FINE DAYS


祥伝社 祥伝社文庫
FINE DAYS /本多孝好

恋愛に絡めたちょっと不思議な話を集めた短編集。いやぁ、「奇跡のラブ・ストーリー」という帯から予想したほどには、恋愛色は弱いものの、私が本多孝好に求めていたテイストのちょっとせつないお話で、なかなか良かった。……ただ、本多孝好の描く高校生はかなり無理を感じるので、そこがちょっと残念だ(^^;。

FINE DAYS

放課後の教室で不思議少女と出会う、という話。いや、いかにも30代の作者が無理して考えた高校生像、といった感じで、いやん。ストーリー的には、せつなくて良かったのだけど……。

イエスタデイズ

素晴らしいっ!! 勘当同然に家を出た主人公は、ある日父親から呼ばれる。残り数ヶ月の生命となっていた父に、その父の昔の恋人を探すように頼まれる、という話。父と息子を中心とした不思議な心の交流と、理想のまぶしさと現実の力強さを描いた内容は、せつなく綺麗で、ほんと素晴らしい。オススメ。

眠りのための暖かな場所

幼い頃に妹を亡くした女性が似たような影を感じさせる後輩と出会う、という話。ありがちなネタをぼんやり書いてしまったような内容で×。いや、キャラはむしろ非常に良かっただけに、ガッカリだなぁ。

シェード

クリスマス。以前から狙っていたプレゼントを買いに行くが、すでに、それは買われた後だった……。や、綺麗に纏まった良作。ちと、小さく纏まりすぎてる感もあるけど。

[ 2006.08.07 ]