血液魚雷


早川書房 ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
血液魚雷 /町井登志夫

最高傑作級ぅ~~っっっ!! もう、めちゃくちゃ面白かった。『ミクロの決死圏』へのオマージュで、医療系サスペンスといった趣の作品なのだけど、精緻に描写された医療現場の風景とめまぐるしく展開するストーリーで、とにかく引き込まれる内容。ほんとに素晴らしい~~。

そゆわけで、放射線科医の祥子は、心筋梗塞患者の透視画像の中に不自然な影を見つける。その正体を明らかにするため、血管内をリアルタイムに撮影する最新式の医療装置「アシモフ」が導入されることになる、といった内容。「アシモフ」以外は現実に即した内容になっているのだと思うのだけど、その医療風景がいかにもリアリティを感じるように描写されていて、さらに、生々しい人間関係とめまぐるしい展開が、ぐいぐいとストーリーに引き込みまくってくれて、ほんと、たまらない。とにかく、面白かったぁ~~。

しかし、“「このミステリーがすごい!」大賞落選作品”という煽りは、いったい、なにを言わんとしてるんだ? <そもそも「ミステリー」じゃないと思うし、すごく微妙に感じるんですけど(苦笑)

[ 2005.11.27 ]