流れ星が消えないうちに


新潮社 新潮文庫
流れ星が消えないうちに /橋本紡

最高傑作級。ライトノベルレーベルじゃなくても、やっぱり、橋本紡作品は素晴らしいなぁ。

いまやすっかり、ライトノベルから越境してしまった感のある橋本紡の『流れ星が消えないうちに』が文庫落ち。突然の事故で死んでしまった加持。加持の恋人だった奈穂子と、加持の親友だった巧は、加持への想いを抱えながら、やがて付き合うようになるが……。という感じで、淡々としつつも、非常に綺麗な恋愛ストーリー。もう、ほんとにほんとに、綺麗で綺麗で、素敵な作品でした。まあ、予想通りというか、『毛布おばけと金曜日の階段』と、大体、似たような雰囲気かしらん。ただ、尖がった部分はなく、淡々としていて、とにかく地味なので、ちと印象的には弱い部分はあるかなぁん。読み終わった後は、「素晴らしかった」と思えるのだけど、途中までは、正直、物足りなさも感じたりして。いや、導入部が、もうちょっとインパクト強かったら、言うことなしだったんだけどなぁ。

[ 2008.07.09 ]