ボクのセカイをまもるヒト


メディアワークス 電撃文庫
ボクのセカイをまもるヒト /谷川 流

「萌え」を中心にしたお約束ネタをメタ的に扱う作品で、いかにも駄作っぽい雰囲気を醸し出してるわけだけど、思った以上に面白く楽しめました。……ただまあ、メタ的な味付けは、子供だましレベルというか、単にスベってるという印象が強く、ストーリーは面白いんだけど、作品としては失敗してる感がひしひしと。

そゆわけで、平凡でとりえのない主人公が、わけもわからずに異世界の女の子から護られたり殺されそうになったりする話。まあ、妹系幼女とツンデレ系少女とのいきなり同居生活&セカイ系といったベタなネタをメタ的に味付けした作品なのだけど、ベタな内容はメタ的な味付けのせいで素材をほとんど活かせてなくて、それじゃあ、メタ的な味付けはというと、単なる表面的な味付けに留まってるので、なんとも微妙。どうにも作品のコンセプトからして失敗してるとしか思えないのがなぁ。それと、お約束なネタだからといって、必要以上に描写をサボってるのもマイナス。……まあ、キャラと設定はわりと魅力的だし、ストーリー展開は面白いので、今後に期待かしらん。

[ 2005.11.13 ]