羽月莉音の帝国


小学館 ガガガ文庫
羽月莉音の帝国 /至道流星

借金まみれになってオリオリがアレコレさせられるエロい話になるのかと思ったら、順調に成功するだけの展開に絶望したっ!! いや、オリオリは結局、不幸だけど(^^;。

というか、沙織以外は小説のパーツとして出来が酷すぎる。確かに、沙織は可愛いのだけど、しかし、終始順風満帆で危機に陥ることもなく、山も谷もないストーリーのどこが面白いんだろ。高校生が企業してゆくゆくは世界を牛耳ろうという話で、経済用語を丁寧に説明した上で、その経済的な成功の過程を真摯にきちんと手順を踏んで描いてるんだけど、そのせいで非常にテンポが悪く、しかも、その代償のわりに、嘘っぽさはぜんぜん拭えていない。ライトノベルらしい荒唐無稽さが悪い意味で発揮されてて、経済小説的なリアリティを上塗りしまくってる予感。エンターテイメント性をひたすらキャラに負ってるだけで、経済小説としての魅力が全くないんなら、単なるキャラクター小説にすればよかったんじゃね?

[ 2010.08.07 ]