銀盤カレイドスコープ


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープ vol.1 ショート・プログラム:Road to dream /海原 零

あははははははは、ごめんなさい。めちゃくちゃおもしれーーーーーっっっ!!

趣味にあわなさそうということと、本当に趣味にあわないということとは別でしょう”ということで買ってみたのだけど、うわ~~、なんで、こんな作品を読んでなかったんだ~~~。たしか、JAGARLさんトコ 経由で出版社の紹介を見て、「確かに、コレはエロ本だ。ぜったい肌にあわね~」とか、そんな感触を抱いた記憶。……まあ、内容は、そのまんま そんな感じだった気もするけど(^^;。

そゆわけで、100億ドルの美貌を持つ少女が、幽霊に取り憑かれ、24時間羞恥プレイ状態になってしまうというお話。この主人公、タズサの性格を、凶悪で攻撃的、でも、実は、不器用でプレッシャーに弱いという辺りに定義したのがナイスっ!! フィギュアスケートの描写も秀逸で素晴らしいのだけど、タズサとピートのちょっとエッチでドキドキなラブコメが、とにかく楽しい。だんだん、心を開くタズサも、ぐっど。や、せつなさを感じさせる今後だし、さくさく、続きを読むぜっ!! 読んでて、にやけまくりで、ほんと面白いよ~~。

[ 2004.03.04 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープ vol.2 フリー・プログラム:Winner takes all? /海原 零

最高傑作級。素晴らしいーーーーーっっっ!!

とにかく、もうもう、スケートの演技の描写が最高っ!! スケートの演技とその周辺は、読んでて、ほんと泣きそうになるぐらい心揺さぶられるよ~~。や、ここまで、スポーツをプレイする様子を熱く巧く描写している小説は滅多にないと思うのだけど、ほんとにこの人、新人ですか? ほんとに凄いよ、素晴らしいよ~~。

でも、ラストシーンは、もっと上手く纏めて欲しかったなぁ。というか、その前までのフリーの描写が良かったので、なおさら、落差が激しく下手さが目立つ~。や、ステイシーを筆頭に、ライバルたちの描写も酷いし、やっぱし、新人らしく、下手な部分は下手だよね(^^;。<勢いのあるシーンやコメディ色の強いシーンは上手いんだけど、シリアスな恋愛描写やストーリーの構成力はちと微妙な予感も。というか、途中から、ラブコメ色が弱くなって、そこら辺、すげー残念だったんですけど。羞恥プレイはいったいどこにっ!!

なにはともあれ、続きも非常に楽しみっ!! ……でも、あのラストから、どう続けるんだ?

[ 2004.03.05 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープ vol.3 ペア・プログラム:So shy too-too princess /海原 零

……いきなりつまらなくなった。あのピートとの 100日間はなんだったんだぁ~~。

1,2巻と似た内容を、わざわざつまらなくして書く必要が、どこにあるんでしょうか? 展開が似てるだけならまだしも、明らかにスケールダウンしていておもしろくないし、コメディ色の弱い普通の恋愛を描くのは下手みたいだし、なにより今回、あのスケートの躍動感も減少甚だしいと思うんですけど。や、ダブルスに転向という美味しいネタで、この体たらくでは、今後の内容が、大いに不安~~~~。

ほんと、今回で、ありがちなネタを、かなり使ってしまった訳で、次回からどうするつもりなんだろう。

[ 2004.03.06 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープ vol.4 リトル・プログラム:Big sister but sister /海原 零

下品だ(^^;。や、番外編としては、それなりにおもしろかったけど、あくまで、“それなり”かなぁ。とりあえず、ヨーコの性格がタズサのミニチュア版になっちゃってたり、ストーリー展開も今までの焼き直しという感じがしたりして、もちっと工夫なり気を配って特徴づけて書いて欲しかったところ。……まあ、3巻に比べたら、かなりおもしろいんだけど。

そゆわけで、4巻は、タズサではなく妹のヨーコが主人公。こういう切り口を持ってきたアイデアは良かったし綺麗には纏まってるんだけど、やっぱり少し物足りない。まあ、ヨーコが主人公ということで番外編的な内容なので仕方ないかしらん。とりあえず、続刊以降はどうするつもりなんじゃろ。

[ 2005.03.02 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープ vol.5 ルーキー・プログラム:Candy candy all my rules /海原 零

