廃園の天使


早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション
グラン・ヴァカンス 廃園の天使 I /飛 浩隆

すげー、めちゃくちゃ面白いー。……でも、えっち風味で、わりと嫌な描写も多くて、アレなんですけど(^^;。

そゆわけで、人も世界も、「蜘蛛」に蹂躙されつつ喰われていくお話。舞台がヴァーチャルで、登場人物が AI なのがミソ。正直、設定やストーリー展開は、詰めが甘いかしらん?と思える部分はあるのだけど、そんなことは気にするなー。というか、ぐいぐい話に引き込まれて、気にならない~。とにかく、ジェットコースター的な展開で、ラストもナイスっ!! くらくらだよ~~。

それにしても、このヴァーチャル世界の設定、もともと、プレーヤーが、フラグを立てることに成功すると、AI に いやらしいことが出来る、ということになってるのだけど、そういうネタを使ってるのに、萌え系のネタが、全く出てこないというのは、どーゆーことだっ!! <をい。そもそも、登場人物が、じわじわと陵辱されてくような内容なのに、女の子がほとんど出てこないというのも、凄いよなぁ。<いや、そんなことしたら、世界観、壊れちゃうのもわかるんだけどさっ

[ 2003.02.16 ]


早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション
ラキッド・ガール 廃園の天使II /飛 浩隆

素晴らしい。いや、短編集なので、各話で差はあるのだけど、なかでも特に、物理世界側を描いた作品が、非常に良かったです。……ただ、前作『グラン・ヴァカンス』に比べると、全体的に不親切で、ぐいぐい引っ張る感じはないのだけど(^^;。

突然、人間が来なくなった仮想リゾート<数値海岸>。その<数値海岸>で暮らす、人間から見捨てられたAIたちを描いたのが、前作『グラン・ヴァカンス』。そして今回は、現実世界―物理世界側も含めて、<数値海岸>の開発秘話や人間の訪問が途絶えた真相までも含めた内容。鮮やかでどことなくエロチックな描写も素晴らしいし、<数値海岸>の技術的な基盤や思想的な背景なんかの話も、なかなか楽しい。ていうか、キャラが変で面白すぎるだろ(笑)。ほんと、非常に素晴らしく、面白かったです。

[ 2006.11.10 ]