火目の巫女


メディアワークス 電撃文庫
火目の巫女 /杉井光

あう~、巫女巫女萌え萌え小説じゃないのか~~。いや、表紙その他から、てっきり萌え系の話かと思ったら、萌えからはかなり遠い、むしろ物悲しい物語。出来は悪くはないと思うのだけど、好みかどうかといえば、ちと微妙なんだよなぁ。

「第12回 電撃小説大賞 銀賞」。護国の要である“火目”を目指す三人の巫女の話。なんといっても、オーソドックスな展開をベースに、物悲しさを非常に上手く演出してるのが Good。これで、三人の心情や関係をもう一歩深く描いていれば素晴らしい作品になってただろうに、そこら辺はもったいないなぁ。あと、ラストは私的にはわりと好印象。……それにしても、橋本紡がコメントで“電撃らしくない作品”と書いてるけれど、どういう意味での発言なんだろうか? ストーリー展開や演出的には、むしろ電撃以外では出そうもない作品だと思うのだけどなー。

[ 2006.02.17 ]