なつき☆フルスイング!


メディアワークス 電撃文庫
なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希。 /樹戸英斗

おもしろい~~。非常に荒削りなんだけど生き生きしていて、これこそ新人らしい魅力ある作品。真っ当な青春ストーリーと味のあるキャラクターで、とにかくおもしろいのよっ!! “ケツバット女”という掴みも上手く機能していて、くぅ~~~~~。オススメですっ!!

第13回電撃小説大賞<銀賞>。肩を壊し甲子園への夢を諦めていた智紀。そんな智紀の前に、金属バットを振り回すお祭り女、夏希が現れ、ケツバットを要求される……。や、掴みはかなり壊れた印象がある本作だけど、内容は、夢を諦めかけた少年が再び歩き出すという、かなり真っ当な青春ストーリー。なんといっても、夏希を中心として、生き生きしたキャラがいいよねぇ。まあ、新人らしく荒削りというか、ぶっちゃけ、出来はかなり酷い部分もあるんだけど、それが気にならない魅力的な作品に仕上がってます。いやぁ、新人作品はかくあるべし、という感じだよなぁん。ほんとおもしろいわぁ~~。

[ 2007.02.12 ]


メディアワークス 電撃文庫
なつき☆フルスイング!2 真夏の夜のケツバット /樹戸英斗

1巻は下手な部分も目に付いたんだけど、この2巻は凄く綺麗で良質な作品に化けてるんですけどぉ~。や、コミカルに味付けつつ、ほろりと“いい話”として、綺麗に纏めてあって、めちゃくちゃ素晴らしいっ!!

夢魔を退治するお祭り女・夏希を中心とした連作短編。2巻では、新たに“巨象機関”のジェシカが登場。ジェシカは夏希のオモチャにされる……、という内容。ほんと、綺麗でいい話。特に、「ダウジングガールxチャイルディッシュウーマン」が秀逸。上手くいかない就職活動に挫けそうな女子大生・直美が、学校にも家にも居場所の無い少女・みかと心を通わすことで立ち直っていく、という話なんだけど、ベタで予定調和な展開をベースに、コミカルにいい感じの青春ストーリーと纏めてあって素晴らしい。他の話も、コミカルな味付けで楽しませつつ、ツボをきちんと押さえたベタでいい話に纏めてあって、ほんとに良く書けてるよなぁ。

ただ、綺麗な連作短編として攻めて行くのかと思ったら、ラストでストーリーを動かすような展開を入れてるので、今後はちと不安だなぁ。あと、夏希と智紀を除くと 1巻のキャラがいきなり出番がなくなる、というか、キャラを使い捨てる傾向が強いので、そこら辺も気になるなぁ。

[ 2007.07.13 ]