知られざる日本の恐竜文化 - 好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!


祥伝社 祥伝社新書
知られざる日本の恐竜文化 /金子隆一

めちゃくちゃおもしれーーーーーーーっっっ!! 主観バリバリで偏りまくり、とにかく好き放題書かれてるんだけど、だからこそ情熱に溢れていて、おもしろいおもしろい。オタク第一世代(もうちょっと上?)の作者が、自分の信じるオタクのあり様について大いに語る、という内容。一応、恐竜の話なんだけど、たぶん、ガンダムや SF、ミステリ辺りに置き換えても、違和感は感じないと思う。

そゆわけで、濃い恐竜オタクを自認する作者が、ブームの度に現れる多量のミーハーなファンの存在を嘆き、「本当のオタクは、萌えないものだ」「最低限、英語の論文を読みまくってない奴はオタクとして認めない」と嘯き、さらには、「著名なプロにもバカがいる」と言い切った上で、商業誌やイベントの酷さを訴え、学会の主流の考え方をも貶しまくる、といったもの。いやぁ、ある種のステレオタイプ的なオタクを地で行ってるのだけど、ここまでハッキリした物言いだと、むしろ清清しい。作者の人は、もともとSF畑出身のオタク文化にも造詣のある人なので、一応、恐竜の話なんだけど、オタク全般の話としても、全く違和感を感じないのよな。ここまで尖がってると、ほんと面白いなぁ。

細かな記述に関して言えば、笑えるのは、古脊椎動物学会に関する記述で、イラストやフィギュアの展示販売、さらには、コスプレまで存在するって、作者の人もコミケやワンフェスとの類似性を強調してるのだけど、本当だったら、マジ面白い。どういう学会だよっ。あと、あの学者はアニメ好きで、あの学者はゴジラが大好きみたいに、恐竜文化は日本のオタク文化に影響されまくりな論調になってるんだけど、どこまで本気なんだろう(笑)。そして、オタク関係の話にも触れられていて、まさか恐竜の本で、「「萌え」の語源は、『恐竜惑星』にヒロインとされているが、岡田斗司夫の勘違いであり誤り」みたいな話が載ってるとは(作者の人は『恐竜惑星』の設定も担当)、マジに面白かったぁ。

[ 2007.08.26 ]