ダンタリアンの書架


角川書店 スニーカー文庫
ダンタリアンの書架1 /三雲岳斗

寓話的なライトノベルとしては、王道。ていうか、むしろ凡庸? キャラもストーリーもそこそこ良いのだけど、あくまで、“そこそこ”なんだよなー。

口の悪い幼女・ダリアンたんと、頼りない青年・ヒューイが、幻書を回収しながら各地を旅する話。基本的には、ヒロインのダリアンたんと、ダークな雰囲気に特徴のある連作短編なんだけど、うーん、正直、キャラはスベってる印象が拭えなかったり、作者があとがきに書いてる“残酷な結末のダーク・ファンタジー”というほどには黒くないんだよね。や、作者がそういう部分を「売り」にしようと頑張ってるのはよく見えるんだけど、作者が狙ってるほど魅力的になってないのは、残念無念。決して詰まらなくはないんだけど、作者の人が頑張りどころを間違ってるような、そんな印象の作品でした。

[ 2008.11.05 ]