見たいという気持ちもあるんだけどなぁ。

[ 2007.10.11 ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVII 天の回廊<上> /三枝零一

オールキャスト揃い踏みで、いよいよ大気制御衛星の謎へ。くうぅぅぅ~~~~~っ!! と、相変わらず、面白いんだけど、ただ、ちょっとストーリー展開は、強引で無理があるよなー。どうにも、作者の意図通りに状況を作ろうとするあまり、突っ込みどころ満載になってる予感……。

賢人会議とシティ・シンガポールが、同盟に向けて会談を行う。会談の場所は、シティ・ロンドンの勢力圏にある北極。その北極には、大気制御衛星に纏わる秘密が眠っていた……。というわけで、シティ・ロンドン所属のエドとファンメイも、『賢人会議』絡みの対立に本格参戦。オールキャストが敵味方にわかれて戦闘、というのは、前回の『再会の天地』同様なんだけど、ただ、すでに互いに傷つけないこと前提みたいになっているので、ちょっと間が抜けてるよなー。

それにしても、あの展開では、雲上航行艦の立場はいったい(^^;。や、大気制御衛星と魔法士の謎にも、かなり近づいてきているようにみえるのだけど、そろそろクライマックスなのかしらん?

[ 2008.10.19 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVII 天の回廊<中> /三枝零一

町の老人たちは、さっさと死んでしまえっ!! と思ってしまった私は、やはり、人でなしでしょうか(^^;。

大気制御衛星に転送されてしまった錬、フィア、サクラ、イル。町の老人たちに捕らえられたセラ、エド、ファンメイ。そして、ヘイズ、クレア、祐一、真昼、月夜らが、みんなを救うために共闘を始める……。という感じで、いよいよシリーズの根幹に関わる魔法士と大気制御衛星の秘密に迫る本作。まあ、いろいろとネタを仕込んでるけど、ほとんど次巻へ持ち越しなんで、何はなくとも、次巻だ次巻っ。次をさっさと読ませろぉぉぉっ!!

[ 2009.02.15 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVII 天の回廊<下> /三枝零一

うわぁ、何だその引きはっ!! そして、メインは過去編。ウィッテンとアリスの物語が、とにかく、せつないぃぃぃ~。

大気制御衛星に残されたウィッテンとアリスの物語。今、魔法士誕生の秘密が明らかに……。という感じで、悲劇が待ち受けていることがわかっている過去編だけあって、ウィッテンとアリスの純粋な恋愛ストーリーが、せつないせつない、とにかく、せつない。結婚式に人形に、えぐえぐ(T-T)。……そして、現在側の展開は、今後への含みを持たせた内容で、真昼以外の活躍が見られなかったのは残念ではあったけれど、うわぁ、あのラストは、また犠牲を強いる選択を選ばせるのかぁ~~。いやぁ、これぞ、『ウィザーズ・ブレイン』と言えるような、優しく切ない展開で、今後がすげー楽しみだなぁ~~。

[ 2009.06.16 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVIII 落日の都<上> /三枝零一

ぐはっ、真昼の策略通りに良い方向に変わりつつある世界。しかし、劇薬のような変化の先には、転落が……。全滅エンドへの序章かぁぁぁぁっっっ!! <をい

賢人会議とシティ・シンガポールの同盟は、無事に、成就できるのか……。という感じで、魔法士の超バトルより、策士の頭脳戦がメインになりつつある最近の展開。すでに、主要キャラはみんなで仲良く世界を救おうというノリの中、うわぁぁ、予定調和ではあるものの、物語全体の、非常に大きな分岐ポイントに見えるラストに、とにかく、続きが読みてぇぇぇっ!! や、刊行ペースが遅いこの作品で、続きはいつだ(^^;。

[ 2010.05.14 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVIII 落日の都<中> /三枝零一

今までのウィブレだと、すでに、シティ・シンガポールの死亡フラグが立ってしまってるような状態だと思うんだけど、うわぁ、どう決着つけるつもりなんだ。わりと明るい兆しが見えはじめてただけに、このままハッピーエンドに突き進むのかと思ってたよ。……や、なんの犠牲もなく決着がついても、それは、ウィブレらしくないんだけど。

シティ・シンガポールと賢人会議の同盟締結を前に、凶弾に倒れる真昼。調印式の行く末と各勢力の思惑は……。と、真昼銃撃という衝撃の前巻ラストだったわりに、なんだかまったりとした展開(^^;。しかし、そろそろラストの絵姿が見え隠れし始めているのに、それぞれの正義を行使することで発生する悲劇、というコンセプトはそのままっぽいので、ほんと今後の展開が怖いなぁ。やぱし、全滅エンドなのか?

