S式コミュニケーション


エンターブレイン ファミ通文庫
S式コミュニケーション(1) 君はぼくを殺しにきた /新木 伸

美少女でえっちで下品でSF。『星くず英雄伝』の新木伸らしい内容で、非常に楽しい、素晴らしい。

そゆわけで、いきなり裸の女の子(宇宙人)に生命を狙われる、という話。ちょっと情けない風の少年を主人公としたハーレム系ヒロイックなSFで、新木伸の傑作『星くず英雄伝』が好きな人にはかなりお勧め。ただ、えっちな演出は、最近の萌え路線というより、下品に走るあかほり時代な古めかしい路線なので、最近の若者より多少年寄り向けな予感。<をい。あと、速いテンポを重視して意図的にそうしたのかもしれないけど、素人の書くような、説明の足りない文章になっちゃってるのは問題。一応、作家歴は長いんだから、新人の書くような文章はちょっとどうかと思う。

まあ、なんやかんやで、ちょっと情けない風な少年が仲間の助力を得て巨大な危機に立ち向かう、というスタンダードな展開に、美少女とSFを加味して、これ以上なくきちんと面白く仕上げている部分は、素晴らしいの一言だよな。ただ、鏡姉妹の扱いがアレなんだけど、これは次巻以降にちゃんとフォローが入るんだろうか?

[ 2006.04.03 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
S式コミュニケーション(2) 君の秘密を知っている /新木 伸

ダメ。キャラはぜんぜん可愛く書けてないのが致命的。あと、そもそも、作品全体が非常に雑に書かれてるようにしか見えないのが、にんとも。

そゆわけで、下ネタ満載で下品なシリーズ第2段。クラスメイトの華さんも、もしかして宇宙人?という内容。前巻と同様、下品でエッチな内容なのだけど、この2巻は下品なだけで、ストーリー的にはあまり見るべき部分がありません。なんといっても、キャラが魅力的になるように描かれてないのがダメダメ。あと、これも前巻と同様に、まるで新人の書くような下手な文章はなに? ……う~ん、『星くず英雄伝』は好きだったんだけど、どうも最近の新木伸は、ちょっといまひとつなんだよなー。

[ 2006.08.02 ]