好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!


2021 12 1

オーバーラップ オーバーラップ文庫
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで(8) /篠崎芳

怒涛の大展開っ!! アライオン王城における大魔帝と勇者たちの戦いが、ほんとにまったく先が読めず、まさに圧巻。聖の動きも驚きなのだけど、それよりも、桐原がすげぇ。正直、桐原って咬ませ犬なポジションだと思っていたんですよ。それが、ここでこの行動かよっ。まさかのまさかだよ。完全に予想も期待も超えた動きで、この展開が書ける作者はマジ凄いわ。……桐原と聖は素晴らしいのだけど、もう一人のS級勇者のいいんちょうは、いいんちょうらしいんだけど、マジに、桐原のことぜんぜん理解してなくて、ちょっと酷すぎるだろ。いやー、こんないいんちょうだと、このあと、ちょろく女神に騙されていく展開しか見えねー(笑)。

一方の主人公サイドは、異界の勇者を除くとアライオンで最強の第六騎兵隊隊長ジョンドゥとの対決。手に汗握る展開ではあるのだけど、まあ、順当。むしろ、アライオン十三騎兵隊を相手に、もっと無双しても良かったかもしれないと思ったり。

終わってみると、これで、アライオン、女神陣営が壊滅してるわけだけど、ミラ帝国と同盟を組んで、いよいよ女神に反攻していく展開かしらん。むしろ、女神側を弱体化させすぎてる気がするのだけど、いいのかこれ? って、ラストでまた、爆弾を突っ込んできたぁぁぁぁっっっ!!

[ ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで ]


2021 11 28

KADOKAWA
KADOKAWAのメディアミックス全史 サブカルチャーの創造と発展 /佐藤辰男

「ライトノベル史を語る上で欠かせない内容らしいのに非売品なので読めない」と話題だった本書が、BOOK☆WALKERで期間限定で無料配布ということで読んでみました。

著者はメディアワークス、角川グループホールディングスで社長をやっていた佐藤辰男。もともとは社史として社員向けに書かれたんだと思うのだけど、「KADOKAWAは後継者に川上量生を得て、今後、ますます発展する」みたいにも読める構成で、でも、その後の川上量生の社長退任とか夏野剛の社長就任までは語られてなくて、これ読んだら、KADOKAWAの社員は困るんじゃないか? まあ、大部分はコロナ前に書かれていたらしいんだけど。

そもそも、この社史を読むと、グループ内にここまで豊富な人材がいるのに、なんで外に人材を求めるんだ?と思わざるを得ない。角川歴彦のスティーブ・ジョブズ的なモノへの傾倒も語られているので、出版畑の人間ではなく川上量生や夏野剛に会社を託したくなる気持ちもわかるんだけど、でもさー、それって、角川春樹が映画に傾注して会社を傾けたように、角川歴彦もまたスティーブ・ジョブズ的なモノに目がくらんで会社傾けるんじゃないか?と非常に怖い。まあ、夏野剛のKADOKAWAの業績自体は悪くないのだけど。

と、最近10年ぐらいの話は、BOOK☆WALKERも海外進出もドワンゴとの提携も、成長率はともかく業績的にはそこまで結果を出してるわけではないし、そんなに面白い話ではないのだけど<をい、凄いのは、1990年代の角川書店のお家騒動からメディアワークスの設立までを、騒動のど真ん中の視点で描いてるんですよ。……角川お家騒動で電撃文庫が創刊され、角川スニーカー文庫と電撃文庫の泥沼の競争がその後のライトノベルの発展に寄与していくんで、ライトノベル史において非常に重要なイベントだったんですが、でも、KADOKAWAにとっては汚点でしかないアレを社史に書いていいんだ(笑)。ただ、編集者視点ではなく経営者視点なので、まあ、作品作りの変化みたい観点ではあまり語られてないのは残念。

さらに昔、1980年代の『コンプティーク』や『Newtype』辺りの創刊の話も面白かった。いやー、『Newtype』って、アニメブームもそろそろ終わりだよね、みたいなタイミングで登場したので、当時、創刊には違和感しかなかったのだけど、ああ、アニメブームの状況を見てたわけではなく、あくまでテレビや映画の周辺という視点しかなかったのか。『Newtype』は1985年創刊なのに、1980年代後半から1990年代前半にかけてのアニメ界への言及がごっそり抜けてる。『エルガイム』の次がいきなり『エヴァ』なんだよな。ただ、『Newtype』創刊のおかげで、サンライズから『ガンダム』の版権を獲得して初期のスニーカー文庫に貢献した、みたいな話は凄い。

ライトノベル的には、スニーカー文庫の創刊って、従来はファンタジーフェアの成功を受けて登場したといわれることが多かったのだけど、本書によれば、ファンタジーフェアの影響は小さく、むしろ、『コンプティーク』や『Newtype』のスピンオフなのか。そう考えると、スニーカー文庫って、従来のジュブナイル小説がアニメやゲームのエッセンスを取り込んでライトノベルになったみたいな言説と違って、ゲームやアニメ文化そのものの直系の子孫なんだな。これ、凄くない?

[ 『KADOKAWAのメディアミックス全史』を読んで ]


2021 11 24

KADOKAWA 電撃文庫
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(3) /佐島勤

本編、そして、一条とほのかの短編を含めた三部構成。うーん、一条とほのかの話は、完全にいまさらで蛇足感が凄い。この短編、必要? こういう無駄な話を入れてくるのは、ものすごく佐島勤らしいといえばらしいんだけど。

本編のほうは、いやいや、ちょっと突っ込みどころが酷いだろ。『魔法科高校の劣等生』の世界だと、今の平和な日本と違って、防衛大臣は今よりもずっと重要なポストだと思うんだけど、その防衛大臣がなんで論功行賞のお飾りなんだよ。大臣含めた内閣よりも元老院を国の中枢として強調したい演出だってのはわかるんだけど、その元老院の樫和も、いろいろと迂闊なバカにしか見えないんだよなー。だってさー、樫和以外の関係者は殺す殺さないって話になってるんだぜ。それで、樫和を殺すって話にならないのはすげー不自然ではあるんだけど、そもそも、この程度の案件で安易に虎の尾を踏みに行く樫和さんは、迂闊すぎて自殺癖でもあるようにしか思えない。まあ、樫和を出しておきたい物語上の都合なんだろうけど、マジにバカなの?

今回の達也のデモンストレーションも、魔法技術の有益性を示すというほどぜんぜん有益ではなく、むしろ、「大気圏外からの大質量攻撃がいつでもできる」という脅しにしかなっていないんだけど、作中では誰もそのことに触れてないのもすげー気持ちが悪い。なんだこれ?

[ メイジアン・カンパニー ]

ろぐ

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