[ 2011.02.21 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVIII 落日の都<下> /三枝零一

うわぁ、そんなキツイ展開は予想してなかった(T-T)。シティ・シンガポールと賢人会議の同盟締結を目前にして反対派に拉致された真昼。サクラたちは、無事に真昼を救い出し、同盟を締結することができるのか……。

と、マジにまさかの展開ですよ。滅茶苦茶せつない。なんといっても、一般市民も元神戸の二人も、むしろ「よかった」と思っているのがなぁ。誤解されたまま正義は救われず、悪に報いもないとか、せつなすぎるよっ。神戸の人は、やらかしたことの重さに後悔して絶望しながら死んでいくとか、シンガポールは全滅とか、そういう展開が見たかったっ!! いや、今からでも、ほとんどのシティが滅ぶような展開が希望。<をい

しかし、『ウィザーズ・ブレイン』は、絶望的な世界の先に感動的なハッピーエンドが目に見えるような物語だったのだけど、今回の展開で、どうなるんだこれ? いきなりハッピーエンドが遠くなった気がしてならないのだけど(^^;。賢人会議側に真昼以外の頭脳労働担当がいないのがツライ。真昼が先も見越して全て手を打っているんだったら、感動的な展開なんだけどなー。

なにはともあれ、あと残りのエピソードは二つか。今回出版されるまで、三年もかかっているし、ちゃんと続きが出てくれるのかが問題だけど。

[ 2014.02.23 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインIX 破滅の星<上> /三枝零一

ここには、もう、絶望しかない

天樹真昼の死をきっかけにした、賢人会議と人類との全面戦争。少し前まで、悲劇的な世界に微かな光が見え隠れしていただけに、いっきに破綻に突き進む展開が、まさに絶望ですよっ!! 魔法士と人類の共存がもはや望めなくなったばかりか、主要キャラが敵味方別れて殺し合いを行う展開。凄まじすぎるっ!!

賢人会議にサクラ、ディー、セラ。シティ側にイル、ファンメイ、エド。世界再生機構に祐一、クレア、ヘイズ。あとは、どっちつかずの錬とフィア。たまに忘れるけれど、祐一以外は、だいたい幼児小中学生ぐらいなので、小中学生が世界の命運を担っているとか恐ろしいな。特に、描かれていない構成員も含めて、たぶん凄く低年齢な賢人会議。主要な魔法士の中で唯一大人な祐一は、シスター・ケイトやルジュナのように政治力を持ってないし、若者らしい勢いもないので、かなり不遇な扱いで酷い。最強なのに……。

サクラの言う全人類の殲滅は、たぶん、人類皆殺しではなくI-ブレインの移植による全人類の魔法士化辺りが狙いじゃないかと推測してるのだけど、それにしては、問題を解決するような伏線がまったくないどころか、むしろ周到に希望の芽を摘みまくってるのが酷い。真昼の遺言を見て決断した辺りで、少なくとも、本気で人類皆殺しを考えているわけではないと思うのだけど……。

しかし、真昼の遺言は、サクラと錬宛てだったハズなのに、錬は見せてもらってないばかりか、トバッチリ受けまくりで、さらに、なじられるとか、錬が不憫すぎるなっ!! てか、フィアはどうなる!?

[ 2014.12.20 ]


KADOKAWA 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインIX 破滅の星(中) /三枝零一

9年ぶりの新刊っ!! まずは出たことが凄いっ!!!

9年ぶりというとストーリーもかなりうろ覚えになってしまっているけど、確か、気象衛星の暴走により凍りついた未来を舞台に、数少ないドーム型都市・シティに籠もり魔法士と呼ばれる脳に生体コンピュータを埋め込まれた少年少女の犠牲の上で滅びを先延ばししているだけの人類。そんな世界を救うために暗躍していた天城真昼が暗殺。世界が一つに纏まれば世界は救われると希望を見せておいてからの一転、人類の絶滅を加速させる人類を代表するシティ連合と魔法士を代表する賢人会議の全面戦争ですよ。そして、賢人会議は鍵となる南極の気象衛星を奪取し、魔法士を除く全人類の殲滅を宣言する、というのが前巻までの話か。

全面戦争といっても、シティのいくつかは中立を保ったり賢人会議も市民の大量虐殺のようなことは行わないと思っていたのだけど、もう、どうしようもなくなっている……。この世界、人類は魔法士に寄生するだけのダニで真昼を殺して同盟を潰した人類は自業自得で滅ぶべしだと思うのだけど、結局、戦い傷つきボロボロになるのは、シティ側と賢人会議側で別れて戦う魔法士ばかりというのが辛い。いや、描写されないだけで人類の大量虐殺が絶賛進行中なのはわかるんだけど、真昼を裏切った戦犯のシティ・シンガポールをはじめ、すごく市民側の存在感が希薄で、世界の危機なのに何も行動してない感が酷い。マジ、全ての魔法士は人類を見捨てて、さっさと魔法士以外の人類は滅ぶべしだと思う。

さて、『IX』の下巻は来月すぐに出るみたいだけど、最終巻は『X』なのか……。

[ 2023.04.24 ]


KADOKAWA 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインIX 破滅の星(下) /三枝零一

いろいろと納得できず消化不良で、どうにも読むのに時間がかかってしまったのだけど、……クソじゃね?

