フリーランチの時代


早川書房 ハヤカワ文庫JA
フリーランチの時代 /小川一水

テーマというかコンセプト的に、酷い作品ばかりだ(褒め言葉)。インパクト重視の一発ネタみたいな作品が多いのだけど、どの作品も面白い面白い。特に、オチが酷いのばっかしだしなっ!!(笑)。……ただ、野暮かもしれないけど、SF的にはちょっと突っ込みどころが多いのが残念。

そゆわけで、小川一水の短編、5編。それぞれ簡単に↓。

フリーランチの時代

変わったファーストコンタクトモノ。火星調査中に重症を負った三奈は、未知の存在に生きるか死ぬか、尋ねられる……。と、あっけらかんと書かれてるけど、仲間を増やしてくアレコレは、えげつなくて酷いよなぁ。オチも酷い(笑)。

Live me Me.

植物人間状態となった女性が、技術の進化で新たな自由を手に入れる……。と、だんだんと自由を獲得していく様は、素晴らしい。そして、これもオチがえげつなくて酷いこと酷いこと。

Showlife in Starship

宇宙時代のひきこもり。ハウスキーパー型AIがナイス。

千歳の坂も

毎年の平均余命の伸びが1年を超え、実質的に、不老不死になった人類。というネタは面白かったけれど、それだけだなぁ。

アルワラの潮の音

『時砂の王』のスピンオフ作品。王道的な少年の成長物語なんだけど、できは悪くないものの小さくまとまってしまっていて、物足りない印象だったり。

[ 2008.08.04 ]