久々に『銀盤カレイドスコープ』らしくて面白かったけれど、ただやっぱり、このシリーズは2巻で終えるべきだったのであって、これ以上続けるのは無理があるという想いがひしひしと。……まあ、今回は、ネタの仕込みな回であって、あくまで次回の世界選手権でどうなるかという部分もあるので、それ次第かなー。

[ 2005.09.27 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープ vol.6 ダブル・プログラム:A long,wrong time ago /海原 零

面白い、面白かったのだけど、でも、キャンディはどこに行ったんだ(^^;。っていうか、次巻で最終巻かよっ!! ……どうするのかしらん?

そゆわけで、前巻からの続きで、いよいよ世界選手権。って、至藤&ドミニクを中心に描くという変則的な構成に、正直ビックリ。いや、単巻であればこれでもぜんぜん構わないと思うし、最終巻を前にライバルたちの立場を描くのも常道ではあるのだけど、ただ、5巻の内容が全く生かされてないじゃん、とか、次巻が最終巻でリアとの圧倒的な実力差を埋めずにどうするわけ?とか、結局は、次巻次第になるのだけど、そこはかとなく非常に不安(^^;。……とにかく、続きだ続きっ。

[ 2005.11.28 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープvol.7 リリカル・プログラム:Be in love with your miracle /海原 零

最高傑作。リアに対峙する複雑な心情描写、そして、あのラストへ到る過程をみごとに見せた構成と演出の素晴らしさ。なんといっても、全てが集約するあの一言が、とにかく深いこと深いこと。ここまで来れば、もう、最終話いらないです。<をい

バンクバー五輪まで1年。圧倒的な実力で無敵の女王として君臨するリア。そんな絶望的な実力差を思いつつ、タズサとガブリーは冗談のような約束をする。……という、オリンピックへ到るまでのタズサの1年を、心の揺れを中心に描いた内容。一見ファンサービスのように見えるシーンも含めて、リアに対する心情を少しずつ描き積み重ねることで、冗談からとうとうあのラストへと到達するまでを描ききったのは、とにかく、素晴らしいの一言。状況的に 1巻を思い返さずにいられないわけだけど、あのタズサが、よくぞここまで来たと思うと、ほんとうに感動しかないと思う。しかもそして、あのリアの眼鏡っ!! もう、素晴らしいとしか言いようがないですっ!!

……しかし、このラストで十分効果的な区切りだと思うのだけど、あとがきによると、“本当は、もう60~70ページほど先まで行きたかった”ってことは、つまり、少なくとも精神面ではここがクライマックスだと思ったのだけど、まだまだ二転三転するということですか(^^;。

[ 2006.06.26 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープ vol.8 コズミック・プログラム:Big time again! /海原 零

とにかく、続きだっ続きっ!!

リアに突きつけた勝利宣言。そして、奇跡に向かって、オリンピックのリンクへ上がる……。7巻の素晴らしさに比べると物足りなさと多少の不満を感じる部分もあるのだけど、最終決戦へのお約束的な仕込みも万全で、勝つにしろ勝てないにしろ、どう盛り上げてどう納得させてくれるか、続く9巻が非常に楽しみです。とにかく続きを読むぜっ!!

[ 2006.12.02 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
銀盤カレイドスコープ vol.9 シンデレラ・プログラム:Say it ain't so /海原 零

キツイ展開に途中で投げてたのだけど、なんとか読了。あの展開を乗り越えたあとのタズサのスケートシーンには思わず目頭が熱くなったり、素晴らしい最終巻でした。

そして、無敵不敗の帝王・リアとの最終決戦へ……。読む前に私の予想していた展開は、フリー直前に対リアではなく本来の自分を取り戻す→ゼロの領域へ→フリーでは勝つが総合では負け→そして4年後、という辺りだと思ってたのだけど、良い意味で予想を越えた展開でした。……まさか、あそこまで追い詰めるとは。いやぁ、とにかく素晴らしい。ひたすら圧巻でした。

ただ、不満もいくつかあって、とりあえず、絶対ピートが出てくると思ったんだけどなぁ~~(^^;。あと、ラストは、もっと綺麗に纏めてくれると思ってたのだけど、まあ、そこは好みの問題か。最後まで、タズサはタズサでした。

[ 2006.12.10 ]