いや、好きな作品なので肯定的に解釈したかったのだけど、どうにも酷い。前巻のラストで、ろくに説明もなく「シティ連合側も賢人会議を絶滅させれば生き残れる」と言い出した時点で違和感を感じてたのだけど、流石にいろいろと納得させるだけの説明や描写が足りず、あまりに雑だ。人類側も魔法士側も今すぐ相手側を殲滅しないと生き残れないという構図を作りたい作者の意図はわかるんだけど、もうちょっと丁寧にやろうよ。で、世界再生機構も「これ以上犠牲が出ると停戦は不可能になる」みたいなことを言い出すんだけど、今までの戦闘ですでに血が流れすぎていて、今更、多少犠牲が増えても変わらねぇよ。シティ二つ潰してるんだぜ? もう、そんなラインはとっくに超えてるんだよ。

これだけ世界が追い込まれた状況を作ってしまうと、ほんと、ここから「想い」だけで人類と魔法士が協力しましょうと言い出しても、凄く軽いんだわ。これもぜんぜん描写も過程も足りない。いや、人類も魔法士も、互いを殲滅しないと、明日には絶滅しそうな勢いで追い込まれてるんだよ? このタイミングで協力できるんなら、状況的にはシティが同盟を結成する時とか前回のベルリンの決戦の時の方が遥かにハードルは低くて、あの時、苦悩していたルジュナさんとかなんだったの?って話ですよ。台無しですよ。

練をはじめ世界再生機構も、この段になって展望ゼロでそういう選択とっても、単に自己満足で人類滅ぼそうとしてるだけのすげー利己的なバカにしか見えない。いやー、「いつか」とか言ってるけど、人類、魔法士双方とも限界まで追い込まれてて明日滅ぶかもしれないんですけど? マサチューセッツの支援ひとつとっても、もう、人類、魔法士双方ともリソース全然残ってないはずで、協力してなんとかなるレベル超えてるんですけど? もう何もかもどーしようもなくて、だから、みんな苦悩してたわけでしょ? いろいろと、あまりに雑で軽くない? そして、ラストでサクラさんも何言っちゃてんのよ。

まあ、もちろん、こんな不満も最終巻で全部解消させてくれると信じてはいるのだけど、最終巻は秋、半年後かー。

[ 2023.06.04 ]


KADOKAWA 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインX 光の空 /三枝零一

完結。完結したのは素晴らしいけど、うーん。

『ウィザーズ・ブレイン』って、一人の魔法士の少女と1000万人の市民のどちらを救うか?という典型的なトロッコ問題が絶対的なテーマで、両者を救うような奇跡は起きない絶望的な世界で悩みながらも選択をしその選択に後悔しながらそれでも前に進む、ということをずっと描いてきたわけよ。

この世界の人々に誰も悪者はいなくて、みんな本当は魔法士も市民も両方とも救いたいのに、それぞれに選択を迫られそれぞれの陣営に分かれて戦っていたのよ。で、今回の選択は、どちらの陣営を絶滅させるかという今まで以上に過酷な選択で、仮にここで第三の道を選ぶのであれば、今まで以上にきちんと説得力のある選択と結果でないとありえないと思うんですよね。

もともと人類の滅亡をわずか数十年先延ばしするためだけに魔法士の犠牲者を強いるような絶望的な世界だったけれど、シリーズ終盤で描かれた魔法士と「シティ」の戦争は、両陣営のあらゆるリソースを使い果たし、いよいよ滅亡寸前まで人類を追い詰めたわけですよ。ベルリン、マサチューセッツは落ち、シティ連合は瓦解。賢人会議も多くの負傷者と離反者をだし崩壊寸前。どちらかが勝てば気象は戻るけど、単なる引き分けは選択から逃げただけでしかなく、結局、1巻の頃と比べて凄まじく状況は後退している。そして、もちろんなにも解決してない。

うーん、結局、安易なハッピーエンド。安易なだけのハッピーエンドなんだよなぁ。

[ 2023.09.11 ]