コッペリア


講談社 講談社文庫
コッペリア /加納朋子

オチがさいこー。いやぁ、非常にさわやかで気持ちのいい読後感です。……それにしても、はじめはタイトルから想像付くとおりな、人形フェチで純朴な少年と計算高い演劇少女との恋愛モノかと思ったのだけど、ああいう仕掛けを組み込むとは、さすがミステリ作家というかなんというか。思わず、読み直したよ(^^;。

タイトルの通り、人形に恋をするというバレエ『コッペリア』を準えた作品。子供のころから人形にばかり執着していた大学生の了と、パトロンと打算的な付き合いをする小さな劇団の看板女優の聖の二人を中心に、さらに、聖のパトロンの創也と、偏屈な人形師まゆらを加えた恋愛物語。ストーリーやその構成が非常に巧いのだけど、なにより、さわやかな読後感が素晴らしい。いや、途中まではわりと人の暗黒面を描くような嫌な感じの内容で、女の人、怖いよー、怖すぎだー、という感じなのだけど、そこから、ああいうラストに持ってくるのは、ほんと綺麗でいいよなぁ。

[ 2006.07.18 ]