グリーン・レクイエム/緑幻想


東京創元社 創元SF文庫
グリーン・レクイエム/緑幻想 /新井素子

愛の物語。集結するところまでは面白かったのだけど、その後が説明的過ぎて、ちとびみょ~。いや、綺麗ではあるんだけどねー。

幼い頃に出会った緑色の髪をした不思議な少女。その不思議な深い緑にあこがれ、植物学者となった信彦は、その少女と再会する……。星雲賞も受賞した新井素子の初期の名作&その続編。初読かと思ったのだけど、微妙に読み覚えがあるな(^^;。……星雲賞受賞作の『グリーン・レクイエム』は、さすがに素晴らしい。綺麗にせつなく纏まった短編で、Good。いや、「想い」のすれ違いが不幸を呼ぶさまは、せつないよねぇ。続く、『緑幻想』は、せつないままに終わってしまった『グリーン・レクイエム』を補完する意味では良かったんだけど、補完と説明だけで終わってしまった印象で、残念無念。いや、前半から中盤にかけての盛り上げ方が良かっただけに、終盤、会話メインでの説明に終始してしまったのがなー。もう少し、プラスαな要素を期待してたんだけどなー。まあ、『グリーン・レクイエム』のあのやるせなさを綺麗に修正して、気持ちの良い読後感を与えてる部分は素晴らしいのだけどさぁ。

[ 2008.01.09 ]