耐震偽装


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月に響く笛 耐震偽装 /藤田東吾

むちゃくちゃ面白かったっ!! 非常に主観的で陰謀論と被害妄想に満ちた内容なのだけど、だからこそっ、作者の心の底からの魂の叫びが迸っていますっ!! とにかく作者の誠実な性格と不器用な生き方が感じられて、確かに、萌えるわ(^^;。。

そゆわけで、耐震偽装問題の中心人物の一人、元イーホームズの藤田東吾社長による自費出版本。藤田氏の視点から耐震偽装問題を書いたものなのだけど、ここまで一方的で妄想が入り混じった内容じゃ、そりゃ出版社は二の足を踏むだろうし自費出版にもなるよなぁ。逆に、そこまで徹底して容赦のない藤田視点の内容なので、本当に面白かったです。

主張は一貫してて、「国の基準の問題だったので、当然国が責任を取るものだと思ってた。だから、バカ正直に調査&報告したのに、俺のせいにされたっ!! 国の陰謀だっ!!」という感じかしらん。確かに、当時のマスコミの対応は酷かったし、最終的にイーホームズに非がなかったことも明らかになったのに、別件逮捕と免許取り消しで、結局、倒産まで行ってしまう過程を見ると、国の対応は酷すぎるとも思うけど、そうはいっても、さすがに視野狭窄と陰謀論がすぎるだろっ!! いやまあ、そういう本音が滲み出てるところが本書の素晴らしいところなわけだけど。……以前やってた、木村建設の篠塚元支店長のドキュメント番組も、あまりの切なさに涙なくては見れなかったけれど、ほんと世界は不誠実で哀しいよねぇ。

[ 2007.02.06 ]